ものづくり補助金製造業埼玉県専門家確認済み

IoTで塗料を減らす塗装技術を実用化し、脱炭素のものづくりへ進む

久保井塗装株式会社

国が公開している採択事例です

事業者のプロフィール

事業者名久保井塗装株式会社
所在地埼玉県
業種工業塗装(自動車部品・建築金物・航空宇宙部品など)
相談先首都圏産業活性化協会(TAMA協会)、東京農工大学、金融機関、経済産業省

この事例のポイント

  • 住宅街で創業して以来、環境対策に細心の注意を払い、環境負荷の低減を競争力につなげてきた。
  • サポイン事業やものづくり補助金などを使い、IoTで塗料の使用量を最小限に抑える塗装技術を実用化した。
  • 自社開発の塗装工程管理のIoTシステムを同業他社に販売し、事業化した。

事業の経緯

自動車部品、建築金物、航空宇宙部品等を対象とした工業塗装を手掛ける企業。

1958年に東京都大田区の住宅街で創業し、有機溶剤を含む塗料を使うことから、環境対策に細心の注意を払って事業を続けてきた。大手自動車メーカーが脱炭素の目標を掲げたことを受けて、2035年までに脱炭素・廃棄物ゼロの実現をめざしている。

サポイン事業やものづくり補助金などを使ってIoTの高効率塗装技術を実用化し、その経験を省エネ・脱炭素にも生かしてきた。省エネ診断やデータロガーの導入、研究会の立ち上げを進め、近く着工する新工場では再生可能エネルギーも活用する考えである。

事業の内容

  1. 課題:環境負荷の低減と脱炭素への対応1958年に東京都大田区で創業した。立地が住宅街の中にあり、使用する工業用塗料に有機溶剤が含まれることから、環境対策に細心の注意を払いながら事業を行ってきた。社長は「環境問題に注力しなければ事業を継続できないことが企業のDNAに刻まれている」と語る。さらに、大手自動車メーカーが脱炭素に向けた具体的な実現目標を掲げたことを受けて、2035年までに脱炭素・廃棄物ゼロの実現をめざすこととしている。工業塗装業界は揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制への取り組みを求められている。
  2. 取り組み:IoTによる高効率塗装技術の開発環境負荷の低減が競争力の向上につながると考え、サポイン事業(現「Go-Tech事業」)やものづくり補助金などを活用して、IoTにより塗料の使用量を最小限に抑える高効率塗装技術の開発に取り組み、実用化に成功した。また、自社開発した塗装工程管理のIoTシステムは同業他社向けに販売し、事業化も実現している。
  3. 取り組み:省エネ・脱炭素の推進こうした経験は、省エネ・脱炭素への取り組みにも役立っている。経済産業省の省エネ診断を受けて省エネの余地の大きさを認識し、省エネを進めるためにデータロガーを導入して機器ごとのエネルギー消費量を計測した。脱炭素に向けた先進的な取り組みも、最初の一歩は照明をLEDに取り替えるといった分かりやすいものだった。
  4. 取り組み:カーボンニュートラル研究会と新工場社長は所属する首都圏産業活性化協会(TAMA協会)に「カーボンニュートラル研究会」を立ち上げ、東京農工大学と協力して、事業所内のエネルギー消費量を最小限に抑えるエネルギーマネジメントシステムの開発にも着手している。大手企業が製造工程全体のCO2排出量の把握に努めている現状から、将来、製品ごとのCO2排出量を明記することが必要になった場合に、エネルギー消費量の算定・削減を進める取り組みが高い競争力をもたらす期待も大きい。近く着工する新工場では、太陽光発電設備の導入など再生可能エネルギーを積極的に活用する考えで、国際情勢によるエネルギー価格高騰など外部環境の変化への耐性を強め、エネルギーコストの低減も狙っている。工場建設資金の融資の際には、脱炭素やサーキュラーエコノミーを重視していることが金融機関からも高く評価された。

補助金を使った経費

ものづくり補助金の経費区分にあてはめると、次のとおりです。

機械装置・システム構築費塗料の使用量を最小限に抑える高効率塗装技術(IoT)の開発

事業の効果

  • IoTにより塗料の使用量を最小限に抑える高効率塗装技術の開発に取り組み、実用化に成功した。
  • 自社開発した塗装工程管理のIoTシステムを同業他社向けに販売し、事業化も実現した。
  • 工場建設資金の融資の際に、脱炭素やサーキュラーエコノミーを重視していることが金融機関からも高く評価された。

審査項目とこの事例の合っていたところ

ものづくり補助金の審査項目(5項目中4項目が合致)直近の回(23次)の採択率 35.1%(応募1,275件・採択448件)

◎経営戦略との整合性環境負荷の低減が競争力の向上につながると考え、2035年までの脱炭素・廃棄物ゼロをめざしている。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 73件
◎事業の実現可能性塗装工程管理のIoTシステムを自社開発した経験を、高効率塗装技術の実用化と省エネに生かしている。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 68件
◎新市場性・高付加価値性塗料の使用量を最小限に抑える技術を実用化し、IoTシステムを同業他社向けに販売して事業化した。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 62件
—公的補助の必要性公開されている事例からは読み取れません。出典:公募要領 p.44
◎政策面脱炭素・廃棄物ゼロとDXを鍵に、サーキュラーエコノミーを意識したものづくりへの変革をめざしている。出典:公募要領 p.44この項目が◎の事例 17件

公募要領の審査項目に照らして当社の専門家が整理・確認したものです。実際の審査の点数や評価ではありません。審査項目は、いま募集している回の公募要領のものです。

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ものづくり補助金で最新型のインソール製作システムを導入し、石膏で足の模型をつくる工程をなくして、パソコンのCADで設計できるようにした。

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3年続けてものづくり補助金で設備を導入し、生産性と多様な人材の活用を進める

株式会社岡村工機

成果多台持ちや夜間の無人生産ができるようになり、検査は1作業あたり約30分の時間削減になった。

2015年度補正から3年続けてものづくり補助金を活用し、5軸マシニングセンター、画像測定器、10パレット横型マシニングセンターを導入した。

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職人の技を数値で形にし、スマートファクトリー化で素上げ革の仕上げを速くする

株式会社ごとう製革所

成果仕上工程のリードタイムが約60%短縮し、素上げ革の品質向上や多様な製品製造もできるようになった。

野球グローブ用の「素上げ革」を得意とするなめし革メーカーが、ものづくり補助金で独自のスマートファクトリー化を進めた。

事業者の声

環境問題に注力しなければ事業を継続できないことが企業のDNAに刻まれている。

中小企業が事業を発展的に継続していくために、脱炭素に向けて取り組むことは2035年以降のものづくりにとって必要不可欠だ。さらに、サーキュラーエコノミーの側面でも、廃棄物が出ることを前提としたものづくりから、廃棄物を極力出さないものづくりへ変容しようと行動している。

埼玉県の工業塗装の事業者
出典

相談先と計画づくり

その他首都圏産業活性化協会(TAMA協会)
その他東京農工大学
金融機関金融機関
その他経済産業省

環境負荷の低減が競争力の向上につながると考え、補助金を使った技術開発から省エネ診断、研究会の立ち上げへと、段階的に脱炭素の取り組みを広げた。

今後の展望

2035年までの脱炭素・廃棄物ゼロの実現をめざし、新工場では太陽光発電設備など再生可能エネルギーを積極的に活用する考えである。廃棄物を極力出さないものづくりへの変容をめざしている。

この事例の取り組み

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