ものづくり補助金平成27年度製造業神奈川県

熱伝導率の測定装置を改良し、測定時間を半分にする

横浜電子株式会社

神奈川県の制御盤・制御装置メーカー(従業員10名)国が公開している採択事例です

この事例のポイント

  • 下請けの仕事が減ったのを機に、制御技術を武器に自ら営業する会社に変わった。
  • ものづくり補助金で、国内で自社だけがつくる熱伝導率測定装置の測定時間を半分にした。
  • 持続化補助金も使い、縁のあった紅茶の販売をネット通販に広げた。
  • ロボットやデータの活用を柱にした10年ビジョンを描いている。

事業の経緯

1970年に通信機の基板をつくる下請け工場として創業し、1973年ごろからは輪転機メーカーの下請けで制御盤や制御装置をつくってきた。2000年代初めに大手の参入で下請けの仕事が急に減り、2005年ごろから制御技術を武器に自ら営業を始めた。創業者の娘婿である現代表が2代目として経営を継いだ。

相談を断らない方針で、さまざまな業種の装置を手がけてきた。平成27年度のものづくり補助金で、国内で自社だけがつくる熱伝導率測定装置の測定時間を短くした。持続化補助金で紅茶のネット通販も始め、今はロボットやデータ活用を柱にした10年ビジョンを描いている。

事業の内容

  1. 課題:下請けの仕事の減少1970年に通信機の基板をつくる下請け工場として創業し、1973年ごろからは輪転機メーカーの下請けで制御盤・制御装置をつくってきた。2000年代初めに大手機械メーカーが参入して下請けの仕事が急に減り、2005年ごろから制御技術を武器に自ら営業を始めた。
  2. 取り組み:多品種少量の装置づくり製薬・化学・特殊車両などの会社向けに、相談を断らない方針で多品種少量の装置を手がけてきた。FA機器や産業用ロボットの制御技術を生かし、顧客のアイデアを形にすることを強みにしている。中小機構のビジネスマッチングサイトから新しい取引も生まれた。
  3. 取り組み:熱伝導率測定装置の改良国内で自社だけがつくる保護熱板式(GHP法)の熱伝導率測定装置について、平成27年度のものづくり補助金を使い、測定時間を短くする開発に取り組んだ。顧客が欲しいのは高額な装置そのものより測定データだという事情も踏まえている。
  4. 取り組み:紅茶のネット通販経営者の集まりで出会った起業したばかりの紅茶販売者の販促を手伝い、知り合いの飲食店などに置いてもらうと数百個が売れ、口コミでさらに伸びた。より広く発信するため、持続化補助金で紅茶のネット通販サイトを立ち上げた。

補助金を使った経費

記事の内容から、ものづくり補助金の経費区分にあてはめた区分です。

機械装置・システム構築費GHP法熱伝導率測定装置

事業の効果

  • 熱伝導率の測定時間が10時間から5時間に短くなった。
  • 紅茶のネット通販サイトを公開した。
  • 技術を受け継ぐため、新卒を2名採用した。

事業者の声

本当に、ありとあらゆる分野の装置を手がけてきました。製薬会社、化学会社、特殊車両の会社など。過去には半導体製造装置の一部を担当したりもしました。

私たちは、“お客様のアイデアをカタチにする”—そういう企業ではないかと思います。基本的に、ご相談いただいたものに対してはお断りしないようにしています。いろいろなご相談にお応えしているうちに自分たちも磨かれていきますから。

5年後を見据えた方針として、IT化、ロボットの導入、データの利活用などを通して、企業としての付加価値を高め、生産性の底上げを勢いづけていこうと考えています。

まだ漠然としていますが、協働ロボットのソフトとハードのプラットフォームを自社で構築できないかと考えているところです。ロボット技術は、制御技術の隣接産業のためトライしてみたい分野です。

起業したばかりの方で、販促を手伝ったのがきっかけでした。旧知の飲食店やカーディーラーに紅茶を置かせてもらったら、何百個も買ってもらえ、クチコミでさらに販売数が伸びました。そこからさらに興味を持って、外部により発信しなければと考え、ECサイトの立ち上げを計画しました。

人との繋がりといいますか、ご縁といいますか。ご縁も、繋がりも、何ごとにも意味があると捉えています。すべてのご縁を大切にする心を持つことが大切だなと思いますね。そういうことも10年ビジョンには盛り込んでいます。

GHP法の熱伝導率測定装置は、実は当社しか作っていません。国内ではオンリーワンなんですよ。ただ、お客様としては高額な装置は欲しいのではなくて、装置から得られたデータが欲しいのです。その辺りが痛し痒しなんですけどね。

将来どのように事業を発展させていくか、どうやって利益を出していくかは中小企業が自分自身の将来像を考える良い機会になると思います。自社事業や自社製品に自信があっても、外部へプレゼンするには、それなりの見せ方をしなければなりません。補助金の申請でも、どのようにプレゼンすれば採択してもらえるかということに繋がりますし、非常に役に立ちます。補助金を活用させてもらいながらも、とにかく中小企業が元気にならないと社会全体の景気も良くなりません。事業を推進するうえで、補助金が活用できる場合は積極的に利用していただいて、みんなで中小企業を良くしていきましょう。

神奈川県の制御盤・制御装置メーカー(従業員10名)
出典

相談先と計画づくり

県などの公的支援機関中小企業基盤整備機構

自社の強みを、顧客のアイデアを形にする制御技術と整理した。補助金の申請を通じて事業の将来像と利益の出し方を考え、外部に伝わる見せ方を工夫した。

今後の展望

IT化やロボットの導入、データの活用で付加価値と生産性を高める。協働ロボットのソフトとハードの仕組みを自社でつくれないか検討している。事業再構築補助金の申請も準備している。

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