近隣店舗の空き時間を有効活用!まちのお芋工場化計画

奈良県の卸売業・小売業の会社が、ものづくり補助金で近隣飲食店と連携する仕組みを作った採択事例です。

Oimo株式会社

この事例のポイント

  • 店舗スペースの関係で店内製造が困難なため、焼き芋を含む商品を鹿児島県の加工場で製造して輸送しています。
  • 当社店舗の周辺にある飲食店と提携し、余力がある時間帯に製造してもらい、当社店舗まで配達してもらう「お芋工場」化を計画しました。
  • 周辺飲食店の余力を活用して商品を製造できるようになり、当社店舗での製造機能と宮島SAカフェ用の商品製造体制が整いました。

事業者のプロフィール

事業者名Oimo株式会社
所在地奈良県 大阪市都島区
業種飲食料品小売業
設立2019年

事業の背景

当社は令和元年に、芋カフェ「維新蔵」の店舗運営・小売販売部門が分離独立して設立されました。主力製品は独自製法の焼き芋「さつまミライ」と、それを使った和スイーツで、店舗は奈良市ならまちの常設店舗のほか、期間限定店舗や宮島SAでの出店も行っています。

海外では近年、焼き芋や干し芋がブームとなっており、ドン・キホーテの焼き芋が火付け役になったとされています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力店舗スペースの関係で店内製造が困難なため、焼き芋を含む商品を鹿児島県の加工場で製造して輸送しています。
  • 品質・精度大判さつま芋チップスは輸送中に割れることが多く、歩留まりが悪くなっています。
  • 納期・工程周辺の飲食店に製造を委託するには、各店の製造可能な時間帯、数量、設備を一元的に把握・管理する必要があります。
  • 生産能力山陽自動車道宮島SAのカフェ用商品の製造も、現地ではスペースの問題で行うことが困難です。

やったこと

当社店舗の周辺にある飲食店と提携し、余力がある時間帯に製造してもらい、当社店舗まで配達してもらう「お芋工場」化を計画しました。そのために、各飲食店の製造可能な時間帯、数量、設備などを一元的に把握・管理できる「Oimo株式会社製造委託用システム」を開発しました。

あわせて、当社店舗に工場機能を持たせるため、店舗製造用のスチームコンベクションオーブンを導入しました。これにより宮島SAカフェ用の商品製造体制を構築することができました。

新しい製品・サービス:宮島SAカフェ用の商品

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

周辺飲食店の余力を活用して商品を製造できるようになり、当社店舗での製造機能と宮島SAカフェ用の商品製造体制が整いました。システムにより登録事業者の製造工程をリアルタイムで把握できるため、FC店舗でも直営店と同様の管理が可能になったといえます。

今後は登録事業者間の相互委託や組合・行政を巻き込んだ大規模ネットワーク化により、地域の活性化につながると考えています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性独自製法「超蜜加工」の砂糖不使用で最高糖度50以上の焼き芋と、インバウンド好評・ドン・キホーテ起点の海外需要など外部環境を踏まえ強みを示している。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けドライフルーツ・病院食・栄養食・ハラル・ヴィーガン対応など顧客ターゲットと製品の選ばれる理由が整理されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値焼き芋・干し芋は海外でブーム途上で普及度が低く、砂糖不使用の超蜜加工による高糖度の独自製法品として差別化している。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの具体的な目標値が示されておらず、実現可能性を数字で判断できる材料が薄い。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    ルーツの鹿児島の小規模加工から法人化・平成30年の母体設立、令和元年の分離独立と一貫した事業の流れが書かれ、芋カフェ展開が位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    独自製法「超蜜加工」の砂糖不使用で最高糖度50以上の焼き芋と、インバウンド好評・ドン・キホーテ起点の海外需要など外部環境を踏まえ強みを示している。

  • 課題の認識と解決3

    大判チップスが輸送中に割れ歩留まりが悪いという課題を認識し、周辺飲食店へのファブレス化と店舗製造用オーブン導入で解決する計画がある。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの具体的な目標値が示されておらず、実現可能性を数字で判断できる材料が薄い。

  • 事業を進める体制3

    既存の鹿児島の加工場や店舗運営の実績があり、マッチングシステム開発と店舗製造設備導入を遂行する体制が概ね読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ドライフルーツ・病院食・栄養食・ハラル・ヴィーガン対応など顧客ターゲットと製品の選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    登録事業者・FC店舗加入者の増員、相互委託による大規模ネットワーク化と次段階の段取りが示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    焼き芋・干し芋は海外でブーム途上で普及度が低く、砂糖不使用の超蜜加工による高糖度の独自製法品として差別化している。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    地域の活性化や産地農家の活性化、周辺飲食店との相互ネットワークによる地域波及効果が述べられている。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    リアルタイムで製造工程を把握するマッチングシステムにより、周辺飲食店を含む地域のお芋工場ネットワークを構築しようとしている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    海外展開やインバウンドへの言及はあるが、日本経済の構造転換に資する成長分野への進出という観点では記述が薄い。

  • 地域経済への波及4

    鹿児島のさつまいも産地と連携し、周辺飲食店との提携による地域の製造ネットワークで雇用や地域経済を支える事業となっている。

今後の展望

次の段階として、登録事業者やFC店舗加入者の増員を目指しています。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。