新収益源の確立と雇用確保を両立させる異業種”動植物複合養殖事業”への進出

滋賀県で漁業に新たに参入した会社が、ものづくり補助金で既存の倉庫を使った陸上養殖に取り組み、収益源の確立と雇用の確保を目指した事例です。

ワボウ電子株式会社

この事例のポイント

  • 電子回路基板をネット通販で提供する企業が台頭し、当社の脅威となりつつあります。
  • 新たな事業を確立するため、第一次産業に着目しました。
  • 本文の抜粋の範囲では、補助事業による効果の数値や結果はまだ記載されていません。

事業者のプロフィール

事業者名ワボウ電子株式会社
所在地滋賀県
業種水産養殖業

事業の背景

当社は、プリント基板の開発・製造を主力とし、太陽光発電システムの販売や半導体洗浄装置の組み立てなども行っています。しかし、電子回路基板をネット通販で提供する企業が台頭し、太陽光発電システムも中国企業の廉価で高性能な製品に押され、受注が低迷しています。

半導体洗浄装置の組み立ても新型コロナ禍で急減しました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信電子回路基板をネット通販で提供する企業が台頭し、当社の脅威となりつつあります。
  • 集客・繁閑中国企業による廉価で高性能な製品の影響で太陽光発電システムの受注が低迷しています。
  • 集客・繁閑半導体洗浄装置の組み立ての受注が新型コロナ禍で急減しました。
  • 生産能力既存の太陽光発電システムや半導体洗浄装置の保管などに使っていた倉庫スペースが空いていました。

やったこと

新たな事業を確立するため、第一次産業に着目しました。既存の倉庫スペースを有効活用できることや、植物工場は採算が取れにくいことから、養殖事業を選びました。

当初は抗生物質や化学物質の使用に反対しましたが、その後、完全密閉型の陸上養殖であれば温度や塩分濃度、酸素濃度を適切に保ち、抗生物質や成長促進剤を使わずに養殖できると考え、陸上養殖を事業として進めることにしました。養殖する品目は、約4カ月と養殖期間が短く、国内食品スーパーで人気の高いバナメイエビに決めました。

この補助事業では、養殖用の水槽や、養殖用水に飽和溶存酸素量以上の酸素を溶解してバナメイエビの成長を促進する酸素ファイターなどを導入します。

新しい製品・サービス:「おうみ海老」(バナメイエビの陸上養殖)

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

本文の抜粋の範囲では、補助事業による効果の数値や結果はまだ記載されていません。事業の目的は、既存の倉庫スペースを活用して新たな収益源を確立し、雇用を確保することです。

陸上養殖により、安全・安心、味、環境、人・地域の4つにこだわったエビの生産を目指しています。

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決電子基板や半導体洗浄装置の受注減という課題を明示し、高付加価値の養殖事業への転換を計画している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け国内食品スーパーで人気が高いバナメイエビを選び、安全・安心・味にこだわる差別化された商品像を示している。
  • 4
    新しさ・高付加価値抗生物質や成長促進剤を使わない完全密閉型の陸上養殖で、安全・安心という高付加価値化を図っている。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業を進める体制社内で養殖提案が出た経緯は触れているが、実施体制や人材の確保についての記述は薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    電子基板や太陽光の受注低迷を背景に、既存の遊休倉庫を活かす新事業として陸上養殖へ進出する経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ネット通販や中国製の台頭で既存事業が脅威にさらされる中、空き倉庫という自社資源を生かす選択をしている。

  • 課題の認識と解決4

    電子基板や半導体洗浄装置の受注減という課題を明示し、高付加価値の養殖事業への転換を計画している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標ー

    公開情報では判断できません。

  • 事業を進める体制2

    社内で養殖提案が出た経緯は触れているが、実施体制や人材の確保についての記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    国内食品スーパーで人気が高いバナメイエビを選び、安全・安心・味にこだわる差別化された商品像を示している。

  • 事業化までの道筋3

    養殖期間が約4カ月と短いエビを選定し、排水を海藻栽培に活用する方法など、遂行方法が具体的に書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    抗生物質や成長促進剤を使わない完全密閉型の陸上養殖で、安全・安心という高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    新たな雇用確保を事業名に掲げ、養殖という新たな需要と地域産業の創出に取り組んでいる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    排水を海藻の養分として活用し浄化と栽培を同時に行う循環型の取組で、環境面のイノベーションに貢献している。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    第一次産業への進出に触れているが、日本経済の構造転換への寄与は明確に述べられていない。

  • 地域経済への波及4

    伊吹山系の地下水やフランス産岩塩など地域資源を活かし、地域ブランドの「おうみ海老」として付加価値を生んでいる。

同じ設備を入れた採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。