技術情報管理認証の補助金加点|取得までの期間と申請前の段取り
この記事の要点
技術情報管理認証制度(TICS)の認証は、新事業進出・ものづくり補助金で申請締切日までに取得していると加点になります。制度の中身、加点や評価になる補助金、認証までの手順と期間、締切に間に合わせる段取りを公募要領と経済産業省の資料で整理しました。
この記事の目次
技術情報管理認証制度の認証は、新事業進出・ものづくり補助金で加点になり、申請締切日の時点で認証を取得していることが条件です。
経済産業省は、申込みから認証の取得まで早い場合で1〜2か月としているため、締切から逆算して認証機関への申込みを早めに済ませます。
図面や製造のノウハウ、顧客の情報を守る体制づくりを考えていて、技術情報管理認証を取ると補助金でどう有利になるか、締切に間に合うかを知りたい方に向けた記事です。
新事業進出・ものづくり補助金の公募要領と、経済産業省の制度の資料をもとに、加点の条件と取得までの段取りを整理します。
技術情報管理認証制度(TICS)とは?
技術情報管理認証制度は、会社が持つ技術やノウハウなどの情報が漏れないように管理できているかを、国の認定を受けた認証機関が国の基準で審査し、認証する制度です。産業競争力強化法にもとづいて経済産業省が運用しており、英語の略称からTICSとも呼ばれます。
守る情報は研究開発の成果に限らず、サービス業の店舗運営のノウハウや顧客の情報も対象になります。取得するときは、自社が守るべき情報を具体的に決めて、その範囲で審査を受けます。同じように情報管理の取組で受けられる加点はDX認定・SECURITY ACTIONの補助金加点で取り上げています。
認証が加点や評価になる補助金は?
国の補助金で、技術情報管理認証が加点や評価につながるものを並べた表です。
| 補助金 | 認証の扱い |
|---|---|
| 新事業進出・ものづくり補助金 | 加点。申請締切日の時点で認証を取得していること |
| 成長加速化補助金 | 加点の項目は無い。審査では波及効果(イ)の例示:知的財産の保護や重要技術の流出防止など経済安全保障の確保(「加点」とは明記なし) |
| 成長型中小企業等研究開発支援事業(Go-Tech事業) | 経済産業省の資料では、認証を取った事業者は採択審査で加点。まだ取っていない採択事業者は、認証を取る費用も補助の対象 |
出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.48『3-1. 書面審査(8)加点項目』台帳で見る
持続化補助金、省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、事業承継・M&A補助金の加点の一覧には、技術情報管理認証の加点はありません。新事業進出・ものづくり補助金の加点の全体は新事業進出・ものづくり補助金の審査項目と加点で取り上げています。
認証を取るまでの手順と期間は?
経済産業省の制度の資料は、認証までの流れを次のように示しています。
- 経済産業省のページの一覧から認証機関を比べて選び、申し込みます。
- 守るべき情報と、認証を受ける範囲(会社全体か、一部の部署か)を決めます。
- 申請し、認証機関の書類審査と現地審査を受けます。
- 基準に合わない所があれば、指導や助言を受けて直し、体制を整えます。
- 認証を取得します。
申込みから取得までは、早い場合で1〜2か月です。取得したあとは、1年ごとの定期報告と3年ごとの更新審査があります。費用は会社の規模や認証の範囲、認証機関で変わり、範囲を一部の部署にしぼって抑える方法もあります。
何から手をつけるか迷う会社には、国が情報セキュリティの専門家を無償で派遣し、守るべき情報の見極めなどを助言する事業があります。補助金の準備の全体の日程は補助金の準備はいつから始める?で取り上げています。
締切までに認証を間に合わせるには?
新事業進出・ものづくり補助金の締切は2026年10月30日(金)18:00です。公募要領に「加点項目は申請締切日時点で満たしている必要がある」とあるため、審査中や更新中の状態では加点になりません。
早い場合で1〜2か月かかることを考えると、締切の2か月前を過ぎてから申し込むと間に合わないおそれがあります。間に合わない場合は、今回は加点なしで申請し、次の公募に向けて認証を取る、という分け方もできます。申請の順番と電子申請の準備はGビズIDとは?で取り上げています。
専門家から見た技術情報管理認証のポイント
技術情報管理認証を取る会社は製造業が中心で、新事業進出・ものづくり補助金とも相性がよい認証です。この補助金の採択事例97件のうち、製造業の事例は76件あり、品質・技術を課題にした事例は39.2%を占めます。
認証を取りにいくのが向いている会社
取引先から図面や仕様の管理体制を問われることが増えている部品メーカーや、独自の製法を持つ会社です。認証は補助金の加点だけでなく、取引先への説明にも使えます。
取るべきか迷う会社
締切の2か月前を過ぎていて、守る情報の範囲もまだ決まっていない会社です。加点のためだけに急いで範囲を広げると、更新や定期報告の負担が残ります。加点は審査の土台を変えるものではないため、計画の中身を先に固めます。計画書の書き方は新事業進出・ものづくり補助金の事業計画書の書き方で取り上げています。
間違えやすい点
技術情報管理認証の加点で間違えやすいのは、取得の時点と、似た制度との取り違えです。
認証機関に申し込んだだけ、審査を受けている途中、という状態は加点の対象になりません。申請締切日の時点で認証を取得している必要があります。
SECURITY ACTIONの自己宣言やISMSの認証は、技術情報管理認証とは別の制度です。新事業進出・ものづくり補助金の技術情報管理認証制度加点には使えません。
新事業進出・ものづくり補助金のほかの準備は新事業進出・ものづくり補助金とは?で取り上げています。
よくある質問
会社の一部の部署だけの認証でも加点になりますか?
公募要領の条件は、認証を取得している事業者であることです。認証の範囲を一部の部署にしぼって取ることは、経済産業省の資料でも認められています。
サービス業でも認証を取れますか?
取れます。守る情報は技術の情報に限らず、店舗運営のノウハウや顧客の情報も対象になります。
認証には有効期限がありますか?
取得後は1年ごとの定期報告と、3年ごとの更新審査があります。更新を受けずに切れていると、申請締切日の時点で取得しているとは言えなくなります。
認証を取る費用を補助金で出せますか?
新事業進出・ものづくり補助金では、認証の取得費用は補助の対象経費に入っていません。Go-Tech事業では、まだ認証を取っていない採択事業者の取得費用も対象とされています。
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