今年度の補助金予算も明らかになりました。令和8年度は既存制度の見直しや拡充が実施され、新たな補助金も公募される予定です。
そこで本記事では、2026年度の中小企業向け7大補助金を解説します。新規事業やDX、省力化、GX推進などに使える補助金をお探しの方のお役に立てれば幸いです。
目次
令和8年度中小企業庁の補助金施策
令和6年度補正予算では既存制度の見直しや拡充がありました。最新の発表によれば、2026年度は以下の枠組みで補助金が公募される予定です。
2026・R8年度補助金のポイント
今回の予算は、5つのポイントを柱に、中小企業や小規模事業者が直面する物価高や人手不足といった厳しい状況に対応し、賃上げや省力化投資を支援するために組まれました。
- 物価高、人手不足等の厳しい経営環境への対応
- 環境変化に挑戦する中小企業・小規模事業者等の成長支援
- 小規模事業者支援、社会課題解決をはじめとした地域における取り組みへの支援等
- 事業承継、再編等を通じた変革の推進
- 経営支援、伴走支援の推進
2026年に申請できる7大補助金
今回、小規模事業者や中小企業におすすめしたい補助金は以下の通りです。※クリックで各記事に飛びます。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- 中小企業新事業進出補助金
- 中小企業成長加速化補助金
- 中小企業省力化投資補助金
- IT導入補助金
- 事業承継・M&A補助金
それぞれに要件や補助上限、補助率、対象経費が異なりますので、後ほど解説します。
7大補助金がおすすめの理由
自治体の補助金を含めると数千種類の補助金がありますが、7大補助金がおすすめな理由は以下のとおりです。
- 通年公募だからチャンスが多い
通年公募型補助金は2026年度に2~4回公募があります。応募期間も2か月程度あり、一般的な余裕を持ったスケジュールで準備できます。 - 補助額が大きく、対象経費が幅広い
1社あたりの補助額も数百万から数千万と大きく、幅広い対象経費の中から大半の経費を申請可能です。 - 事例が豊富で採択を狙いやすい
毎年1万社以上が応募し採択事例も一部公開されているため、審査観点や採択傾向の分析・対策がしっかりと行えます。
上記の通り、通年公募型は応募回数と申請期間、対象経費の面から優遇されており、十分な準備をした上で、都合の良いタイミングで申請・事業実施することができます。
1.小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金(通称:持続化補助金)は、個人事業主や小規模法人が取り組む「販路開拓」や「業務効率化」などの取り組みに対し、経費の一部を国が補助する制度です。
令和8年度も既存制度を見直し、拡充した上で「小規模事業者持続化補助金」の公募を継続するとありました。
詳しくはこちら:【2026年最新】小規模事業者持続化補助金の最新公募を解説!完全ガイド
小規模事業者持続化補助金の概要
基本要件
小規模事業者持続化補助金に申請するには、以下の要件を満たす必要があります。
①小規模事業者要件
- 商業・サービス業:従業員数5人以下
- 宿泊業・娯楽業:従業員数20人以下
- 製造業その他:従業員数20人以下
※従業員には、会社役員や個人事業主本人、業務委託、パートタイム労働者は含みません
②補助対象要件を満たすか
小規模事業者持続化補助金の補助対象となりうるのは、以下に該当する小規模事業者です。
- 営利法人(株式会社や合同会社等)と個人事業主、一定の要件を満たした特定非営利活動法人である
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接的に100%の株式を保有されていない
- 直近過去3年の課税所得の年平均額が 15億円を超えていない
- 申請時点ですでに創業している
基本的に上記の要件を満たせば、小規模事業者持続化補助金に申請できると考えて良いでしょう。
補助率・補助上限
中小企業成長加速化補助金の補助率は対象経費の1/2から2/3で、補助上限額は最大250万円です。
補助事業実施期間
交付決定日からおよそ10か月以内です。この期間内に、計画された補助事業を完了させる必要があります。
補助対象経費
小規模事業者持続化補助金の補助対象経費は、大きく5つの項目に分類されます。
- 機械装置等費: 店舗のショーケース、業務用オーブンなどの購入
- 広報費:ポスティング用広告チラシの作成、LED内照の看板製作・設置
