多元素同時分析装置導入による事業領域の拡大と環境社会への貢献

静岡県の学術研究・専門技術サービス業の会社が、ものづくり補助金で多元素同時分析装置を導入し、検体の処理能力を高めた採択事例です。

環境フロンティア株式会社

成果1日当たり分析処理数 29検体→48検体

この事例のポイント

  • 公共建築物の新築・改修等ではシックハウス調査が法律で義務付けられており、同社の主力調査の一つとして年間を通して依頼を受けていますが、売上高全体の15%程度を占めています。
  • 全自動分析装置として、ホルムアルデヒドの分析用にHPLC Prominenceを、VOC分析用にガスクロマトグラフ質量分析計をそれぞれ導入しました。
  • 1日当たり分析処理数 29検体→48検体。全自動分析装置の導入により検体の同時処理能力が向上し、補正作業等が自動化されました。

事業者のプロフィール

事業者名環境フロンティア株式会社
所在地静岡県 静岡市
業種技術サービス業(他に分類されないもの)
技術分野測定計測
資本金2,000万円
設立1971年

事業の背景

同社は環境アセスメント及び環境調査・分析業務を主たる事業として、官公庁や民間企業から調査・コンサルティング業務を受注しています。シックハウス調査は年間を通して依頼を受ける主力調査の一つであり、売上高全体の15%程度を占めています。

近年は建設工期の短期化を背景に、調査結果を早く欲しいと望む顧客が増えています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑公共建築物の新築・改修等ではシックハウス調査が法律で義務付けられており、同社の主力調査の一つとして年間を通して依頼を受けていますが、売上高全体の15%程度を占めています。
  • 納期・工程建設工期の短期化により調査結果を早く欲しいと望む顧客が増えており、突発的な依頼で納期に間に合わないと判断した場合は分析依頼を断ることもあり、機会損失が発生していました。
  • 生産能力従来の分析装置2機は分析能力に支障はないものの一度に測定できる検体数に限度があり、学校や病院などの公共施設の調査では1日で分析が終了できないケースがありました。
  • 人手・技能1機は検体の自動分析・処理機能が十分でなく、紙で出力された分析結果を担当者が目視し、測定時に生じた僅かな誤差を専門的な知識に基づき補正した上で報告書にまとめる手間を要していました。
  • 生産能力シックハウス調査は年々増加傾向にあり、同社の測定・分析体制の高度化が必須となっていました。
  • 納期・工程従来はスタッフが測定先に器具を持ち込み、24時間後に回収していたため、遠隔地への対応が難しい状況でした。

やったこと

全自動分析装置として、ホルムアルデヒドの分析用にHPLC Prominenceを、VOC分析用にガスクロマトグラフ質量分析計をそれぞれ導入しました。これにより検体の同時処理能力が向上し、補正作業等が自動化されました。

さらに作業マニュアルを作成し、誰でも分析可能な体制を整備しました。また、遠隔地向けの測定器具配送サービスを導入し、顧客自身に測定・返送してもらう体制を確立しました。

自社ホームページに配送測定のWeb申込(見積)機能と顧客向け測定マニュアルを掲載し、受付・配送・測定フォロー担当等の社内管理体制を整備しました。

新しい製品・サービス:遠隔地向け測定器具配送サービス

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • HPLC Prominenceガスクロマトグラフ質量分析計配送測定用の測定器具捕集管・サンプラー設備の種類:検査・測定
  • 自社ホームページ配送測定Web申込(見積)機能設備の種類:予約・顧客管理

事業の効果

  • 1日当たり分析処理数 29検体→48検体
  • 1件あたり平均2日間程度の納期短縮が可能になった

全自動分析装置の導入により検体の同時処理能力が向上し、補正作業等が自動化されました。1日当たり分析処理数が拡大し、1件あたり平均2日間程度の納期短縮が可能になりました。

事業に取り組んだことで機会損失を低減でき、遠隔地においても同社の価格優位性が確保されて商圏拡大に向けた準備が整いました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち10観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性顧客の短納期ニーズや遠隔地への価格優位性を踏まえ、配送測定サービスで商圏拡大を狙う。強みである長年の信頼性を活かす構成になっている。
  • 4
    課題の認識と解決分析工程がボトルネックで突発依頼を断っていた課題を認識し、1日分析数29検体から48検体、納期約2日短縮という成果に結びつけている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標1日当たり分析処理数を29検体から48検体へ拡大し、1件あたり平均2日の納期短縮を実現する目標が具体的で、設備導入により裏付けられている。

もう一歩だった観点

  • 2
    波及効果・雇用公共建築物でシックハウス調査が法律で義務付けられていると触れるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    シックハウス調査は売上の15%程度を占める主力調査で、過去から継続受注しており、その事業拡大として分析工程の効率化に取り組んでいる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客の短納期ニーズや遠隔地への価格優位性を踏まえ、配送測定サービスで商圏拡大を狙う。強みである長年の信頼性を活かす構成になっている。

  • 課題の認識と解決4

    分析工程がボトルネックで突発依頼を断っていた課題を認識し、1日分析数29検体から48検体、納期約2日短縮という成果に結びつけている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    1日当たり分析処理数を29検体から48検体へ拡大し、1件あたり平均2日の納期短縮を実現する目標が具体的で、設備導入により裏付けられている。

  • 事業を進める体制3

    分析担当者のオールマイティー化、受付・配送・測定フォロー担当の社内管理体制を整備しており、遂行体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    短納期・安価な顧客ニーズに応え、高い信頼性を武器にする選ばれる理由が整理されている。ニーズの裏付けとして顧客の短工期志向が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    導入装置の役割分担、マニュアル整備、配送測定のWeb申込機能など、遂行方法と課題解決の流れが妥当に示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性判断できません
  • 新しさ・高付加価値ー

    公開情報では判断できません。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    公共建築物でシックハウス調査が法律で義務付けられていると触れるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    静岡の事業者として遠隔地への商圏拡大を目指すが、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は薄い。

今後の展望

今後も長年の実績で培った高い信頼性を武器に事業拡大を図っていきます。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。