ものづくり補助金平成28年度製造業茨城県

デンプン成分の最適管理による新規顧客層にむけたソース煎餅のフルモデル開発事業

有限会社椎名米菓

成果熟練職人以外のタレ付けでは工程での不良品率が20%以上に達していたが、不良品率も低下させることに成功した。

この事例のポイント

  • 熟練職人以外がタレ付けを行うと工程での不良品率が20%以上に達していた。
  • 工程で最も難しい最適なタレの温度を数値で表すため、特別オーダーの味付け機・特殊型電動フリキリを導入した。
  • 熟練職人以外のタレ付けでは工程での不良品率が20%以上に達していたが、不良品率も低下させることに成功した。熟練者以外でもタレの温度を視認せずに調整でき、一定の品質を維持管理できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社椎名米菓
所在地茨城県 取手市
業種食料品製造業
従業員数4人
資本金300万円

事業の背景

有限会社椎名米菓は取手市山王で「煎餅」一筋に80余年営業する会社で、看板商品はソース煎餅とにんにく煎餅である。従来のソース煎餅は茨城県産うるち米100%の伝統的な硬い生地に水飴を多く使ったタレでコーティングしていた。女性を中心におやつ市場は増加傾向にある。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度熟練職人以外がタレ付けを行うと工程での不良品率が20%以上に達していた。
  • 人手・技能タレの維持管理が一人の熟練職人の経験と五感に頼っており、若手後継者を含めた全職人が安定した品質で製造できる新たな管理体制の構築が急務だった。
  • 品質・精度従来のソース煎餅は重量感があり食べにくいという女性顧客からの声があり、気温が高くなるとタレが溶けて手が汚れることを敬遠する顧客の指摘もあった。

やったこと

工程で最も難しい最適なタレの温度を数値で表すため、特別オーダーの味付け機・特殊型電動フリキリを導入した。導入した設備でタレの温度管理を徹底し、熟練者以外でも温度を視認せずに調整して一定の品質を維持できるようにした。タレのデンプン成分の配合割合を試行錯誤し、煎餅への密着度を高めて溶けにくい製品を完成させた。うるち米100%の硬い生地には焼きと乾燥の工程を改良し、うるち米に餅米を配合した柔らかい生地にも対応した。気温や湿度で変化するタレの状態を安定化させ、気温に左右されにくいタレへの改良にも着手した。

加工機味付け機・特殊型電動フリキリ

新しい製品・サービス:デンプン成分を最適管理したソース煎餅と、うるち米に餅米を配合した柔らかい生地の製品。

事業の効果

  • 熟練職人以外のタレ付けでは工程での不良品率が20%以上に達していたが、不良品率も低下させることに成功した。

熟練者以外でもタレの温度を視認せずに調整でき、一定の品質を維持管理できるようになった。従来より煎餅への密着度が高く溶けにくい製品が完成し、不良品率も低下した。生地は硬すぎず歯切れの良さが特徴となり、女性顧客層を含め多くのファンを生んでいる。他社との差別化を図りつつ、伝統と味、品質を維持しながら進化させていく考えだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.8 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    80余年の煎餅製造と先代のソース煎餅を復活させた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    女性顧客からの重量感への指摘や製法特許取得など市場要望への対応は読めるが、競争環境と自社資源の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決4

    タレが溶ける課題と熟練職人依存を挙げ、不良品率20%以上を改善したと具体的に書かれ、課題認識と対策の関係が読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。不良品率低下の結果は示されるが、目標値は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    従業員4名で若手後継者への技能継承を進めていると書かれ、体制の一端はうかがえるが、事務処理能力などは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    女性顧客の声を受けた軽さ・溶けにくさの改良や、おやつ市場の増加傾向に触れ、ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    タレ温度管理の導入や熟練者以外での調整など課題解決の方法は書かれるが、スケジュールや中長期の検証は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    従来の水飴ベースのソースから、デンプン配合で溶けにくくした製法特許の商品であり、高付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元産米の利用や地域の町で愛される点はうかがえるが、経済波及や雇用創出への言及はほぼない。

  • 費用対効果3

    不良品率20%以上を下げたという効果は読めるが、補助金額に対する付加価値増加などの費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械装置による数値化は書かれるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    茨城県産うるち米や地元産の厳選米を使い、取手市で80余年営業する点から、地域特性を活かした事業であることが読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

自然の素材と伝統の製法を守り、安心・安全で食べてもらえる煎餅を製造し続けることが目標である。

事業者の声

「煎餅の おいしさは原料で決まる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。