- ウェブサイト関連費:集客から受注に繋がる自社サイト制作、ターゲットを絞ったリスティング広告
- 展示会等出展費:展示会・商談会の出展料
- 旅費:展示会などの会場との往復のための旅費
- 開発費:新商品の試作品開発
- 資料購入費:補助事業に関連する資料・図書の購入
- 借料:機器・設備のリース・レンタル料(所有権移転を伴わないもの)
- 設備処分費:店舗内にイートインスペースを設置するための陳列棚や古い機材の撤去
- 委託・外注費:店舗改装など自社では実施困難な業務を第3者に依頼
小規模事業者持続化補助金 申請枠
持続化補助金では、事業の内容や要件に応じて、さまざまな申請枠が用意されています。以下に代表的な枠を一覧でご紹介しますので、ご自身の状況に合った枠を選ぶ際の参考にしてください。
「自社はどの枠が最適かわからない」という方は、無料で確認できるガイドもご用意しています。最も選択されるのは「通常枠」ですが、追加要件を満たせば「賃金引上げ枠」や「創業枠」などの特別枠にも申請できます。能登半島地震の被災事業者の方はより優遇して補助を受けられる「災害支援枠」に申請できます。
詳しくはこちら:【2026年最新】持続化補助金の申請枠(通常枠・特別枠)を徹底比較|完全ガイド
2.ものづくり補助金
ものづくり補助金は、中小企業等の革新的サービス開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資を支援する補助金です。24年度から申請枠が大幅に見直され、新たに追加された省力化枠では最大2,500万円、補助率2/3で補助されるようになりました。

2024年12月6日に発表された令和6年度補正予算案より、2026年度も引き続きものづくり補助金が実施されることが確定しています。
ものづくり補助金の概要
基本要件
次の要件すべてを満たす「3~5年の事業計画書」を作成し、実行する必要があります。
- 付加価値額の成長
- 給与の成長
- 最低賃金の水準
- 従業員21人以上の事業者向け要件
補助率・補助上限
ものづくり補助金の補助率は対象経費の1/2又は2/3で、補助上限額は3,500万円です。申請枠や従業員数によって異なります。
補助事業実施期間
交付決定日からおよそ12か月以内です。この期間内に、計画された補助事業を完了させる必要があります。
補助対象経費
ものづくり補助金の補助対象経費は、大きく5つの項目に分類されます。
ものづくり補助金の申請枠
ものづくり補助金には、革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化を目指す「製品・サービス高付加価値化枠」と、海外事業の実施による国内の生産性向上を目指す「グローバル枠」の2つあります。それぞれの対象や補助率・補助上限、対象経費は以下の通りです。
-
製品・サービス高付加価値化枠
- 対象:製品・サービスの高付加価値化を目指す事業者
- 補助上限:
5人以下750万円(850万円)
6~20人1000万円(1250万円)
21~50人1500万円(2500万円)
51人以上2500万円(3500万円) - 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3
- 対象経費:機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費
-
グローバル枠
- 対象:グローバル展開を企図する事業者
- 補助上限:3,000万円
- 補助率:中小企業1/2、小規模事業者2/3
- 対象経費:機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費。
グローバル枠のみ、海外旅費、通訳・翻訳費、広告宣伝・販売促進費も補助金の対象経費となります。またものづくり補助金の対象経費としてまず、機械装置・システム構築費は必須となります。
ものづくり補助金 第20次公募時期
第19次公募は、直近の動向を踏まえると次のようなスケジュールになると予測されます。
- 公募開始:2026年4月25日
- 応募締切:2026年5月上旬~中旬
- 採択発表:2026年7月頃
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3.中小企業新事業進出補助金
中小企業新事業進出補助金とは、中小企業等の既存事業と異なる事業への前向きな挑戦であって、新市場・高付加価値事業への進出をするための事業費等の一部を支援する補助金です。一社当たり最大9000万円の補助上限の大型補助金です。
