水素分野の研究施設を新設し、グリーン成長分野へ事業を広げる
株式会社神戸工業試験場
国が公開している採択事例です
事業者のプロフィール
| 事業者名 | 株式会社神戸工業試験場 |
|---|---|
| 所在地 | 兵庫県 |
| 業種 | 材料試験・試験片加工・化学分析サービス |
| 事業の紹介 | 兵庫県播磨町の株式会社神戸工業試験場は、あらゆる材料の試験片加工・材料試験・化学分析サービス等を手掛ける企業。 |
| 相談先 | 兵庫県の担当部局 |
この事例のポイント
- 毎年数十個の新規事業テーマを探して研究開発に投資し、水素分野には2015年から人材への投資も進めていた。
- 事業再構築補助金が、多額の研究施設の投資を決断する大きな後押しになった。
- 法令対応のハードルは、県の担当部局と頻繁にやり取りして乗り越えた。
事業の経緯
あらゆる材料の試験片加工・材料試験・化学分析サービスなどを手がけ、毎年数十個の新規事業のテーマを探して研究開発に投資してきた。水素分野は2015年頃から顧客の問い合わせが増えて早くから候補に挙がり、副社長が2015年から水素をテーマに研究して2018年に博士号を取得した。2017年には現社長が就任し、世代交代も済んでいた。
感染症で航空宇宙業界の成長が減速すると、水素分野への事業再構築を決断した。事業再構築補助金が後押しとなって研究施設を新設し、法令対応は県の担当部局との頻繁なやり取りで乗り越えた。
事業の内容
- 課題:航空宇宙業界の成長の減速あらゆる材料の試験片加工・材料試験・化学分析サービスなどを手がけ、顧客は航空宇宙、自動車、電力、材料メーカーとあらゆる業界にわたる。独立資本による中立的な立場で、新しい市場の動きを察知し、先行して設備投資や研究開発に取り組むことを強みとしてきた。しかし感染症の流行で、注力していた航空宇宙業界の成長が減速した。副社長は、その影響が直近の売上高の減少だけにとどまらないと予見し、水素分野(水素ガスタービン関連部品などの耐久性の測定・評価を行う事業)への事業再構築を決断した。
- 取り組み:水素分野の研究と人への投資従前より、「新しい分野が当たるも八卦、当たらぬも八卦」という考えの下、毎年数十個の新規事業のテーマを探し、研究開発投資に力を入れていた。2015年頃から顧客からの問い合わせが増えたこともあり、水素分野は早くから新規事業の候補に挙がっていた。当時専務取締役だった副社長は、かねてより博士号の取得をめざし、2015年から水素をテーマに研究に取り組んで、2018年に博士号を取得するなど、同分野への人的投資を事前に進めた。
- 取り組み:研究施設の新設顧客企業の動向や国の方針、海外の動向などを日々の事業活動で集める中で、脱炭素化社会の実現に向けた動きが加速し、水素分野で顧客企業の投資が進み、投資をしても回収が可能な市場ができると判断した。研究施設の新設という同社にとって大きな設備投資の実行を決断した。多額の投資であったが、事業再構築補助金の存在が投資決断の大きな後押しとなった。2017年に現社長が就任して経営陣の世代交代が完了していたことも、決断にプラスに働いた。
- 課題:法令対応同分野への進出には法令対応といったハードルもあったが、兵庫県の担当部局とのやり取りを頻繁に行うことで乗り越えた。
- 取り組み:新たなグリーン成長分野への投資水素分野にとどまらず、新たなグリーン成長分野への投資を行い、今後もイノベーションをめざしている。今後は、さらなる成長分野として原子力分野にも注力する予定である。
補助金を使った経費
事業再構築補助金の経費区分にあてはめると、次のとおりです。
| 建物費 | 水素分野の研究施設の新設 |
|---|
事業の効果
- 水素分野のイノベーションの成果は既に現れ、今年だけで同分野の売上高は数千万円に上る。
- 数年後には、同社の売上高全体の約1割から2割を占める主力事業になる見通しである。
- グリーン分野として注目度の高い事業に取り組むことで、社員の意欲が向上した。
- 採用の面でも、同分野に関心のある人材に訴求できる点でプラスに働いている。
事業者の声
当社はオーナー会社であるがゆえ、30年先を見据えた施策を検討する必要がある。30年という期間を現状維持で乗り切るのは難しく、今後成長していくであろう市場を見定め、適切に投資しなければならない。
兵庫県の材料試験・分析サービスの事業者
出典
- 中小企業庁「ミラサポplus」事例ナビ(当社が整理・一部要約)
- 経費区分は、事業再構築補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(第4回)
相談先と計画づくり
| 自治体 | 兵庫県の担当部局 |
|---|
顧客企業の動向や国の方針、海外の動向を日々の事業活動で集め、水素分野の市場が育つと判断して研究施設の新設を決めた。
今後の展望
水素分野にとどまらず、新たなグリーン成長分野への投資を続け、さらなる成長分野として原子力分野にも注力する予定である。30年先を見据え、成長する市場を見定めて適切に投資していく考えである。
専門・技術サービスのほかの採択事例
印刷・加工を内製化し、1個からの試作と短納期に対応する新規の顧客を60名ほど獲得し、印刷部門の売上高が前年比30%ほど増えた。日報・原価・会計のデータをつなぎ、月次の利益集計を早める受注物件ごとの月次利益集計の期間が1週間以上短縮され、体感で約30%のコスト削減になった。ドローンと三次元レーザースキャナで、災害復旧とインフラ維持管理の測量を効率化する崩落現場などの危険個所に立ち入らず、従来の1/3程度の時間で高精度の測量ができ、業務が大幅に効率化した。
専門・技術サービスの事例をすべて見る事業再構築補助金について
事業再構築補助金の募集は終わり、後継の中小企業新事業進出補助金が募集されています。中小企業新事業進出補助金の直近の第4回の採択率は33.9%(応募1,499件・採択508件)。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。
最新の公募を見る