ものづくり補助金製造業奈良県

県産の生薬を使った自社ブランドを育て、試作と製造を速める

金陽製薬株式会社

奈良県の製薬会社(従業員53名)国が公開している採択事例です

この事例のポイント

  • 受託製造の需要が減り、県のプロジェクトに参加して県産生薬の自社ブランドづくりに取り組んだ。
  • 国の支援機関のハンズオン支援でブランドの形を固め、アドバイザーのすすめで補助金に挑戦した。
  • 1度目は不採択だったが、2度目の申請で採択された。
  • 試作環境と量産ラインを整え、試作も製造も速くなった。

事業の経緯

1931年に家庭配置薬の製造で創業し、1947年に会社を設立した。その後、医薬品や医薬部外品、栄養ドリンク、健康食品へと事業を広げ、近年は他社ブランド品の受託製造が主力だった。しかし少子高齢化で需要が減り、経営が伸び悩んでいた。

2012年から県の漢方推進プロジェクトに参加し、県産の生薬を使った自社ブランドづくりに乗り出した。国の支援機関の支援でブランドの形を固め、アドバイザーのすすめでものづくり補助金に挑戦した。1度目は不採択だったが、2021年に採択され、試作と量産の設備を整えて新商品を世に出した。

事業の内容

  1. 課題:受託製造の伸び悩み家庭配置薬から始まり、医薬品や栄養ドリンク、健康食品へと事業を広げてきた。近年は他社ブランド品の受託製造が中心だったが、少子高齢化で需要が減り、経営が伸び悩んでいた。
  2. 課題:試作の長さと設備の古さ自社ブランドの商品を開発しようにも、試作に時間がかかり、製造設備も古くなっていて、開発と生産性に限界があった。自社ブランドの市場を開く経験も不足していた。
  3. 取り組み:県産生薬のブランドづくり2012年から県の漢方推進プロジェクトに製薬メーカーとして参加し、県産の当帰を使った自社ブランドの開発を始めた。県の中小企業団体中央会の紹介で国の支援機関の販路開拓支援を受け、社内のチームでブランドのコンセプトやパッケージ、商品名を固め、市場調査とテスト販売で売り方の方向をつかんだ。
  4. 取り組み:試作設備と量産ラインの整備支援機関のアドバイザーからものづくり補助金の情報を受け、投資の大きさに迷いながらも申請を決めた。製造部長を中心に社内で計画を作り、1度目の不採択を経て2021年に採択された。試作の環境を整えるために低温恒温恒湿器、高圧蒸気滅菌器、半自動キャッピングマシンを、量産ラインの自動化と生産性向上のためにPLC制御システムを導入した。

補助金を使った経費

記事の内容から、ものづくり補助金の経費区分にあてはめた区分です。

機械装置・システム構築費低温恒温恒湿器
機械装置・システム構築費高圧蒸気滅菌器
機械装置・システム構築費半自動キャッピングマシン
機械装置・システム構築費PLC制御システム

事業の効果

  • 試作にかかる期間が4週間から1週間に縮んだ。
  • 同じ商品で4種類の味を試作する期間が4か月から1か月になった。
  • 1ロット(15,000本)の製造時間が80分から65分に縮んだ。
  • 県産生薬を使った新商品を市場に出し、大手企業からの他社ブランド品の受注や、化粧品・エステなど他業種、海外からの引き合いが増えた。
  • 自社農園での生薬の栽培が年中行事になり、社員の一体感が高まった。

事業者の声

何とか大和当帰を使った自社の新商品を事業の柱にしていきたい。

数年前まで経営状況は厳しい局面があった。次の商品の柱を育てなければいけないと熟考している中、奈良県のプロジェクトの企画に乗り、これに懸けようと思った。そこから試行錯誤を重ねて、社内の一体感が生まれるなど良い取り組みができた。このような取り組みをさらに広げていきたい。

奈良県の製薬会社(従業員53名)
出典

相談先と計画づくり

県などの公的支援機関中小機構近畿本部
県などの公的支援機関奈良県中小企業団体中央会

自社ブランドを柱に育てるため、試作の時間を縮める設備と、量産ラインを自動化する設備に分けて投資を考えた。申請計画をつくる中で、経営をいろいろな角度から見る必要があることを社内で学んだ。

今後の展望

医薬品としての栄養ゼリーの開発や、海外市場への本格的な進出と自社ブランドの国際化をめざす。栄養ドリンクに偏った事業の形を見直し、社員の高齢化に備えて若手の採用と育成にも取り組む。

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