設計図の展開をCADでデジタル化し、断っていた受注を取り戻す
株式会社エヌテック
石川県の金属製品メーカー(従業員4名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 設計図の展開を手作業に頼り、時間と手間がかかって受注を断ることがあった。
- コロナ禍で仕事が落ち込んだ時期を見直しの機会と捉え、売上が下がるなかでもIT投資を決めた。
- ITベンダーとソフトを選ぶなかで補助金を知り、導入後は受注が回復して工期も短くなった。
事業の経緯
現代表は同業の会社で働いたのち独立し、前の勤務先の会長に工場の場所や取引先を相談して事業を始めた。取引先は勤め人時代からのつながりと、創業後に開拓した先がほぼ半々になっている。創業後は受注が少しずつ減り、コロナ禍で周りの事業活動が止まって経営が苦しくなった。
設計図の展開を手作業で行っていたため時間がかかり、注文を断ることもあった。仕事が止まった時期を見直しの機会と考え、使い慣れたCADソフトの導入を決めた。付き合いのあるITベンダーとの検討のなかでIT導入補助金を知り、申請して採択された。
事業の内容
- 課題:手作業の展開作業製缶・溶接・板金などの加工を請け負い、取引先から受け取った設計図を平面図に展開して部品を製造している。展開には専門の知識が必要で、専任の人を雇って手作業で行っていたため時間と手間がかかり、注文を断らざるを得ないこともあった。
- 課題:受注の減少とコロナ禍創業後、受注数は少しずつ減っていた。コロナ禍で周りの事業活動が止まり、経営が苦しくなった。
- 取り組み:CADソフトの導入仕事が止まった時期を自社を見直す機会と考え、設計図の展開をデジタル化して人手とコストを減らし、注文を断らずに済むようにするためCADソフトを導入した。会社員時代から使い慣れたソフトで、付き合いのあるITベンダーが扱っていたことも決め手になった。ベンダーとの検討のなかでIT導入補助金を知り、申請して採択された。導入後の操作研修と保守もベンダーが担っている。
補助金を使った経費
記事の内容から、デジタル化・AI導入補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| ソフトウェア購入費 | CADソフト |
|---|
事業の効果
- 導入後、受注数が回復し、むしろ増えた。
- 設計図を受け取ってからの展開が速くなり、全体の工期が短くなった。
- 取引先は設計図を渡すだけで製造に入ってもらえるため、やり取りが楽になった。
- 受注が増えたため、展開作業の一部を外注するほどになった。
事業者の声
震災の日は元旦で自宅にいましたが、さすがに揺れも大きかったので事業所が心配になって見に来ました。幸い倒壊や設備の破損・故障等はありませんでしたが、棚の上や高いところにあった物なんかは床に落ちてしまっていたので、やはり揺れはそれなりにありましたね。受発注に大きな被害はありませんでしたが、一部の部品の納品が遅れたりするくらいはありました。
創業にあたっては、勤めていた会社の会長に工場の場所や取引先に関して、いろいろと相談しました。今でも仕事に関して連携することもあります。おかげさまで今の取引先はサラリーマン時代に培った取引先と、創業後に新規開拓した取引先が半々くらいでお仕事をさせていただいています。
コロナ禍前も受注数が少しずつ目減りしていく感じはあったんですが、コロナ禍に入って世間的に事業活動が停滞したこともあって、辛かったですね。
当時、コロナ禍で周辺の事業活動が停滞し、弊社も二の足を踏んでいたところでした。色々と自社の状況を見つめ直す機会でもあったので、いずれにしてもやる事がないなら、CADソフトを導入して設計図の展開等をIT化してみようと思いました。コロナ禍という特殊な状況下で、売上も落ち込んでいる中での設備投資は周りからも色々な意見がありましたが、現状抱えている課題に対していつかは何らかの対策をしなければと思っていたので、このタイミングでのIT投資を決めました。
IT導入補助金の申請は、それほど難しいものではなかったので助かりました。幸い、採択されましたのでありがたかったです。CADソフトの導入後は、受注数が回復し、むしろ増えました。設計図を提示されてからの展開も素早くできるようになり、全体の工期短縮にもつながりました。何より取引先側も設計図をポンと渡すだけで、こちらで製造に入れるので楽なんだと思います。
小さい会社なので事業展開というほどのことではないですが、従業員は増やしたいと思っています。また、人を増やすと手狭になるので、工場の拡張もしたいです。
業務上ではやはり経理事務関係の部分をIT化していきたいと思っています。例えば伝票関係の処理ですね。事務所の引き出しにも紙がたくさん入っています。あと他の業界でも同じかもしれませんがFAX文化も残っていますので、こういったところもIT化していきたいですね。
石川県の金属製品メーカー(従業員4名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、デジタル化・AI導入補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(26年4次)
相談先と計画づくり
| ITベンダー |
|---|
設計図の展開を手作業で行い、受注を断ることがあるという課題に絞り、使い慣れたCADソフトでデジタル化する方針を固めた。ソフトの選定は付き合いのあるITベンダーと進めた。
今後の展望
従業員を増やし、手狭になる工場の拡張も検討するが、土地や費用がかかるため周りの状況を見ながら判断する。伝票処理などの経理事務やFAXでのやり取りのデジタル化も進めたい。取引先と連携して進める部分と社内で効率化する部分を分けて計画を立てる。
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