ものづくり補助金平成26年度製造業静岡県

水揚げ後のしらすを生のまま炊いて作る佃煮「生しらすのくぎ煮」の量産体制構築

村松食品工業株式会社

成果1日当たりの製造量 300kg→500kg

この事例のポイント

  • ガス釜6台では午前中に3回転が限界で、1日当たりの製造量は約300kgにとどまり、しらす漁が年間約100日(実働50日と仮定)とすると年間製造量はわずか15t程度となっていた。
  • 補助事業では、これまでのガス釜に代えて蒸気釜8基を導入し、生しらすを炊き込む最適な「生しらすのくぎ煮」の製造工程を開発した。
  • 1日当たりの製造量 300kg→500kg。蒸気釜の導入により炊き時間はガス釜に比べて約2/3に短縮され、1日当たりの製造量は約500kgとなった。

事業者のプロフィール

事業者名村松食品工業株式会社
所在地静岡県 静岡市清水区
業種食料品製造業
資本金1,000万円
設立1999年

事業の背景

当社は平成11年に、代表取締役が理想とする佃煮を製造するために設立された。関西、中部、関東地区の消費者の味や色合いの好みを把握し、販売地域に応じた佃煮を製造するノウハウを蓄積してきた。今回は、地元静岡市清水区の食品企画商社と連携し、前浜の漁港で水揚げされたしらすを生のまま炊く新規事業「生しらすのくぎ煮」を開発した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ガス釜6台では午前中に3回転が限界で、1日当たりの製造量は約300kgにとどまり、しらす漁が年間約100日(実働50日と仮定)とすると年間製造量はわずか15t程度となっていた。
  • 生産能力しらすの漁獲量は日によって、港によっても大きく異なるため、漁獲量の多い日にも対応できる生産体制を構築する必要があった。
  • 品質・精度ガス釜は直火で釜底部を熱するため熱ムラが生じ、底部では焦げを生じることがあった。

やったこと

補助事業では、これまでのガス釜に代えて蒸気釜8基を導入し、生しらすを炊き込む最適な「生しらすのくぎ煮」の製造工程を開発した。蒸気釜は熱効率が良く、炊き時間はガス釜に比べて約2/3に短縮され、1日当たりの製造量は約300kgから約500kgになった。炊き時間の短縮により生しらすへの熱がかかる時間も短くなり、より柔らかい食感を実現することができた。材料への加熱温度がガス釜より低いため焦げ付きが極めて少ない加工が可能になり、製品の品質と安定性を高めた。

加工機蒸気釜

新しい製品・サービス:生しらすのくぎ煮

事業の効果

  • 1日当たりの製造量 300kg→500kg

蒸気釜の導入により炊き時間はガス釜に比べて約2/3に短縮され、1日当たりの製造量は約500kgとなった。生しらすを炊く際の熱の当たる時間が短くなったことで、よりやわらかい食感を実現できた。加熱温度が低くなり焦げ付きが減ったことで製品歩留まりが向上し、品質の向上と安定を実現した。加工室の気温がガス釜より低くなり空調負荷も減ったため、作業者にとって働きやすい環境になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の佃煮製造や新商品開発の経緯は書かれているが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    漁港直下の鮮度や関西・中部・関東の消費者の好みを把握している点など、外部環境と強みが具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    ガス釜は1日約300kgで年間約15tに限られ、漁獲量の多い日に対応できない課題を整理し、蒸気釜8基で解決している。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日当たりの製造量が約300kgから約500kgになり、炊き時間も約2/3に短縮と数値目標の達成が示されている。付加価値額の目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    工場長以下社員への教育や柔軟な段取り替え体制が確立していると書かれているが、補助事業を遂行する人員や事務体制の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    口の中でホロリとほぐれる食感が最大の特長と明示され、土産物向けからスーパーへの販路拡大も示されている。

  • 事業化までの道筋3

    製造工程の開発や今後の販路拡大の方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決の具体的方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    生のしらすを炊いた佃煮は、いかなごのくぎ煮と比べても前例がなく新規性が高いと明記されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元素材の活用や漁港直下の特性は書かれているが、雇用創出や波及効果の数値は示されていない。

  • 費用対効果4

    製造量が約300kgから約500kgへ増え、歩留まりも向上したと具体的な改善が示されている。投資額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    静岡市清水区の地元素材を活かした製品で、地域特性を活かした高付加価値商品として位置付けられている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

量産体制が整ったため、今後は土産物向けだけでなく、スーパーなどへも販路を拡大し、消費者に喜ばれる商品を提供していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成26年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。