ものづくり補助金製造業兵庫県専門家確認済み

強度試験機の導入で全数試験と品質診断サービスを始め、ホタテ漁具の付加価値を高める

大和チェン工業株式会社

国が公開している採択事例です

事業者のプロフィール

事業者名大和チェン工業株式会社
所在地兵庫県
業種鎖・ホタテ漁具(桁曳網)の製造
従業員数19人
資本金1,000万円

この事例のポイント

  • 駐在員を北海道に置いて漁師の声を製品やサービスに反映し、桁曳網で約40%のトップシェアを得た。
  • リングに焼き入れ加工を施した網は、価格が約15%高い一方で、耐用年数が1年程度から2年以上に延びた。
  • 外注先が強度試験の受託をやめたピンチを、ものづくり補助金での全数試験と品質診断サービスの開始に変えた。

事業の経緯

姫路市は国産鎖生産の中心であり、全国シェア約60%を占める。同社は、同市で和釘・船釘・丸環を製造する鉄工所として創業した鎖製造企業である。現在の売上構成は、ホタテ漁具関連40%、港湾・ため池関連40%、鎖関連20%である。ホタテ関連事業は、先代社長が新分野進出を目指して、既存の製鎖事業との関連性・相乗効果を勘案して開始した。2002年に北海道帯広市に駐在所を設けてホタテ漁の現場に足繁く出向き、地元漁師の話からヒントを得て企画開発した「ホタテ桁曳網」が主力製品である。

姫路市で和釘・船釘・丸環を製造する鉄工所として創業した鎖製造企業で、先代社長が新分野進出を目指し、既存の製鎖事業との関連性・相乗効果を勘案してホタテ関連事業を始めた。2002年に北海道帯広市に駐在所を設け、地元漁師の話からヒントを得て「ホタテ桁曳網」を企画開発し、主力製品に育てた。

2018年に強度試験の外注先が業務受託を止めると、ものづくり補助金で強度試験機を導入して全数試験にし、網の品質診断サービスも始めた。

事業の内容

  1. 課題:遠隔地にある消費現場と顧客ニーズの把握ホタテ関連事業の消費現場はオホーツク海沿岸であり、多くの同業他社には結びつきがほとんどない遠隔地である。ホタテ関連事業は、先代社長が新分野進出を目指して、既存の製鎖事業との関連性・相乗効果を勘案して開始した。
  2. 取り組み:駐在員による聞き取りと一貫サービス2002年に北海道帯広市に駐在所を設けてホタテ漁の現場に足繁く出向き、地元漁師の話からヒントを得て「ホタテ桁曳網」を企画開発した。いち早く北海道に駐在員を置き、地元漁師の声を直接聞き取りながら、顧客ニーズを製品・サービスに反映し、顧客との信頼関係を構築してきた。販路を漁協経由に限らず、個別客からの直接注文にも応じ、製造・販売・組立・修理までを一気通貫で対応している。知名度が高まり、今では桁曳網では約40%のトップシェアを有している。
  3. 取り組み:焼き入れリング網の技術開発技術開発を行い顧客ニーズに応えることで業績を伸ばしてきた。ホタテ桁曳網漁業用の袋状の「ホタテリング網」では、独自の技術・ノウハウで、部品であるリングに焼き入れ加工を施すことにより、強度を高め摩耗性を抑える特長を実現した。価格は焼き入れしない従来品に比べて約15%高いものの、耐用年数は従来品の1年程度に対し2年以上と長く、高耐久性により費用対効果の点でも優位性を有する。駐在員による顧客漁師へのニーズの聞き取りを継続しながら、網への改良を積み重ねている。
  4. 課題:外注先の強度試験の受託中止2018年に、金属部品の強度試験を外注していた事業者が業務受託を止めた。外注先の試験は抜取方式だった。
  5. 取り組み:ものづくり補助金で強度試験機を導入「ものづくり補助金」を活用して強度試験機を導入し、外注先では抜取方式だった試験を、自社で全数試験にすることにした。
  6. 取り組み:網の品質診断サービス顧客漁師が使用中の同社製の網について、磨耗状況などを診断して交換時期などを助言する品質診断サービスも始めた。外注先の請負中止というピンチを、品質向上や新サービス開始のチャンスに変える工夫を行い、自社製品の付加価値向上に結びつけている。

