ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

日本初! 佐賀のり加工分野で検査機・監視装置導入新生産方式を確立

有限会社玉喜

成果検査人員体制 3人→2人

この事例のポイント

  • 旧態依然としたシステムでは焼きのり加工のスピードが遅い。
  • 焼きのりの量産に向けて4種類の機器を導入した。
  • 検査人員体制 3人→2人。肉眼では分かりにくい異物がモニターに表示されるようになり、良品と不良品の判定精度が向上して歩留まりが改善した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社玉喜
所在地佐賀県 佐賀市
業種食料品製造業
技術分野情報処理,製造環境,測定計測
従業員数70人
資本金5,000万円
設立1968年

事業の背景

創業以来半世紀にわたりのり原料の卸販売や焼きのり・味付けのりの生産・販売を手がけている。生活協同組合の市販品とコンビニエンスストアの業務用商品を製造している。近年、贈答用の需要は減少する一方、コンビニ向けの業務用商品は伸びており、おにぎり用のりは製造全体の60%を占める。今後も長期的に増加が見込まれ、品質と価格で競争に打ち勝つことがメーカーとしての生き残りにつながると考えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力旧態依然としたシステムでは焼きのり加工のスピードが遅い。
  • 品質・精度検査漏れによる加工不良品が散見されていた。
  • 人手・技能焼きのり加工は約30年間同じ作業方法・人数で行ってきた。

やったこと

焼きのりの量産に向けて4種類の機器を導入した。最新デジタルカメラで異物混入や焼きむらを検出し不適合品を排出する自動海苔選別機、光が遮られたり反射する状況下でも不適合品を自動排出できる厚み異物検出装置、表裏が反対になったのりを排出する表裏検出装置を導入した。さらに生産ラインの最終地点にライン監視装置を設置し、カメラとモニターでラインを俯瞰して監視できるようにした。

検査測定自動海苔選別機
検査測定厚み異物検出装置
検査測定表裏検出装置
検査測定ライン監視装置

事業の効果

  • 検査人員体制 3人→2人

肉眼では分かりにくい異物がモニターに表示されるようになり、良品と不良品の判定精度が向上して歩留まりが改善した。焼き加減の検査を機器に任せることで検査工程の精度が向上し、焼成後の検品工程が不要になった。夜勤のマンパワー不足が解消し、生産ラインを俯瞰して見る新しい生産方式の構築につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の取組として焼きのり加工の約30年の同一作業方法と、海外展開やおにぎり用のり需要の増加が書かれ、事業の流れは読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    おにぎり用のりが製造全体の60%を占め、今後も増加が見込まれ、価格・品質で競争に勝つ必要があると具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    旧態依然とした工程で検査漏れによる加工不良が散見されたと課題を示し、自動選別機などで検査精度と生産速度を改善した。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    歩留まり改善や省力化の成果は書かれているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    担当者の体制や事務処理能力に関する記述はなく、社内で導入機器を運用する体制がうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    のりの質と検査精度の向上、コンビニ業務用需要の増加など、ターゲットとニーズが具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後は協調ロボットの導入も視野に入れるとあるが、遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    高品質な焼きのりを量産する点は書かれているが、同分野での高水準の高付加価値化を裏付ける記述は限定的。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用2

    海外展開や有明海の環境配慮、GX推進による波及効果がわずかにうかがえるが、国の補助が必要な理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    スタッフ3人から2人体制にし、夜勤の人手不足が解消したと成果が数字や事実で書かれており、費用対効果の一端が読める。

  • イノベーションへの貢献4

    カメラとモニターで生産ラインを俯瞰する新しい生産方式を確立し、日本初の2人体制13mラインとして業界に示した。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    GX推進や人材育成に努めるとあり構造転換への関わりがうかがえるが、成長分野への進出としては具体性が薄い。

  • 地域経済への波及3

    佐賀県有明海産ののりを使った「一流浜」など地域資源の活用が書かれているが、地域経済への波及効果までは示されていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

人と協調して働く協調ロボットの導入も視野に入れている。安全な品質管理と法令順守は人が担い、単純作業はロボットに任せていく考えである。カーボンニュートラルの流れの中で有明海の環境に配慮した商品を開発し、GXを推進して人材育成にも努めたい。海外のレストランとの取引も進めており、質の良い焼きのりの量産体制をさらに強化していく。

事業者の声

漁師の言葉で最高ののりが獲れる地域を「一流浜」と言います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。