事業再構築補助金製造業愛知県専門家確認済み

支援機関と補助金で、価格転嫁と自社製品開発に挑み、利益率を上げる

マルハチ工業株式会社

国が公開している採択事例です

事業者のプロフィール

事業者名マルハチ工業株式会社
所在地愛知県
業種自動車用金属パイプ部品の製造・販売
相談先愛知県よろず支援拠点、取引金融機関、専門家派遣制度の専門家、一宮市

この事例のポイント

  • 経営経験のない社長が、よろず支援拠点の指導を2年間受け、経営の知識を身につけた。
  • 原価と利益率の分析をもとに、仕入先と販売先の双方に価格の交渉を行った。
  • 専門家派遣制度の助言と事業再構築補助金を使い、自社製品「TOMECO」を開発した。

事業の経緯

自動車用の金属パイプ部品の製造・販売を手掛ける。

先代の父親が病気で倒れ、経営経験のないまま急きょ事業を引き継いだ。当時はリーマン・ショックや東日本大震災の影響で業績が悪く、資金繰りにも苦慮していた。

取引金融機関の紹介でよろず支援拠点の指導を2年間受けて経営の知識を身につけ、価格転嫁や在庫管理のデジタル化で経営を改善した。その後、専門家派遣制度の助言と事業再構築補助金を使って「TOMECO」を開発し、2023年10月から福祉施設20か所で実証実験を行っている。

事業の内容

  1. 課題:経営経験のないままの事業承継社長は、先代社長である父親が病気で倒れたことを受け、急きょ経営を引き継ぐことになった。入社当初は企業経営の経験がなく、経営に関する知識やスキルが十分に備わっていなかった。また当時は、リーマン・ショックや東日本大震災の影響で業績が悪化しており、資金繰りにも苦慮していた。打開策を模索する中、取引金融機関から紹介され、愛知県よろず支援拠点の支援を受けることを決めた。
  2. 取り組み:経営知識の習得と価格転嫁経営の知識やスキルを習得するため、同拠点のコーディネーターから、2年間にわたり2週間に1回の頻度で指導を受けた。毎回の指導では、実際の月次決算のデータを経営状況と照らし合わせて分析し、決算書の見方や財務分析の手法など、経営管理に必要な知識を取得していった。分析の中で、取扱製品ごとに原価や利益率を確認したところ、事業を継続する上で十分な利益を確保できていないことが判明した。コーディネーターの助言を受けながら、仕入先に対して割高な製品の値下げ交渉を行うとともに、販売先とも交渉して販売価格の見直しを図った。交渉に当たっては、分析結果をもとに価格を見直す根拠を明確に示し、自社の付加価値を言語化して取引先に伝えることを心がけた。他にも、在庫管理をデジタル化して不要在庫の圧縮を図るなど、経営改善を進めた。
  3. 課題:資金繰りと利益率このような一連の取り組みの結果、同社の利益率は向上し、キャッシュフローも改善して、資金繰りの安定化につながった。
  4. 取り組み:自社製品「TOMECO」の開発事業の立て直しを実現した同社は、自社製品の開発に取り組んでいる。力を入れているのは、福祉施設向けのトイレットペーパー過剰利用防止装置「TOMECO(トメコ)」の開発である。もともとは、子どもがトイレットペーパーをガラガラと回して出す「いたずら」を阻止するための道具として、市販を想定せずに開発したものだった。製造業が集まるイベントに出品した際にニュースで取り上げられたことをきっかけに福祉施設関係者から問い合わせを受け、高齢者や障害者にもトイレットペーパーの使いすぎを防ぐニーズがあることを認識した。専門家派遣制度で助言を受けつつ、事業再構築補助金を活用して開発した。
  5. 取り組み:市と連携した実証実験一宮市と連携し、2023年10月から市内の福祉施設20か所で同装置の実証実験を行っており、2024年の販売をめざしている。

補助金を使った経費

事業再構築補助金の経費区分にあてはめると、次のとおりです。

機械装置・システム構築費トイレットペーパー過剰利用防止装置「TOMECO」の開発

事業の効果

  • 経営改善の結果、利益率が向上し、キャッシュフローも改善して、資金繰りが安定した。
  • もともと受注生産が主体だった同社が自社製品の開発に取り組んだことは、取引先からも評価されている。
  • 取引先と対等な関係で価格交渉ができるようになり、既存事業の利益率向上にもつながるという副次的な効果があった。
  • 新規事業を通じて、新製品・サービスの開発に挑戦する事業者と接点を持てた。

審査項目に合っていた点

事業再構築補助金の審査項目

合致した審査項目3 / 5項目
後継の中小企業新事業進出補助金の直近(第4回)の採択率33.9%応募1,499件・採択508件

出典:公募要領 p.44(審査項目)

◎経営戦略との整合性受注生産への依存から、自社製品の開発で取引先と対等に交渉できる体制をめざした。この項目が◎の事例 23件
◎事業の実現可能性経営の立て直しで資金繰りを安定させたうえで、専門家派遣制度の助言を受けて開発し、市と連携した実証実験を行っている。この項目が◎の事例 21件
◎新市場性・高付加価値性子ども向けの道具から、高齢者や障害者向けの福祉施設という新しいニーズを見つけて製品化した。この項目が◎の事例 23件
—公的補助の必要性公開されている事例からは読み取れません。
—政策面公開されている事例からは読み取れません。

公募要領の審査項目に照らして当社の専門家が整理・確認したものです。実際の審査の点数や評価ではありません。事業再構築補助金は募集が終わっているため、後継の新事業進出・ものづくり補助金の審査項目で見ています。

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靴型・靴部品のBtoB事業が感染症で落ち込むなか、ゴルファー向けインソールをクラウドファンディングで販売し、目標を大きく上回った。

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ドローンとVRの新規事業で、紙のチラシに頼る商売から抜け出す

有限会社市場印刷

成果取引のなかった業種の顧客からも、ドローンやVRで引き合いを受けるようになった。

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成果電動車向け部品の販売比率が10〜15%へ急成長した。

自動旋盤を使う精密切削加工の技術を磨き、2017年から電動車の空調機器に使う金属部品の量産を始めた。

事業者の声

新規事業を通じて、自社と同様に新製品・サービスの開発に挑戦する事業者と接点を持つことができた。既存事業にも力を入れつつ、自社の新しい可能性を追求していきたい。

愛知県の自動車用金属パイプ部品の製造事業者
出典

相談先と計画づくり

よろず支援拠点愛知県よろず支援拠点
金融機関取引金融機関
専門家専門家派遣制度の専門家
自治体一宮市

よろず支援拠点のコーディネーターから月次決算の分析の指導を受け、その結果をもとに価格交渉と在庫管理の見直しを進めた。自社製品の開発では専門家派遣制度の助言を受けた。

今後の展望

既存事業にも力を入れつつ、自社の新しい可能性を追求していく考えである。「TOMECO」は2024年の販売をめざしている。

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