中小企業新事業進出補助金の概要
先日、中小企業庁から公開された最新の資料によれば、新事業進出補助金の基本要件や補助上限、補助率等は以下のとおりです。
基本要件
1. 企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦
- 成長や事業拡大に向けた新たな事業展開を計画している。
- 新規性があり、既存事業との差別化が明確である。
(付加価値額の年平均成長率+4%以上増加)
2. 賃金要件
- 事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上水準。
- 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表
(賃上げ要件を規定)
補助率・補助上限
新市場進出補助金の補助率は対象経費の1/2で、補助上限額は9,000万円です。申請枠や従業員数によって異なります。
補助事業実施期間
交付決定日からおよそ14か月以内です。この期間内に、計画された補助事業を完了させる必要があります。
補助対象経費
新市場進出補助金は、新事業進出や事業転換にかかる経費が補助対象となります。主な補助対象経費は以下のとおりです。
- 建物費
- 機械装置費
- システム構築費
- 技術導入費
- 専門家経費
新市場進出補助金の補助対象経費などの詳細はこちらをご覧ください。
https://leon-strategy.com/r6_hosei_shinsijyo
4.中小企業成長加速化補助金
中小企業成長加速化補助金は、意欲ある中小企業・小規模事業者の飛躍的挑戦を実現するため、売上高100億円超えを目指す中小企業への設備投資支援や、中小機構による多様な経営課題(M&A、海外展開、人材育成など)の支援を行う制度です。補助上限はなんと5億円と大型補助金となっています。
本補助金の活用イメージは「工場・物流拠点の新設・増築」「イノベーション創出のための設備導入」「自動化による革新的な生産性向上」などがあがります。いずれにしても、本補助金を活用する事業者には、大規模な設備投資をすることが期待されています。
基本要件
中小企業成長加速化補助金の補助対象者は、売上高100億円への飛躍的成長を目指す中小企業です。具体的には以下の要件があります。
- 中小企業者であること
- 投資額が税抜1億円以上であること(投資額は建物費、機械装置等費、ソフトウェア費の補助対象経費の合算金額であり、外注費、専門家経費等は含めない)
- 「売上高100億円を目指す宣言」を公表していること
- 一定の賃上げ要件等を満たす補助事業終了後3年間の事業計画書をつくり実行すること
補助率・補助上限
中小企業成長加速化補助金の補助率は対象経費の1/2で、補助上限額は5億円です。
補助事業実施期間
交付決定日から24ヵ月以内です。この期間内に、計画された設備投資や事業活動を完了させる必要があります。
補助対象経費
中小企業成長加速化補助金の補助対象経費は、大きく5つの項目に分類されます。
- 建物費
工場・物流施設の建設費用、増改築費用、建物付帯設備(電気、給排水、空調など)の工事費用など - 機械装置等費
生産設備、検査装置、自動化機器、搬送装置の購入費用や、これらの設置・据付費用など - ソフトウェア費
生産管理システム、在庫管理システム、業務効率化ソフトウェアの導入費用など - 外注費
製品開発や設計などに係る外注費用、システム開発の委託費用など - 専門家経費
コンサルタントといった専門家への相談費用やアドバイザリー費用など
なお、投資額要件である1億円以上の算定には、建物費・機械装置等費・ソフトウェア費のみが対象となり、外注費と専門家経費は含まれません
5.中小企業省力化投資補助金
2026年度の中小企業省力化投資補助金は、予算規模が3000億円に拡大し、補助上限額も最大1億円に引き上げられるなど支援が強化されます。

特に一般型でDX推進や大規模投資が可能となり、賃上げや最低賃金引き上げに取り組む企業には上限額の上乗せだけでなく、補助率引き上げの優遇措置も設けられ、中小企業の成長を後押しする内容となっています。
中小企業省力化投資補助金の概要
基本要件
中小企業の生産性や付加価値の向上につなげることを目的とする設備投資であること
申請類型
2026年度からは、「カタログ注文型」に加え、現場ニーズや業務内容に対応できる「一般型」が新設されました。この一般型では、企業が持つ特有の仕事の流れや事業内容に合わせた設備やシステムを導入できるため、より柔軟な投資が可能になります。
