ものづくり補助金製造業宮城県

プロテインパンの製法を確立し、専用設備で量産に乗り出す

有限会社パレット

宮城県の洋菓子・パンの製造販売店(従業員45名)国が公開している採択事例です

この事例のポイント

  • 地震とコロナで看板商品の売り先が激減し、新しい事業の柱を探していた。
  • プロテインを増やすとパサつく課題を、自社の人気パンの作り方をヒントに解決した。
  • 知財の支援窓口、県の産業技術の機関、よろず支援拠点がそれぞれ特許・品質・申請計画を支えた。
  • 製法を確立したものの量産できなかったため、ものづくり補助金で専用の製造設備を入れた。

事業の経緯

農業の出身の社長が28歳で菓子・パンの業界に入り、1986年に創業した。地元の素材を使った商品づくりを大事にし、農商工連携で開発したずんだ(枝豆)のジャムは人気商品になった。しかし売り場だった観光施設や駅・空港が二つの大きな地震で被害を受け、コロナで観光客も減って売上が大きく落ち込んだ。

会社の存続に危機感を持った社長は、経営者団体のセミナーで「美容と健康」をテーマにした事業を勧められ、プロテインを使ったパンの開発を始めた。自社の豆パンの作り方をヒントに独自の製法を確立し、知財や産業技術の公的機関の支援で特許とブランドを固めた。量産するために、ものづくり補助金で専用の製造設備を入れた。

事業の内容

  1. 課題:売り先の激減農商工連携で開発した、ずんだ(枝豆)を使ったジャムが人気商品になったが、売り場だった観光施設や駅・空港が内陸地震と東日本大震災で大きな被害を受け、売り先が激減した。コロナで観光客も減り、売上が大きく落ち込んだ。
  2. 課題:プロテインパンの食感経営者団体のセミナーで「美容と健康」をテーマにした事業を勧められ、プロテインを使ったパンの開発を始めた。しかしプロテインを増やすほどパサつき、味や食感が悪くなった。
  3. 取り組み:製法の確立自社の人気商品の豆パンの作り方をヒントに、プロテインを含むペースト状の生地と通常の生地を別々につくり、重ねて焼く製法にたどり着いた。県の産業技術の機関が食感などを分析して品質の改善を支え、大学への相談の橋渡しもした。
  4. 取り組み:特許とブランドづくり知財の支援窓口の助言で製法の特許を出願した。重点支援の制度で約1年間、専門家チームがブランドづくりや事業戦略、ビジネスモデルづくりを支えた。
  5. 取り組み:専用の製造設備製法は確立したものの量産できないことがわかった。よろず支援拠点のコーディネーターと申請計画を練り直してものづくり補助金に申請し、1回目で採択された。大量生産の体制を整えて本格的に事業化するため、新商品専用の製造設備を入れた。

補助金を使った経費

記事の内容から、ものづくり補助金の経費区分にあてはめた区分です。

機械装置・システム構築費プロテインパンの製造設備

事業の効果

  • 新しいブランドの商標登録とパンの製法の特許取得につながった。
  • 専用の製造設備で量産の体制が整い、店舗とウェブサイトで販売を始めた。

事業者の声

このままでは会社の存続すら危うい。

プロテインを材料供給する大手食品会社でもプロテインパンの開発を行っていたが、成果が出ていなかった。

私は現状に満足できない性分。当社が新しいことに試行錯誤する中で、お二人には相談しやすい関係を築いていただき感謝している。

革新的な商品開発の取り組みほど、事業化・収益化に時間がかかる。つまり、作れるようになっても売れるようにするのは難しい。新規性が高い商品ならなおさらだ。

現在の事業規模では、決して満足できるものではない。

地方のパン屋が特許を取るなんて珍しいこと。でも、やるからには本気で栗原市の産業として確立したい。美味しくて健康にいいものを作り続けていけば、必ず認められると信じています。

宮城県の洋菓子・パンの製造販売店(従業員45名)
出典

相談先と計画づくり

県などの公的支援機関INPIT宮城県知財総合支援窓口
県などの公的支援機関宮城県産業技術総合センター
よろず支援拠点

製法を特許で守り、ブランドと事業戦略、ビジネスモデルを専門家チームと固めた。そのうえで量産体制をつくる設備投資の計画として、申請の計画を練り直した。

今後の展望

ネットの定期購入を強め、地元高校の運動部や高齢者施設、ほかの地域への販売を広げる。カルシウムや食物繊維を加えたパンなど、健康を意識した新商品も考えている。地元の特産品としての発信や、コンビニ・スーパー向けの商品づくりも探っている。

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