事業再構築補助金製造業群馬県専門家確認済み

電動車向け部品の新工場を建て、人材育成と自動化で精密切削加工を強める

株式会社桐生明治

国が公開している採択事例です

事業者のプロフィール

事業者名株式会社桐生明治
所在地群馬県
業種自動旋盤による精密切削加工(金属部品)
従業員数96人
資本金1,000万円

この事例のポイント

  • 家庭用エアコン部品の製造技術を応用し、電動車向け部品の受注を急拡大させた。
  • 新工場では、工場内の全設備を通信接続して加工状況を可視化し、AI内蔵の測定器で自動測定や加工補正を行う。
  • 社内技術大学と独自の人事評価システムで、技術の伝承と社員のキャリアアップを支えている。

事業の経緯

創業以来56年、一貫して自動旋盤を用いた精密切削加工技術に磨きをかける金属加工メーカー。自動車、産機・建機、OA機器、遊技機器、医療、半導体等、多種多様な顧客ニーズに対し、試作・小ロットから大量生産まで幅広く対応。独自の生産管理システムの確立、最新NC複合自動旋盤の導入等を通じた生産性の向上、全数外観検査をはじめとする徹底した品質管理(IATF16494認証取得)を通じ、顧客の要望を上回るQCDを実現している。※2023年はばたく中小企業・小規模事業者300社(人への投資・環境整備分野)受賞。

創業以来、自動旋盤を用いた精密切削加工の技術を磨いてきた金属加工メーカーで、2017年に電動車の空調機器用の金属部品の量産を始めた。従来の家庭用エアコン部品の製造技術を応用して受注を急拡大させ、電動車向け部品の販売比率が10〜15%になった。

事業再構築補助金で電動車関連部品の製造と研究開発の新工場を建設し、2023年10月に稼働させた。人材育成にも力を入れ、社内技術大学と独自の人事評価システムで社員のキャリアアップを支えている。

事業の内容

  1. 課題:自動車の100年に一度の転換期への対応自動車の電動化シフトで新しい市場が生まれていた。同社は、最新のNC複合自動旋盤を用いた自動化・省人化・24時間生産体制と独自の生産管理システムで、小ロット品の試作から大量生産まで幅広く対応してきた。難削材や高精密部品を旋盤加工のみで交差6ミクロンの精度で仕上げる技術力に加え、月産数万〜数十万個の部品の目視全数外観検査や、画像処理機による自動選別を通じた品質保証体制を有している。各産業分野の世界トップシェア企業7社からの様々な困りごとに、高精度・高品質なものづくりで応えている。
  2. 取り組み:電動車向け部品の量産開始2017年から、電動車(電気自動車(BEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV))の空調機器に使用される金属部品の量産を開始した。従来から手がけていた家庭用エアコン部品の製造技術を応用した結果、受注を急拡大させた。
  3. 取り組み:事業再構築補助金で新工場を建設自動車の電動化シフトで生まれた新市場に商機を見いだし、新規事業の拡大に挑戦した。事業再構築補助金を活用し、電動車関連部品の製造と研究開発を担う新工場を建設した。2023年10月に稼働した新工場では、電動車向けのヒートポンプ部品の開発・製造や加工技術の高度化に取り組んでいる。
  4. 取り組み:設備の通信接続とAI測定新工場では、工場内の全ての設備を通信接続して、リアルタイムに加工状況を可視化している。AIを内蔵した測定器による自動測定や加工補正を行いながら、加工データを蓄積させ、得られたノウハウを他の生産拠点へ横展開するなど、社内全体の技術力向上や更なる生産性向上を目指している。
  5. 課題:技術を担う人材の育成優れたものづくりを支える原動力は人であるという考えのもと、「誰一人取り残さない」をモットーに社員の人材育成に注力している。
  6. 取り組み:社内技術大学と人事評価システム「KMSU(Kiryu Meiji Solutionn University)」と称した社内技術大学を創設し、1等級から8等級までの職級ごとに必要なスキルマップや資格などを職種別に明文化した。講義資料やマニュアルなどの教育コンテンツを社内で独自作成し、絶え間なく技術を伝承している。社外研修への参加や資格試験の受験支援も積極的に行っている。あわせて、独自の人事評価システムを導入し、社員一人一人が自らの行動目標を設定して、その達成度を定期的に上司や幹部が評価し、スコアとして可視化している。目標を達成できなかった社員への振り返りや評価のフィードバックの体制づくりを通じて、社員のキャリアアップを支えている。

補助金を使った経費

事業再構築補助金の経費区分にあてはめると、次のとおりです。

建物費電動車関連部品の製造と研究開発を担う新工場の建設

事業の効果

  • 電動車向け部品の販売比率が、10〜15%へ急成長した。
  • 2023年10月に新工場が稼働した。
  • 難削材や高精密部品を、旋盤加工のみで交差6ミクロンの精度に仕上げている。

審査項目に合っていた点

事業再構築補助金の審査項目

合致した審査項目3 / 5項目
後継の中小企業新事業進出補助金の直近(第4回)の採択率33.9%応募1,499件・採択508件

出典:公募要領 p.44(審査項目)

◎経営戦略との整合性電動化シフトを商機ととらえ、従来の加工技術を生かして事業を広げる方針である。この項目が◎の事例 23件
◎事業の実現可能性家庭用エアコン部品の技術の応用で、すでに電動車向けの受注が急拡大している。この項目が◎の事例 21件
◎新市場性・高付加価値性電動車向けのヒートポンプ部品という新しい市場に、高精度の加工で参入する。この項目が◎の事例 23件
—公的補助の必要性公開されている事例からは読み取れません。
—政策面公開されている事例からは読み取れません。

公募要領の審査項目に照らして当社の専門家が整理・確認したものです。実際の審査の点数や評価ではありません。事業再構築補助金は募集が終わっているため、後継の新事業進出・ものづくり補助金の審査項目で見ています。

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成果取引のなかった業種の顧客からも、ドローンやVRで引き合いを受けるようになった。

住宅・不動産会社向けの広告印刷がチラシの落ち込みで苦しくなり、事業再構築補助金で最新のドローンと3Dスキャンカメラを導入した。

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支援機関と補助金で、価格転嫁と自社製品開発に挑み、利益率を上げる

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成果自社製品の開発が取引先から評価され、対等な関係で価格交渉ができるようになり、既存事業の利益率も上がった。

急に事業を引き継いだ社長が、よろず支援拠点の指導で経営の知識を身につけ、価格転嫁などで経営を改善した。

出典

今後の展望

電動車向けのヒートポンプ部品の開発・製造や加工技術の高度化に取り組み、得られたノウハウを他の生産拠点へ横展開して、社内全体の技術力と生産性を高めることをめざしている。

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