事業承継・M&A補助金第9次自動車整備・その他サービス埼玉県

清掃会社を引き継ぎ、実技を学べる研修施設をつくる

株式会社アルファサービス

埼玉県のビル・施設清掃会社(従業員15名)国が公開している採択事例です

この事例のポイント

  • 家庭向けの清掃と法人向けの年間契約の清掃を組み合わせれば、新しい市場を開拓できると考えてM&Aを決めた。
  • 地元の2つの商工会が連携し、県の事業承継の支援センターや専門家とともに承継から補助金申請まで支えた。
  • 見て覚えるしかなかった新人教育を研修施設に移し、外部にも有償で開放して人材確保につなげる。

事業の経緯

引き継いだ会社は1987年に設立され、法人向けのビル・事務所・医療機関などの清掃を続けてきた。一方、現代表は2018年にフランチャイズに加盟して家庭向けのハウスクリーニングを始め、地元の商工会の支援で集客や受注する地域を見直して事業を伸ばし、2021年に独立して法人を設立した。

その頃、引き継ぐ会社は大口取引先との契約終了と前の経営者の体調不良で不振に陥り、商工会に第三者への承継を相談していた。2つの商工会と県の事業承継の支援センターの支えでマッチングが進み、2022年11月に承継した。承継後は従業員の育成が課題となり、研修施設をつくるために事業承継・引継ぎ補助金に申請した。

事業の内容

  1. 課題:引き継いだ会社の不振引き継いだ会社は1987年の設立から、ビル・事務所・医療機関などの清掃を担ってきた。大口取引先との契約終了と新規の取引先の不足に、前の経営者の体調不良が重なって業績が悪化し、地元の商工会に第三者への承継を相談していた。
  2. 取り組み:M&Aによる承継現代表は2018年に家庭向けのハウスクリーニングを始め、2021年に法人化していた。同じ専門家が両方の商工会で支援していた縁でマッチングが進み、法人向けの年間契約の事業と約15人の組織、家庭向けの新規顧客を集める仕組みを組み合わせれば事業を伸ばせると判断した。県の事業承継・引継ぎ支援センターが買収の実務や効果の試算を助言し、経営・財務の調査を行う会社を紹介した。2022年11月に承継した。
  3. 課題:実技を練習する場がない承継後は、従業員の身なりやコミュニケーション、清掃の実務の力を上げることが課題になった。実技を練習できる場所がなく、ベテランに新人を付けてお客さまの家で見て覚えさせるしかなかったため、時間も心理的な負担も大きかった。
  4. 取り組み:研修施設への改装引き継いだ会社の事務所を改装し、実技を練習できる研修施設にする計画をつくった。自社の従業員の育成に使うほか、業界に入りたい人にも有償で貸し出し、稼働率を上げて利用者の中から従業員や協力者を見つける。計画書は両社の経営革新計画を下敷きに現代表が書き、商工会の経営支援員が内容と書き方を何度も確認した。事業承継・引継ぎ補助金の第9次公募で採択された。

補助金を使った経費

記事の内容から、事業承継・M&A補助金の経費区分にあてはめた区分です。

設備費事務所を研修施設にする改装工事

事業の効果

  • 新人教育を研修施設で行うことで、育成にかかる負担と時間を大きく減らせる見込み。
  • 施設を業界に入りたい人へ有償で貸し出し、稼働率を上げる計画。
  • 施設の利用者の中から従業員や協力者を見つけることも期待している。

事業者の声

戸田市で事業を立ち上げると決めた後すぐに、自分で戸田市商工会の連絡先を調べ、支援をお願いしました。

商工会経営支援員と専門家からの支援により、集客と受注獲得方法の見直し、重点的に受注を狙う地域の見直しを行いました。

この2つのサービスを融合させることで、新しいマーケットを開拓していく可能性を感じました。また、アルファサービスでは、新規の受注先を獲得する活動がほとんどできていないことを確認したため、スマイルアップで取り組んでいる新規顧客を獲得するための仕組みを使うことで、事業を伸ばせる可能性を感じました。

M&Aという形での事業拡大を、円滑に実現できたのは、2つの商工会、専門家であった中小企業診断士の先生、埼玉県事業承継・引継ぎ支援センターのサポートのおかげです。事業者である自分が2つの商工会の間に立って調整する必要はなく、2つの商工会が自律的に連携してくれたことにも大変感謝しています。

個人がハウスクリーニングを事業として始めようとすると、環境や道具を用意してくれるフランチャイズに加盟することが事業を始めるための近道になります。他方、フランチャイズに加盟すると、その仕組みから抜け出すことが難しくなります。

清掃というサービスの価値を広げたい。掃除をすることで、人間の生活環境が向上する。病気や害虫の発生などを予防する効果もある。様々な事情で自分の環境を自分で清掃できない人が、世の中には一定数以上いる。そういう人たちに、清掃というサービスをプレゼントできるような価値まで高めたい。

埼玉県のビル・施設清掃会社(従業員15名)
出典

相談先と計画づくり

商工会朝霞市商工会
商工会埼玉県商工会連合会

すでにつくっていた両社の経営革新計画を下敷きに、補助金の様式に合わせて現代表が計画書を書いた。商工会や専門家と、どの補助金をどう使うかを話し合い、経営支援員が計画の内容と書き方を確認して公募要領に沿って書類を点検した。

今後の展望

研修施設で従業員の力を引き上げ、サービスを広げていく。業界に入りたい人への研修の提供や、施設の利用者からの人材確保もめざす。清掃を自分でできない人に届けられるよう、清掃というサービスの価値を高めていく。

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