ものづくり補助金平成28年度卸売業、小売業栃木県

POS分析システムの活用による農業生産資材の流通改革。および顧客(農家)へのサービス向上を目指す

株式会社みのり

この事例のポイント

  • 農業生産資材の販売は商品にJANコードが付いていないものが多く、商品分析・顧客分析が大きく遅れていた。
  • 本部に設置していた基幹システムをバージョンアップし、さらなるIT化を進めた。
  • 現在はほぼ100%の商品でJANコードへの対応が完了し、単品管理による商品分析・顧客分析が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社みのり
所在地栃木県 大田原市
業種その他の小売業
従業員数117人
資本金3,300万円
設立1992年

事業の背景

当社は1992年に「農家のコンビニエンスストア」として創業し、現在は栃木県に8店舗、茨城県に1店舗を展開している。農業資材、農薬、肥料、種苗、農業機械など約3万点を扱い、野菜や花の種だけで2,000種類以上をそろえている。農業者の高齢化や減少、農産品の売上減少、消費低迷などが進み、農業を取り巻く市場環境は厳しさを増していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他農業生産資材の販売は商品にJANコードが付いていないものが多く、商品分析・顧客分析が大きく遅れていた。
  • コスト・採算国の農業競争力プログラムで生産資材価格の引き下げが求められる中、売価を下げる仕組みが必要だった。
  • 集客・繁閑農業資材は予約購買や掛売が中心で、その年の天候によって売れ行きが左右されやすかった。

やったこと

本部に設置していた基幹システムをバージョンアップし、さらなるIT化を進めた。商品分析ソフトを活用して分析精度・業務効率・生産性を向上させた。分析のため商品へのJANコード貼付を徹底し、野菜苗や花苗にはオリジナルの苗ラベルを作成し、果樹苗にはラベルとは別にJANシールを貼り付けた。レジ台に乗らない長尺物や肥料はレジに単品ボタンを設定するか、JANシートを備え付けた。

ソフト本部基幹システム(サーバー)
ソフト商品分析ソフト
その他POSレジ

事業の効果

現在はほぼ100%の商品でJANコードへの対応が完了し、単品管理による商品分析・顧客分析が可能になった。売れ筋商品をプライベートブランド化したことで粗利が向上し、売価の低減につながった。「みのりブランド」を冠した商品の提供により競争力も強化された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    事例は創業以来の「地域一番価格で現金販売」「専門性を突き詰めた品ぞろえ」という一貫した事業スタイルを示すが、経営戦略上の位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約3万点の品ぞろえ、2,000種類以上の種・苗、栃木8店舗・茨城1店舗という強みと、農業者高齢化や売上減少という外部環境が具体的に述べられている。

  • 課題の認識と解決4

    課題として農産品売上減少や生産資材価格引き下げ要請を挙げ、PОSによる単品管理とPB化で売価引き下げを実現した、と解決策が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。売価引き下げや粗利向上の記述はあるが、数値目標ではない。

  • 事業を進める体制3

    既存の本部基幹システムのバージョンアップや店舗網の運営実績から実施体制はうかがえるが、人材や事務処理能力の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客は農家、選ばれる理由は地域一番価格や年中無休・在庫の豊富さと、事例に具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は平成29年度ものづくり補助金による顧客分析システム事業への展開が書かれるが、スケジュールや課題解決方法の詳細はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    農業生産資材のJANコード化・PB化による単品管理は、流通業界で一般的な手法を農業資材分野に適用した取り組みと読める。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    農業競争力プログラムの生産資材価格見直しや農家の所得向上に言及しており、政策的意義はうかがえるが、波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は書かれておらず、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献3

    POSデータと分析ソフトを連動させ、農家ごとの購入履歴に基づく提案営業を実現したと書かれており、デジタル活用は読み取れる。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    農業分野のIT化による流通改革への言及はあるが、日本経済の構造転換への寄与は明示されていない。

  • 地域経済への波及2

    栃木・茨城の地域での店舗展開は書かれているが、地域特性を活かした雇用創出や成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成29年度にものづくり補助金を新たに受け、POS分析と連動した「顧客分析システム事業」を推進している。個々の農家の購入履歴を分析し、必要な時期に必要な商品を先取りして提案する営業を実践している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。