独自RNA 解析システム「FOREST」の全自動化およびクラウド化

京都府の専門・技術サービス業の会社が、ものづくり補助金でRNA解析システム「FOREST」を全自動化・クラウド化した採択事例です。

株式会社イクスフォレストセラピューティクス

この事例のポイント

  • 一部の実験工程は手作業に依存しており、作業の効率性に課題がありました。
  • 本補助事業では、自動分注システムと新規に導入した遠心機を統合し、サンプルプレートの搬送から処理までを一貫して自動化する体制を整えました。
  • 研究員が手作業で担っていたプレート搬送や遠心処理を自動化し、多検体解析を完全自動運転できる体制を構築しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社イクスフォレストセラピューティクス
所在地京都府 京都市上京区
業種学術・開発研究機関
従業員数25人
資本金7,097万円
設立2020年

事業の背景

当社は2020年の創業以来、独自のRNA解析技術「FOREST」を基盤に、医薬品開発の新たな可能性を切り開いてきました。高精度な解析力で製薬企業との共同研究を重ね、信頼を得てきました。

近年は大規模データの迅速な共有や遠隔での研究対応が強く求められ、新型コロナウイルス禍を経て非接触型の研究環境も必要となりました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力一部の実験工程は手作業に依存しており、作業の効率性に課題がありました。
  • 品質・精度手作業に頼る工程があるため、解析の精度を安定させることに課題を抱えていました。
  • 人手・技能研究員の負担を軽減しつつ、精度の高い成果を安定的に提供する必要がありました。

やったこと

本補助事業では、自動分注システムと新規に導入した遠心機を統合し、サンプルプレートの搬送から処理までを一貫して自動化する体制を整えました。一度に400サンプル弱の検体を扱う実験プロセスの全記録を、複数方向から同時動画撮影し、収録した動画をクラウドデータベースに統合しました。

解析システムを自社クラウドサーバ(AWS)と接続し、取得データをオンライン上で一元的に管理・共有できる仕組みを構築しました。導入にあたっては数百検体を用いたコンタミネーション検証や秤量試験を重ね、十分な精度を確認したうえで正式稼働に移行しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

研究員が手作業で担っていたプレート搬送や遠心処理を自動化し、多検体解析を完全自動運転できる体制を構築しました。これにより研究員は実験中に介入する必要がなくなり、作業効率が大幅に向上し、エラーも低減しました。

解析結果の精度も向上し、信頼性の高いデータを提供できるようになりました。また、クラウド基盤により顧客と双方向のデータ共有が可能になり、非対面での共同研究や海外企業からの信頼獲得にもつながりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性製薬企業との共同研究で信頼を得てきた強みを踏まえ、クラウド基盤で非対面の大容量データ共有を実現し、海外企業からの信頼獲得にも寄与している。
  • 4
    課題の認識と解決手作業依存と効率性・精度の課題を認識し、プレート搬送や遠心処理の自動化で解決を図り、研究員の作業効率と精度向上を実現した。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け製薬企業からの多様な要望や大規模データの迅速な共有ニーズに応え、非対面での大容量データ即時やり取りという選ばれる理由が整理されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標申請時の計画を上回る成果とあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字が示されておらず、実現可能性の根拠は薄い。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    独自RNA解析システムFORESTを基盤に、既存の解析技術を自動化・クラウド化へ発展させており、事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    製薬企業との共同研究で信頼を得てきた強みを踏まえ、クラウド基盤で非対面の大容量データ共有を実現し、海外企業からの信頼獲得にも寄与している。

  • 課題の認識と解決4

    手作業依存と効率性・精度の課題を認識し、プレート搬送や遠心処理の自動化で解決を図り、研究員の作業効率と精度向上を実現した。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    申請時の計画を上回る成果とあるが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値や数字が示されておらず、実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制3

    研究員の実務経験を活かしプログラム改良や運用体制の最適化を進め、数百検体でのコンタミネーション検証を重ねて正式稼働に移行している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    製薬企業からの多様な要望や大規模データの迅速な共有ニーズに応え、非対面での大容量データ即時やり取りという選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    コンタミネーション検証や秤量試験を経て正式稼働に移行し、今後は共同研究拡大と単価向上を目指す段階的な方針が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    RNA結合性化合物の最適化やRNA構造探索など、RNA創薬という一般に普及していない分野で独自技術を展開している。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    大規模データの迅速な共有や非対面研究という社会的要請に応え、海外需要の取り込みや創薬支援への貢献が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    実験プロセスの同時多方向動画撮影とクラウドデータベース統合により、トレーサビリティを実現しデジタル技術で業界の研究環境を変革している。

政策面3.0
  • 成長分野への進出3

    RNA創薬市場への進出と非対面・遠隔研究への対応を通じ、医薬品開発分野の構造転換に資する方向性が読み取れる。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

今後の展望

本事業で構築した自動化・クラウド基盤を活用し、共同研究案件の拡大とサービス単価の向上を目指します。非対面での研究支援やグローバル市場での受託解析にも積極的に対応し、海外での需要拡大を取り込んでいきます。

国際的に高い競争力を持つ企業への進化を目指します。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。