試作品製造設備の増強と少ロット品製造の内製化による提案力・競争力の強化

京都府の製造業の会社が、ものづくり補助金で試作品製造設備を増強し、少ロット品を内製化した採択事例です。

株式会社第一紙行

この事例のポイント

  • 既存の設備では折角のクリエイティブがインクジェット専用紙にしか印刷できず、ホワイトダミーの立体試作品や少量のパッケージを外注せざるを得ませんでした。
  • 制作センターに本紙対応インクジェットプリンターと厚物精密カット対応CADカッティングマシンを導入し、立体パッケージの試作品や提案品を制作できるようにしました。
  • 高品質な試作品や提案品を最短で即日提案できるようになり、クリエイティブをより効果的に訴求できるようになりました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社第一紙行
所在地京都府 京都市
業種印刷・同関連業
技術分野デザイン,立体造形
従業員数160人
資本金1億円
設立1946年

事業の背景

当社は昭和21年の創業以来、パッケージング、プロモーション、ブランディングの事業を展開し、梱包資材、各種印刷物、セールスプロモーション広告などを企画からデザイン、製造まで行っています。京都の企業として独特の伝統的な「和」のデザインを得意とし、顧客からの信頼を培ってきました。

近年は顧客の新商品開発やリニューアル商品の発売サイクルが早まり、試作品や提案物の制作の重要性が高まっています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の設備では折角のクリエイティブがインクジェット専用紙にしか印刷できず、ホワイトダミーの立体試作品や少量のパッケージを外注せざるを得ませんでした。
  • 納期・工程見本と本番の紙見本の3点で提案するのが精一杯で、本物と同じ見本は外注に頼るため時間とコストがかかっていました。
  • 納期・工程顧客の新商品開発やリニューアル商品の発売サイクルが早まり、よりリアルで納得しやすい試作品を、スピーディーに提案することが求められていました。

やったこと

制作センターに本紙対応インクジェットプリンターと厚物精密カット対応CADカッティングマシンを導入し、立体パッケージの試作品や提案品を制作できるようにしました。大判プリンター、ラミネーター、トリマーも導入し、展示会などで使うポスターなどの販促ツールも内製できる体制を整えました。

これらの設備を活用する制作センターとデザイン部門をつないでオンデマンドシステムを構築しました。デザイナー、営業、制作センターがワンチームで仕組みを活用し、提案を行う体制をつくりました。

新しい製品・サービス:立体パッケージの試作品・提案品、新製品発表や展示会用のポスター等の販促ツール

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

高品質な試作品や提案品を最短で即日提案できるようになり、クリエイティブをより効果的に訴求できるようになりました。小ロット製品の内製化が可能となり、少量のパッケージも外注せず生産できるようになりました。

デザイン部門が立体物としてデザインできるようになり、付加価値の高い製品づくりをコストダウンと短納期で実現しました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性全国拠点による地域情報や女性クリエイターの視点など自社の強みを挙げ、試作品即日提案で顧客の訴求効果を高めている。
  • 4
    課題の認識と解決試作品を外注し時間とコストがかかっていた課題を認識し、内製化で最短即日提案とコストダウン・短納期を実現している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けリアルな試作品で顧客が商品訴求効果を容易にイメージできる点を示し、顧客ニーズの裏付けと選ばれる理由が整理されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    波及効果・雇用地方の食文化や地方ビジネス活性化に触れているが、経済波及効果や雇用創出の数値・事実は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来のパッケージング事業を基盤に、試作品製造の内製化で提案力強化を図る計画で、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    全国拠点による地域情報や女性クリエイターの視点など自社の強みを挙げ、試作品即日提案で顧客の訴求効果を高めている。

  • 課題の認識と解決4

    試作品を外注し時間とコストがかかっていた課題を認識し、内製化で最短即日提案とコストダウン・短納期を実現している。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    付加価値や賃上げの数値目標は示されていないが、小ロット内製化や試作品提案の成果が記載され、達成の見込みは読み取れる。

  • 事業を進める体制3

    デザイナー、営業、制作センターがワンチームで仕組みを活用する体制が示され、オンデマンドシステムを構築している。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    リアルな試作品で顧客が商品訴求効果を容易にイメージできる点を示し、顧客ニーズの裏付けと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    ポータルサイトでの事例データベース化や人材育成、紙加工分野の外注ネットワーク拡大など今後の計画が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    立体パッケージの試作品をリアルに提案する点は差別化要素だが、市場の普及度や高価格化に関する記述は限定的。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    地方の食文化や地方ビジネス活性化に触れているが、経済波及効果や雇用創出の数値・事実は示されていない。

  • 費用対効果3

    外注していた試作品の内製化でコストダウンと短納期を実現し、費用対効果の改善が読み取れる。ただし投入額対比の数値はない。

  • イノベーションへの貢献3

    オンデマンドシステムでデザイン部門と制作センターを連動させ、デジタル活用による業務連携の仕組みを構築している。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    成長分野への進出や日本経済の構造転換への言及は弱く、地方の食文化の高付加価値化という方向性に限られる。

  • 地域経済への波及4

    京都の伝統的な和のデザインを活かし、地方の中堅・中小企業と地域産品の付加価値化に取り組む方針が具体的に示されている。

今後の展望

今回の取組みで実現した無駄の削減を紙加工分野の外注ネットワークに広げ、強みを一層強化する計画です。また、ポータルサイトに試作品・完成品事例をデータベース化し、パッケージング・ディレクターと呼べる人材の育成を検討しています。

地方の食文化の高付加価値化にも取り組む予定です。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。