シミュレーション・発注システム構築による唯一無二の野球グラブの非対面販売計画

北海道の従業員6人の卸売・小売業が、ものづくり補助金で野球グラブのオンライン受発注システムを開発し、売り上げを大きく伸ばした採択事例です。

株式会社スポーツショップ古内

この事例のポイント

  • コロナ禍で店舗での対面販売が難しくなり、これまで売り上げを支えてきた販売方法に代わる新たな販売方法が必要になっていた。
  • 野球グラブのコンサルティングノウハウを取り入れた「オーダーメイドグラブシミュレーション受発注・決済システム」を開発・導入し、2022年に野球グラブに特化したサイト「GLOVE H…
  • サイト開設以降、アクセス数と問い合わせ数が予想以上に多く、非対面でも利用者が安心して最適な野球グラブを選び購入できる環境が整いました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社スポーツショップ古内
所在地北海道 札幌市
業種その他の小売業
従業員数6人
資本金1,000万円
設立1978年

事業の背景

札幌市南区石山の小さなスポーツ用品店で、1978年創業。売り上げは店舗での販売が約5割、残り約半分は部活や職場チームのユニホーム販売など学校や企業との取引である。

2010年に野球とバドミントンの専門店へ転換し、2019年には道内最大級の野球グラブの品揃えを持つ「グラブハウス」をオープンした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑コロナ禍で店舗での対面販売が難しくなり、これまで売り上げを支えてきた販売方法に代わる新たな販売方法が必要になっていた。
  • 販路・情報発信大型店やインターネットショップとの差別化が必要で、野球グラブに特化したオンラインでの販売手段が求められていた。
  • 生産能力野球グラブのオーダーメイドは、自社製品に限らず複数メーカーや職人の製品を横断的に選べる仕組みがなく、顧客が完成形を確認しながら注文する手段がなかった。

やったこと

野球グラブのコンサルティングノウハウを取り入れた「オーダーメイドグラブシミュレーション受発注・決済システム」を開発・導入し、2022年に野球グラブに特化したサイト「GLOVE HOUSE(グラブハウス)」を開設しました。利用者は複数メーカーの製品を横断的に検索し、色や素材、パーツ、仕上げ加工などを自由に組み合わせて完成形をシミュレーションできます。

完成品はオンラインで注文・決済できます。システムでは、実店舗で専門家の助言を受けながら買い物する安心感を再現することを重視しました。

サイトには全国のグラブ職人を紹介するページも設けました。

新しい製品・サービス:野球グラブに特化したオンラインのオーダーメイドグラブシミュレーション・発注サイト「GLOVE HOUSE(グラブハウス)」

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

サイト開設以降、アクセス数と問い合わせ数が予想以上に多く、非対面でも利用者が安心して最適な野球グラブを選び購入できる環境が整いました。コロナ禍が続く中でオンラインのオーダーメイドグラブの需要・受注が一気に伸び、売り上げの飛躍的な上昇につながりました。

サイトは顧客とグラブメーカーや個人経営の職人をつなぐポータルとしても機能し、職人の技の販売支援にも貢献しています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.6 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 5
    強み・弱みを踏まえた優位性道内最大級の品揃えで、野球グラブに特化した唯一無二のシステムとし、大型店やネット店との差別化を明確にしている。22メーカーを扱う点も強みとして読み取れる。
  • 4
    これまでの取組との一貫性2010年に品目を見直し野球・バドミントン専門へ転換、2019年にグラブハウス開設と、一貫した専門化の流れの上に本事業が位置づけられている。
  • 4
    課題の認識と解決コロナ禍で店舗対面販売が縮小する課題を認識し、非対面販売への転換と野球グラブ需要の拡大を結びつけ、売上の飛躍的上昇につなげている。

もう一歩だった観点

  • 2
    成長分野への進出デジタル分野への経営資源投下による非対面サービスへの転換は触れられているが、成長分野への進出を通じた構造転換としての記述は弱い。
経営戦略との整合性4.3
  • これまでの取組との一貫性4

    2010年に品目を見直し野球・バドミントン専門へ転換、2019年にグラブハウス開設と、一貫した専門化の流れの上に本事業が位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性5

    道内最大級の品揃えで、野球グラブに特化した唯一無二のシステムとし、大型店やネット店との差別化を明確にしている。22メーカーを扱う点も強みとして読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    コロナ禍で店舗対面販売が縮小する課題を認識し、非対面販売への転換と野球グラブ需要の拡大を結びつけ、売上の飛躍的上昇につなげている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標3

    売上の飛躍的上昇と受注の伸びは示されているが、具体的な付加価値額や賃上げの目標値は事例に記載がなく、標準的な評価にとどまる。

  • 事業を進める体制4

    社長自身が元メーカーでグラブを製作した経験を持ち、職人と直接つながる体制があり、少人数(6名)でも事業を遂行している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    カスタマイズ後の仕上がりをサイト上で分かりやすく表現し、大学生・社会人選手の個性志向の高まりを捉えた顧客ターゲットが示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は収益基盤として引き続きリソースを集中する方針が示されているが、具体的なスケジュールや課題解決方法は詳述されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    野球グラブに特化し、職人が全工程を手作りする佐藤グラブ工房の製品などを扱い、高付加価値の職人品を販売している点が読み取れる。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    地域の中小店が非対面販売で新たな商機を得る取組で、地域スポーツ振興や職人技の販売支援に波及する点が示されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    シミュレーションとオンライン受発注を組み合わせ、職人とユーザーをつなぐポータルとして新しいビジネスモデルを構築している。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    デジタル分野への経営資源投下による非対面サービスへの転換は触れられているが、成長分野への進出を通じた構造転換としての記述は弱い。

  • 地域経済への波及4

    札幌市南区石山の地域店として、地域の中高生や大人の相談拠点を担い、地域の職人技を広く伝える事業として地域性が活きている。

今後の展望

大学生・社会人の野球選手を中心に、自分のグラブに個性を求める傾向が高まっているため、将来の事業の柱として収益基盤の確立に向けて経営資源を集中する考えです。

事業者の声

地域から頼りにされる店づくりは先代からの教えです。

私は店を継ぐ前に野球メーカーの「ゼット」でグラブを製作していました。

スポーツショップ古内を、これまで以上にスポーツ好きの仲間が集まる場所にしていきたいです。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。