事業再構築補助金製造業福島県専門家確認済み

米粉麺の自社工場をつくり、受託製造に頼る経営から抜け出す

アルファ電子株式会社

国が公開している採択事例です

事業者のプロフィール

事業者名アルファ電子株式会社
所在地福島県
業種電子部品・医療機器等の受託製造、米粉麺の製造・販売
資本金1,200万円
相談先工学院大学の教授

この事例のポイント

  • 受託製造は取引先の計画に業績が左右されやすく、自社の柱になる新事業として米粉麺を開発した。
  • 事業再構築補助金で自社工場を設立し、委託製造で低かった収益性の改善に取り組んだ。
  • 開発の理由を3つに整理して社員に示し、売上や費用も開示して、社員の理解と協力を得た。

事業の経緯

福島県天栄村のアルファ電子株式会社は、主に電子部品や医療機器などの受託製造等を行う企業である。

前社長の次女である現社長は、東日本大震災を経験して家業への思いを強くし、2015年に入社した。当時は大手の取引先を失って業績が悪化しており、受託製造に頼らない自社の柱となる事業が必要だった。

2019年から米粉麺の開発に着手し、製造を他社に委託して販路開拓に注力して、2021年3月に「う米めん」の販売を始めた。委託では収益性が低かったため、2022年に事業再構築補助金を活用して自社工場を設立し、自社ECの立ち上げにも補助金などを活用した。

事業の内容

  1. 課題:受託製造に偏った事業構造前社長の次女である現社長は、当初は後継者候補ではなかったが、東日本大震災を経験して家業への思いを強くし、2015年に入社した。当時は震災の影響で大手の取引先を失い、業績が悪化していた。主力の受託製造事業は取引先の事業計画に業績が左右されやすい構造にもあり、そこから脱却するため、同社の柱となる新しい事業を創出する必要性を感じていた。
  2. 取り組み:米粉麺の開発とブランド化新規事業の構想を練る中で、電子部品を扱いながら米粉製品の製造・販売を行う新潟県の企業を知人の紹介で視察したことをきっかけに、2019年から米粉を使った麺の開発に着手した。当初は福島県の製麺会社の試作室を借りて麺づくりに取り組み、半年がかりで試作品を完成させた。その後、米粉を無添加で製麺できる企業に製造を委託し、同社は米粉麺を事業として成立させるため、販路開拓などに注力した。開発部長のつながりで東京都の工学院大学の教授とも連携し、米の選定や食感などについて助言をもらいながら「おいしい麺づくり」に取り組んだ。2021年3月に「う米めん」というブランド名で、地元福島県の米を使った商品の販売を開始した。
  3. 課題:委託製造による低い収益性他社に製造を委託したこともあり、販売当初は収益性が低い状況にあった。そのため、自社製造への切り替えを検討した。
  4. 取り組み:事業再構築補助金で自社工場を設立経済産業省の事業再構築補助金を活用し、2022年に米粉麺を製造する自社工場を設立した。自社工場の設立だけでなく、自社ECの立ち上げなどでも、国の助成金や補助金を活用した。特に自社の経営状態が厳しい中で、製品開発に着手した1〜2年目に出費を少なくできたことが大きかった。
  5. 取り組み:社員の理解と協力を得る工夫米粉麺の製造は、主に電子部品などを扱う同社にとって初めての挑戦であり、社員の理解や協力を得ることにも気を配った。新製品開発に取り組む理由を、受託製造業中心の業態からの脱却、社員の長期雇用、地元福島への貢献の3つに整理して明示し、社員の納得感を高めた。加えて、同社の売上高や費用などを社員に開示し、朝礼などで実績を丁寧に報告することで、経営の透明性を高め、社員との信頼関係を築いた。

補助金を使った経費

事業再構築補助金の経費区分にあてはめると、次のとおりです。

機械装置・システム構築費米粉麺を製造する自社工場の設立
広告宣伝・販売促進費自社ECの立ち上げ

事業の効果

  • 「う米めん」は新東北みやげコンテストでアイディア特別賞を受賞するなど、対外的な評価を得て、会社の認知度向上にもつながった。
  • 「う米めん」をきっかけに、既存事業である電子部品などの受託製造の受注につながり、既存事業との相乗効果も生まれた。
  • 業績は回復基調にあり、新型コロナウイルス感染症の流行下でも経常利益で黒字を確保している。
  • 製品開発に着手した1〜2年目に、補助金などで出費を少なくできた。

審査項目に合っていた点

事業再構築補助金の審査項目

合致した審査項目4 / 5項目
後継の中小企業新事業進出補助金の直近(第4回)の採択率33.9%応募1,499件・採択508件

出典:公募要領 p.44(審査項目)

◎経営戦略との整合性受託製造中心の業態からの脱却、社員の長期雇用、地元福島への貢献という3つの理由で新事業に取り組んだ。この項目が◎の事例 23件
◎事業の実現可能性試作、委託製造、販路開拓を経て、自社工場へ段階的に切り替えた。この項目が◎の事例 21件
◎新市場性・高付加価値性地元福島県の米を使った米粉麺がコンテストで評価され、受託製造にも相乗効果が出た。この項目が◎の事例 23件
◎公的補助の必要性経営状態が厳しい中、補助金などで開発の1〜2年目の出費を少なくできた。この項目が◎の事例 4件
—政策面公開されている事例からは読み取れません。

公募要領の審査項目に照らして当社の専門家が整理・確認したものです。実際の審査の点数や評価ではありません。事業再構築補助金は募集が終わっているため、後継の新事業進出・ものづくり補助金の審査項目で見ています。

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事業者の声

自社工場の設立だけでなく、自社ECの立ち上げなどでも、国の助成金や補助金を活用した。特に自社の経営状態が厳しい中で、製品開発に着手した1〜2年目に出費を少なくできたのは大きかった。

米粉に関してはまだ市場規模が小さい状況にある。福島県の農家の方々等とも連携しながら、米粉の確固たる市場を確立していきたい。

福島県の電子部品等の受託製造の事業者
出典

相談先と計画づくり

専門家工学院大学の教授

知人の紹介で視察した企業をきっかけに米粉麺の開発に着手し、委託製造で販路開拓に注力した後、補助金を使って自社工場に切り替えた。社員には開発の理由を3つに整理して示した。

今後の展望

米粉の市場はまだ小さく、福島県の農家とも連携しながら、米粉の確固たる市場を確立することをめざしている。

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