給油の許可をタブレットに移し、スタッフを接客に回す
豊田石油株式会社
愛知県のガソリンスタンド運営(従業員25名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 法律上、セルフ式でも従業員が給油を許可する必要があり、建物の中に1人を張り付けていた。
- 人手が足りず、欠員が出ると敷地と建物の中を行き来する非効率な運営になっていた。
- カタログ注文型の中からタブレット型給油許可システムを選び、許可を手元で出せるようにした。
- 浮いた時間を接客に回し、オイル交換や洗車などの売上も伸びた。
事業の経緯
1952年に設立し、70年以上にわたって地域にエネルギーを供給してきた。市内を中心に直営とグループのガソリンスタンドを運営し、そのうち1店がセルフ式になっている。
セルフ式でも法律上は従業員が給油を許可する必要があり、建物の中に1人を張り付けていたが、求人への応募は少なかった。業界向け以外の補助金は初めてだったが、省力化投資補助金のカタログ注文型でタブレット型給油許可システムを導入し、スタッフを接客に回せるようにした。
事業の内容
- 課題:建物の中に張り付く1人セルフ式のガソリンスタンドでは、消防法の規定により従業員が給油許可スイッチを押さないと給油できない。たばこを吸いながらの給油や油種の入れ間違いを防ぐためで、そのために1人を建物の中でモニターを見ながら常駐させていた。
- 課題:人手不足と削られる接客敷地内にも別に2名を置いていたが、求人を出しても応募が少なかった。欠員が出ると、車を誘導しながら許可を出すために建物の中へ戻る必要があった。許可や確認の作業に追われ、声かけや車の異常チェックといった付加価値の高いサービスに時間を割けなかった。
- 取り組み:タブレット型給油許可システムの導入省力化投資補助金のカタログ注文型の製品から、自社の課題に合うタブレット型給油許可システムを選んだ。従業員が給油機のそばに立ったまま、手元のタブレット1台で給油機を遠隔で操作し、許可まで済ませられる。業界の外の人に自社の課題を伝わるように説明するのは大変だったが、課題を言葉にするよい機会になった。
補助金を使った経費
記事の内容から、省力化投資補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| カタログ掲載の省力化製品 | タブレット型給油許可システム |
|---|
事業の効果
- 建物の中に常駐していた従業員を、敷地での接客に回せるようになり、人手不足がやわらいだ。
- お客様との会話が増え、オイル交換や洗車を勧められるようになった。
- 導入前はほぼいなかった石油元売りのアプリの登録者が、毎月100〜200件増えた。
- 来店客と付帯サービスが増え、導入店の収益が2〜3割増えた。
- 操作が簡単で、新人が接客の流れを覚えるまでの期間が1週間以上から2〜3日ほどになった。
事業者の声
セルフ式ガソリンスタンドでは、お客様自身の判断で給油が出来ると誤解している人が多い。あまり知られていないが、消防法の規定により、当社の従業員が給油許可スイッチを押さない限りは給油ができない。火災の原因となるたばこを吸いながらの給油や、油種を間違えて給油する客がいるためである。そのため、1名の従業員をガソリンスタンド建物内の固定場所で、モニターを監視しながら、給油許可のスイッチを押すために常駐させる必要があった。ガソリンスタンド敷地内にも別途2名の従業員を配置していたが、そもそも人手不足で求人募集をしても応募が少なく、人員の確保が困難な状況であった。さらに、従業員が体調不良等で休んだ場合には、敷地内で車の誘導をしながら、給油許可スイッチを押すために建物内に戻る必要があるなど、非効率な店舗運営を余儀なくされていた。
建物内の給油許可システムへの入力作業や確認作業に追われることで、当社が大切にしているお客様へのプラスアルファの声掛けや車両の異常チェックなど、付加価値の高いサービスに充てる時間が削られていた。
補助金の申請にあたって、業界向けの補助制度であれば自社の課題は説明しやすいが、業界外の方々に課題を理解してもらうように説明することは大変だった。しかし、自社の課題を言語化するためには得難い経験だった。
効率化が図られたことで、従業員に心の余裕が生まれた。社訓にある「常にお客様に便利さと愛されるものを提供せよ」という精神に基づき、お客様との会話が増え、オイル交換や洗車を勧めることが可能となった。さらに、「タブレット型給油許可システム」導入前はENEOSアプリ(※1)を勧める余裕がなく、登録者はほぼ皆無であったが、導入後は毎月100件~200件もアプリの登録者が増えた。お客様の囲い込みが実現した結果、来所者は大きく増加し、オイル交換等の附帯サービスも増加した。給油許可システム導入店単体の収益は2~3割増となり、従業員の働き甲斐にも直結している。
愛知県のガソリンスタンド運営(従業員25名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、省力化投資補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(第6回)
今後の展望
システムを単なる機械化ではなく、スタッフが誇りを持ってお客様に寄り添うための道具として使っていく。環境への配慮を続け、地域に愛されるガソリンスタンドであり続けることをめざしている。
この事例の取り組み
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