乗用式草刈機とICT技術による大面積の草刈施工及び施工管理の効率化

静岡県の建設業が、ものづくり補助金で大型草刈機などを導入し、大面積の草刈りを効率化した採択事例です。

株式会社庭仁

成果作業時間 100%→60%

この事例のポイント

  • 同業他社との価格競争が年々激化し、受注単価が下落して収益力が低下していた。
  • 本事業では、草刈り作業の効率化のために「大型草刈機」「集草機」「傾斜地用草刈機」を導入しました。
  • 作業時間 100%→60%。大型草刈機の導入により走行速度が上がり、一度に広範囲を刈れるようになって作業効率が高まった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社庭仁
所在地静岡県 磐田市
業種総合工事業
資本金1億円
設立1979年

事業の背景

株式会社庭仁は、公園や河川の整備、街路樹の剪定などの公共工事と、事業所や工場敷地内の草刈り、樹木管理、家庭の庭木の剪定などの民間工事を主に手掛ける造園事業者です。同社の業務の多くを占めるのが雑草の草刈り作業でした。

近年は広大な面積の草刈り依頼が増え、台風や集中豪雨による堤防決壊のリスク増大を受けて、国土強靭化政策に沿った堤防や道路の法面管理の依頼も増加していました。公共・民間工事とも安定した受注を確保していましたが、同業他社との価格競争が激化していました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算同業他社との価格競争が年々激化し、受注単価が下落して収益力が低下していた。
  • 生産能力大型草刈機の導入が遅れ、小型機や人手による草刈り・集草作業に頼っていたため、現有設備では大型物件への納期やコスト面の対応が難しかった。
  • 人手・技能草刈り作業は時期が集中するため人手不足により失注することがあり、人手不足が作業員の労務費増加を招いて経費増加の一因となっていた。
  • その他刈払機は技術や体力が必要で刃物がむき出しのため、事故防止や作業員の安全対策を十分に講じても常に一定の危険がつきまとっていた。

やったこと

本事業では、草刈り作業の効率化のために「大型草刈機」「集草機」「傾斜地用草刈機」を導入しました。大型草刈機は走行速度が速く、一度に広範囲を刈ることができます。

集草機は大型草刈機に装着し、刈った草を自動で集めることができます。傾斜地用草刈機はショベルカーのアームに取り付ける雑木・草刈機で、大型草刈機が入りにくい法面や斜面でもアームが届く範囲であれば作業できます。

対象物件や時期を考えて効果的な活用方法を検討し、施工管理体制の構築を目指しました。

新しい製品・サービス:乗用式草刈機とICT技術による大面積の草刈施工及び施工管理の効率化

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 作業時間 100%→60%

大型草刈機の導入により走行速度が上がり、一度に広範囲を刈れるようになって作業効率が高まった。検証実験では作業時間が従来の60%程度に短縮され、大幅な工期短縮と労務費の削減につながり、収益力が高まった。

これまで設備が小型で受注できなかった広大な面積の草刈り施工も可能になった。集草機により集草作業の省人化に大きく貢献し、傾斜地用草刈機により変形地や傾斜地への対応力と草刈り作業の安全性が高まった。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性大型草刈機で作業時間が従来の60%程度に短縮され、小型機では受注できなかった広大な面積の施工が可能になったと強みを示している。
  • 4
    課題の認識と解決人手不足による失注や労務費増加を課題と認識し、大型草刈機と集草機で作業時間を60%程度に短縮する具体的解決策を示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け変形地・傾斜地・大面積物件という明確な対象とニーズがあり、傾斜地用草刈機で安全性と対応力を高める選ばれる理由が示されている。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    同業他社との価格競争による収益力低下を課題とし、草刈り作業の効率化機械導入で対応する経緯が一貫して示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大型草刈機で作業時間が従来の60%程度に短縮され、小型機では受注できなかった広大な面積の施工が可能になったと強みを示している。

  • 課題の認識と解決4

    人手不足による失注や労務費増加を課題と認識し、大型草刈機と集草機で作業時間を60%程度に短縮する具体的解決策を示している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    工期短縮とコスト削減の目途がついたとしているが、賃上げや付加価値額の目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    本事業の実施を担う渥美部長を配置し、施工管理体制の構築を目指すと記載されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    変形地・傾斜地・大面積物件という明確な対象とニーズがあり、傾斜地用草刈機で安全性と対応力を高める選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後は河川堤防や道路法面など新分野への展開やドローン測量の導入を計画として示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    草刈りの自動化や傾斜地向けのショベル取付型機械は、同分野で高付加価値化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用4

    国土強靭化政策に沿った堤防・道路の法面管理の依頼増加に対応し、公共工事の安全確保に資する点が示されている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    ICT技術を活用した施工管理やドローン測量の導入を計画しており、先端技術活用の意図が読み取れる。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    磐田市を拠点に公共・民間の造園工事を受注し、地域の草刈り需要に応える地域密着事業である。

今後の展望

今後は河川の堤防や道路の法面の草刈り施工など新たな分野へ展開し、販路拡大を図っていきます。大規模面積の受注に合わせてドローンを導入し、ドローン測量が可能な体制を構築して、さらなる需要拡大を図っていきます。

同じ設備を入れた採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。