取引先の染色技術を引き継ぎ、工業用フィルターの試作環境を整える

原田織物(売上高:10億円~20億円)

成果空調の試運転で問題がないことを確かめ、試作に取りかかる目途が立った。

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この事例のポイント

  • 取引先の社長が高齢で後継ぎがおらず、事業をやめることになっていた。
  • 業務用ふきんやマイクロファイバーのクロスを編む技術に、糸の抗菌などの加工技術を組み合わせた。
  • 温度と湿度の管理が欠かせないため、製造現場に空調設備を入れた。
  • 原料の糸に詳しい人を含む6名で試作に取り組んでいる。

事業者のプロフィール

事業者名原田織物(売上高:10億円~20億円)
所在地和歌山県
業種たて編ニット生地の製造
従業員数160人

事業の経緯

たて編みのニット生地をつくる会社で、業務用ふきんやマイクロファイバーのクロスを生産してきた。長年取引のあった染色会社が、社長の高齢と後継ぎ不在で事業をやめることになった。

その染色技術がなくなる損失は大きいと考え、株式譲渡で引き継いだ。

自社の編みの技術と、引き継いだ糸の加工技術を組み合わせ、工業用フィルターという新しい分野に取り組むことにした。事業承継・引継ぎ補助金で製造現場の空調設備を入れ、試作を始めた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 取引先の廃業長年取引のあった会社が、社長の高齢と後継ぎ不在で事業を続けられなくなった。培ってきた染色技術がなくなるのは損失が大きいと考え、株式譲渡で引き継いだ。
  • 新しい事業分野自社が生産してきた業務用ふきんやマイクロファイバーのクロスの編み技術に、引き継いだ糸の抗菌・制菌などの加工技術を合わせれば、工業用フィルターをつくれると考えた。

やったこと

  1. 空調設備の導入工業用フィルターの製造には、現場の温度と湿度の管理が欠かせない。認定支援機関にも確かめたうえで、空調設備を入れた。
  2. 試作の開始抗菌・制菌の効果を持ち、土に埋めても環境に影響しないフィルターの試作ができる環境が整った。事業に必要な6名と、原料の糸に詳しい人を送り込み、試作に取り組んでいる。

補助金を使った経費

事業の効果

  • 空調の工事は予定より遅れたが、1月から試運転し、フィルターの製作に問題がない状態になった。
  • 試作に取りかかる目途が立った。

審査の観点ごとの評価[1]

事業承継・M&A補助金

観点の平均3.0 / 5
15次の採択率[2]61.3%応募551件・採択338件

この事例が強かった観点

  • 4
    承継を機にした取組の目的取引先の社長が高齢で後継ぎがおらず廃業寸前だったため株式譲渡で引き継いだ。染色技術の損失を防ぐ目的が明確に書かれている。

もう一歩だった観点

  • 2
    売上・利益の見込み抗菌・制菌フィルターの新分野に進出するとあるが、売上や利益の増加を示す数字や見込みは書かれておらず、収益面は触れられているだけである。
取組の目的・必要性4.0
  • 承継を機にした取組の目的4

    取引先の社長が高齢で後継ぎがおらず廃業寸前だったため株式譲渡で引き継いだ。染色技術の損失を防ぐ目的が明確に書かれている。

実現可能性3.0
  • 計画の具体性と体制3

    6名と糸に詳しい人材を配置し、空調設備を試運転して試作に取りかかる目途が立ったと、体制と段階が具体的に示されている。ただし工事は遅れており、スケジュールの詳細は薄い。

収益性2.0
  • 売上・利益の見込み2

    抗菌・制菌フィルターの新分野に進出するとあるが、売上や利益の増加を示す数字や見込みは書かれておらず、収益面は触れられているだけである。

継続性3.0
  • 事業の継続3

    引き継いだ染色技術と自社の編み技術を組み合わせ、新事業を立ち上げる計画になっており、承継後も事業を継続・発展させる方向が読み取れる。

出典・注記
  1. [1]審査の観点の点数は、事業承継・M&A補助金の公募要領にある観点で当社が付けたもので、実際の審査の点数ではありません。
  2. [2]この事例の回が分からないため、採択率は直近の回(15次)の数字です。

今後の展望

丈夫で長持ちし、環境にやさしい新素材の工業用エアフィルターを開発する。製品ができたら外食産業や自動車関連の企業に導入を提案し、エアコンやOA機器のフィルターにも広げたい。

事業承継・M&A補助金とは

直近の15次の採択率は61.3%(応募551件・採択338件)。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。

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