- 一般形
- カタログ注文型
補助率・補助上限
省力化投資補助金の補助率・補助上限は、申請類型や従業員数によって異なります。最新情報は以下の通りです。
①一般型
- 補助上限
5人以下…750万円(1000万円)
6~20人…1500万円(2000万円)
21~50人…3000万円(4000万円)
51~100人…5000万円(6500万円)
101人以上…8000万円(1億円)
()内は、大幅な賃上げを行う場合の上限額です。
- 補助率
1/2、小規模・再生 2/3
※補助金額1500万円までは1/2もしくは2/3、1500万円を超える部分は1/3
※最低賃金引き上げ特例:補助率を2/3に引き上げ(小規模・再生事業者は除く。)
②カタログ注文型
カタログ型とは、清掃ロボット、自動券売機、スチームコンベクションオーブン、無人搬送車など、人手不足解消に効果がある汎用製品を「カタログ」に掲載し、中小企業等が選択して導入できるようにすることで、簡易で即効性がある省力化投資を促進する類型です。
- 補助上限
5人以下…200万円(300万円)
6~20人…500万円(750万円)
21人以上…1000万円(1500万円)
()内は、大幅な賃上げを行う場合の上限額です。
- 補助率
1/2
補助対象経費
- 謝金
- 旅費
- 外注費
- 委託費
- システム利用料
- 保険料等
※詳細は【省力化投資補助金とは?最新情報を速報解説!】で解説
カタログ製品とは?
省力化投資補助金では、①省人化と②省力化を促進する製品が対象です。IoTやロボット等の人手不足に効果のある製品を「カタログ」に掲載し、申請事業者が選択することで、簡易で即効性のある省力化投資を促進します。

常時公募となったことで、企業はタイミングに縛られずに必要な時期に補助金を申請し、省力化のための投資を迅速に進めることが可能です。これにより、業務効率の向上や生産性の改善を目指す中小企業にとって、より使いやすい支援策となっています。
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[記事中段バナー広告]6.IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDXの推進、サイバーセキュリティ対策、インボイス制度への対応等に向けたITツールの導入を支援するための補助金です
政府の2024年度補正予算に、IT導入補助金も含む中小企業生産性革命推進事業として3400億円が盛り込まれました。
申請類型
- 通常枠
- 複数社連携IT導入枠
- インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)
- セキュリティ対策推進枠
補助対象経費
- ITツールは1機能なら50万円まで。2機能以上なら350万円まで
- PC・タブレット等は10万円まで
- レジ・券売機等は20万円まで
補助上限
補助額は、ITツールがカバーする業務プロセスが1~3つまでなら5万~150万円。4つ以上なら150万~450万円となります。
補助率は中小企業の場合原則1/2ですが、3ヵ月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員数が全従業員数の30%以上であることを示した事業者は2/3となります。
7.事業承継・M&A補助金
中小企業庁によると、事業承継・引継ぎ補助金とは、中小企業者と個人事業主が事業承継、事業再編・事業統合を契機に、新たな取り組みをする事業について、その経費の一部を補助することで、事業承継、事業再編及び事業統合を促進することを目的とする補助金です。
申請類型
- 事業承継促進枠
- 専門家活用枠
- PMI推進枠
- 廃業・再チャレンジ枠
補助対象経費
- 謝金
- 旅費
- 外注費
- 委託費
- システム利用料
- 保険料等
補助上限
買い手支援類型の補助率は、2/3ですが、100億企業要件を満たす場合、1000万円以下の部分は1/2、1000万円超の部分は1/3となります。
売り手支援類型の補助上限は、800万円を上限にデューデリジェンス費用の申請する場合に600万~800万円となります。
補助金の申請相談
PROFILE

- 中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「Googleや審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。