補助金を使った経費

ものづくり補助金の経費区分にあてはめると、次のとおりです。

機械装置・システム構築費強度試験機

事業の効果

  • 金属部品の強度試験を、外注先の抜取方式から、自社での全数試験に切り替えた。
  • 焼き入れ加工を施したリング網は、価格が従来品より約15%高いが、耐用年数は従来品の1年程度から2年以上になった。
  • ホタテ桁曳網では約40%のトップシェアを持つ。
  • 顧客漁師が使用中の網の磨耗状況を診断し、交換時期などを助言する品質診断サービスを始めた。

審査項目とこの事例の合っていたところ

ものづくり補助金の審査項目(5項目中2項目が合致)直近の回(23次)の採択率 35.1%(応募1,275件・採択448件)

◎経営戦略との整合性外注先の撤退という課題に、鎖製造の技術と顧客の声を生かして、自社での全数試験で対応する計画にした。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 73件
—事業の実現可能性公開されている事例からは読み取れません。出典:公募要領 p.44
◎新市場性・高付加価値性品質診断サービスを加えて、自社製品の付加価値を高めた。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 62件
—公的補助の必要性公開されている事例からは読み取れません。出典:公募要領 p.44
—政策面公開されている事例からは読み取れません。出典:公募要領 p.44

公募要領の審査項目に照らして当社の専門家が整理・確認したものです。実際の審査の点数や評価ではありません。審査項目は、いま募集している回の公募要領のものです。

審査項目の合い方が近い事例

ものづくり補助金製造業岡山県専門家確認済み

最新鋭設備で生産性を高め、自社ブランドの農業機械を育てる

オカネツ工業株式会社

成果国内の主要な全農機具メーカーに製品を納入している。

農機具部品の設計から製造・配送までを一貫して請け負い、ものづくり補助金等を使って最新鋭設備を導入し、生産性を高めている。

ものづくり補助金製造業茨城県専門家確認済み

若手経営者10社の共同受注体で、地域完結型のものづくりを築く

株式会社エムテック

成果設計開発・試作・量産まで一括で対応でき、医療・介護関連の装置の設計・開発の受注実績を持つ。

社長が中心となり、中小企業10社の若手経営者による異業種共同受注体「GLIT」を設立した。

ものづくり補助金製造業和歌山県専門家確認済み

設備投資と特許技術で、世界に広がる編針ブランドを守る

福原ニードル株式会社

成果競合製品と品質面で差別化でき、従来品に比べて消費電力・発熱量が5〜15%減った編針で、市場での優位性を固めている。

3回のものづくり補助金で、焼戻装置、高周波焼き入れ装置、YAGレーザー溶接装置を導入した。

出典

製造業のほかの採択事例

小規模事業者持続化補助金製造業福岡県専門家確認済み

町の名の由来から生まれたヤギミルクアイスで、町おこしの事業を育てる

KOYASU FARM

成果イベントでは1日200〜300個のソフトクリームが売れ、コンテストやデザイン賞も受賞した。

山羊の乳でつくるアイスを商品化し、移動販売とイベントで売ってきた。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)製造業静岡県専門家確認済み

ICカードとスマホ打刻で、勤怠の集計作業をなくす

花の舞酒造 株式会社

成果給与計算までの作業時間が8割以上減り、労務管理の担当者に新しい仕事を任せられるようになった。

日本酒の製造・直営店・卸売で勤務形態が多様ななか、IT導入補助金でクラウド型の勤怠管理システムとスマートフォン打刻を導入した。

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)製造業沖縄県専門家確認済み

販売管理のシステムを整え、アート作品の海外展開に備える

合同会社 石垣焼窯元

成果売上が自動で集計され、自動釣銭機との連動で現金の計算・集計作業がゼロになった。

200種類以上の商品の販売・在庫管理を正確にするため、IT導入補助金でカスタマイズできるパッケージ型の統合経営支援システムを選び、POSと自動釣銭機を導入した。

製造業の事例をすべて見る

ものづくり補助金について

直近の23次の採択率は35.1%(応募1,275件・採択448件)。いま申請できる回は「新事業進出・ものづくり補助金」として募集されています。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。

最新の公募を見る