ものづくり補助金平成26年度卸売業、小売業山形県

ベーパー回収型計量機導入による「環境低負荷・高安全・低臭」な給油所の実現

株式会社菱沼

この事例のポイント

  • ガソリン給油時に発生するベーパー(燃料蒸発ガス)は、人体に有害性があるなど大気汚染の原因となっていた。
  • ガソリン給油所に発生するベーパー(気体)を再液体化する装置を搭載したベーパー回収型計量機(給油機)を3台導入した。
  • 「大気環境配慮型SS」のAランク認定を取得し、ガソリン臭が低減されたことで顧客からの評判もよくなった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社菱沼
所在地山形県 山形市
業種その他の小売業
従業員数20人
資本金2,000万円
設立1931年

事業の背景

1931年(昭和6年)創業で、1958年(昭和33年)からプロパンガス販売を開始し、総合的なエネルギー供給とリフォームを手がけ、地元山形に密着して営業している。2021年7月には当社のSS「ユアーズ宮町SS」が出光興産のSSブランド統合により「apollostation(アポロステーション)」へVI変更を行った。自動車メーカーによる燃費競争の激化により、ガソリン販売も減少傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • その他ガソリン給油時に発生するベーパー(燃料蒸発ガス)は、人体に有害性があるなど大気汚染の原因となっていた。
  • その他給油所内の臭いや引火事故の発生原因にもなりうる状態だった。

やったこと

ガソリン給油所に発生するベーパー(気体)を再液体化する装置を搭載したベーパー回収型計量機(給油機)を3台導入した。給油中にリカバリーノズルでベーパーを回収する仕組みで、ノズルには黒いブーツ部分が付いている。回収したベーパー分を再給油に使えるため、コスト削減にもつながる。この設備により給油時の臭いを解消し、快適な給油を可能にした。導入の結果、2019年(令和元年)6月に環境省および経済産業省が普及促進する「大気環境配慮型SS(e→AS)」のAランク認定を取得した。

その他ベーパー回収型計量機(給油機)3台

事業の効果

「大気環境配慮型SS」のAランク認定を取得し、ガソリン臭が低減されたことで顧客からの評判もよくなった。認定取得をきっかけに顧客との会話から油外商品の販売につながっている。引火事故の防止により安全性が確保され、職場環境の向上と近隣住民への安全性の担保も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性47%
  • これまでの取組との一貫性2

    創業1931年・プロパンガス販売からの事業展開は書かれているが、本事業の位置付けと過去の取組との一貫性は説明されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    ガソリン販売減少や燃費競争の激化に触れており、差別化の狙いはうかがえるが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    ガソリン販売減少という課題と、環境配慮・安全性PRで他社と差別化する方針が書かれているが、高付加価値化や成長につながる数値目標は示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    今後の展望として油外商品の売上増加を図るとあるが、目標値や高付加価値・賃上げの数値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ガソリン臭の低減、顧客からの評判、油外商品販売への波及など、選ばれる理由が事例の中で具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    事業計画は順調だったがコロナ禍で達成に至らず、今後の売上増加策は示されているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的ではない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    山形県内で大気環境配慮型SSのAランク認定は7SSのみとあり希少性はうかがえるが、ジャンル全体の普及度や高水準化の具体的記述は限定的。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    VOC削減や引火事故防止など大気環境・安全性への貢献が書かれているが、経済波及や雇用創出への言及はない。

  • 費用対効果3

    ベーパー再給油によるコスト削減に触れているが、投入額に対する付加価値や生産性の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    環境配慮と安全性の向上は書かれているが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記述されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    山形市の地元密着型の営業が書かれており、地域での事業展開はうかがえるが、地域の経済成長への貢献は記述されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は燃料油の売上増加に加え、オープンウインドウを促進しながら油外商品の販売強化・売上増加を図る。環境配慮型企業と安全性をPRして他社との差別化を進め、お客様に選ばれるSSを目指す。コロナ禍の影響で事業計画の達成には至っていないが、地球環境への関心が高まる中で石油製品販売業としてできることに取り組んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。