山口県産品を活用した看板商品「かくれんぼ」の高付加価値化事業

山口県の製造業の会社が、ものづくり補助金で製造ラインを整え、看板商品「かくれんぼ」の高付加価値化に取り組んだ採択事例です。

成果黒蜜とろーりかくれんぼの1日の製造量 800個→1,000個

この事例のポイント

  • 既存機では生クリームの成分が分離してパサパサになり、中心にきれいに充填できないなど、品質上の課題を抱えていた。
  • 課題解決のため、三重包錠機、プレハブ1坪冷凍庫、小型角折包装機を導入し、新たな製造ラインを確立しました。
  • 黒蜜とろーりかくれんぼの1日の製造量 800個→1,000個。新たな製造ラインの確立により、10分間に350個製造できるようになり、生産性が向上して大量注文にも対応できるようになり…

事業者のプロフィール

所在地山口県 防府市
業種食料品製造業
従業員数5人
設立1951年

事業の背景

防府天満宮の参道沿いに店舗を構える創業80年の和菓子屋で、きんつばや鹿の子などの伝統的な和菓子に加え、創作和菓子を製造・販売している。県産小麦を使った生地・自家製餡・黒蜜の三層仕立ての「黒蜜とろーりかくれんぼ」が看板商品で、店頭販売のほか道の駅や農産物直売所などで卸販売も行っている。

高齢化が進むなかで、地元住民から看板商品のミニサイズを希望する声が増えていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度既存機では生クリームの成分が分離してパサパサになり、中心にきれいに充填できないなど、品質上の課題を抱えていた。
  • 新製品・新技術幅広い世代に向けて生クリームを使った新商品を試作していたが、既存機では品質を保てず製品化が難しかった。
  • 生産能力全60種類の菓子のうち包館機を使う商品はおよそ20種類あり、1日1種類を製造し冷凍および2度蒸しで対応していたため、ラインアップを増やすことは困難だった。
  • 生産能力地元住民から看板商品のミニサイズを求める声が増えていたが、餡・包装・冷凍の設備では増産できなかった。
  • 品質・精度新型コロナウイルスの流行も重なり、品質管理の徹底が求められていた。

やったこと

課題解決のため、三重包錠機、プレハブ1坪冷凍庫、小型角折包装機を導入し、新たな製造ラインを確立しました。三重包錠機は10分間に350個製造でき、「黒蜜とろーりかくれんぼ」以外の商品との混合活用も可能です。

オプションの縦型スクリューフィーダーを導入したことで、生クリームの品質が安定し、適切な充填ができるようになりました。プレハブ1坪冷凍庫の設置により冷凍スペースを確保し、効率的な生産が可能になりました。

小型角折包装機は800個を30分で包装でき、包装工程の機械化により作業効率と衛生管理が改善しました。

新しい製品・サービス:生クリームを使った生チョコ大福などの新商品を開発しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 黒蜜とろーりかくれんぼの1日の製造量 800個→1,000個
  • 包館機を使った商品のラインアップ数 20種類→30種類

新たな製造ラインの確立により、10分間に350個製造できるようになり、生産性が向上して大量注文にも対応できるようになりました。安定した品質を保てるようになり、生クリームを使った新商品の開発にもつながりました。

製造時間が短縮され、包装の機械化により作業効率と衛生管理も改善しました。製造に追われる状況が和らぎ、心身にゆとりが生まれたことで、年中行事にも力を入れられるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性看板商品「黒密とろーりかくれんぼ」の拡充を目的に設備導入し、伝統菓子の延長として創業80年の事業活動と一貫している。
  • 4
    課題の認識と解決既存機では生クリームが分離し充填できない課題を認識し、機械導入で1日製造量800個から1,000個へ増やすなど解決している。
  • 4
    地域経済への波及県産小麦や山口県産品を活用し、道の駅や直売所への卸販売など地域の特性を活かした事業になっている。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果投入額に対する付加価値額や生産性の数値的な費用対効果の記述は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    看板商品「黒密とろーりかくれんぼ」の拡充を目的に設備導入し、伝統菓子の延長として創業80年の事業活動と一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    地元住民からのミニサイズ要望や県産小麦・県産品の活用など、顧客ニーズと地域資源を踏まえた内容になっている。

  • 課題の認識と解決4

    既存機では生クリームが分離し充填できない課題を認識し、機械導入で1日製造量800個から1,000個へ増やすなど解決している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    10分350個の製造能力や1日製造量を800個から1,000個へ増やす目標が示され、設備能力2,000個程度とも整合している。

  • 事業を進める体制3

    中小企業診断士のサポートを受けて申請しており、従業員5名の体制で製造ラインを確立し運用している。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客ニーズとして幅広い世代向けの生クリーム新商品、小ぶりサイズ、地域限定商品を明確にしている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の季節ごとの山口県産品活用や和洋折衷商品の提案など、今後の展開方法が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    生クリーム入りの和洋折衷商品など、既存の和菓子分野で高付加価値の新商品開発につなげている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    山口県産品の活用や新商品開発で地域の農産品需要を生み出し、道の駅や直売所への卸販売にも波及している。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値額や生産性の数値的な費用対効果の記述は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    機械化による衛生管理や品質管理の改善は触れられているが、デジタル技術やビジネスモデルの革新性は弱い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    県産小麦や山口県産品を活用し、道の駅や直売所への卸販売など地域の特性を活かした事業になっている。

今後の展望

季節に応じてイチゴや夏みかん、かぼちゃなどの山口県産品を活用し、看板商品「かくれんぼ」シリーズの拡充を図ります。和菓子が苦手な人や若い世代向けに、生クリームを使った和洋折衷の新商品も提案していきます。

利益率の高い道の駅等の店舗向け販売を増やすことで、収益性の向上を目指します。新商品の登場やイベントへの出店などの情報発信はSNSを通じて継続します。

事業者の声

できるだけたくさんの人に食べてもらいたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。