新型機械による刺繍領域の拡大と日本初の刺繍化粧箱の開発

石川県の従業員3人の製造業者が、ものづくり補助金で新型刺繍機を導入し、刺繍対象を広げた採択事例です。

有限会社南川刺繍工芸

成果刺繍速度 1倍→4倍

この事例のポイント

  • 刺繍機械の老朽化がひどく、機会損失が生じていました。
  • 最新型刺繍機として、TAJIMA TMAR-K1508Cという新型多頭機を2台導入しました。
  • 刺繍速度 1倍→4倍。導入した新型刺繍機により、布製品以外の帆布、皮製品、帽子、靴などにも刺繍加工が可能となり、多様なオーダーに対応できるよ…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社南川刺繍工芸
所在地石川県 加賀市
業種繊維工業
技術分野機械制御
従業員数3人
資本金500万円
設立1987年

事業の背景

5年前に家業を継ぎました。それまでは全く異なる職種だったため、刺繍業界には素人として入りました。

学校制服やセーターが中心だった布製品の刺繍から、帽子、リストバンド、ワッペン加工などのニーズが増えていました。刺繍の質は高く評判が良かったため各種のオーダーが来ていましたが、機械の老朽化により受注に応えられず機会損失が生じていました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力刺繍機械の老朽化がひどく、機会損失が生じていました。
  • 新製品・新技術布製品以外の素材や多様なオーダーに対応できていませんでした。
  • コスト・採算20年前から工賃が変わっていませんでした。

やったこと

最新型刺繍機として、TAJIMA TMAR-K1508Cという新型多頭機を2台導入しました。刺繍速度は従来の4倍に向上し、データ管理も容易になりました。

機械は素材に応じて糸や針の強さを自動で制御するため、布製品に加えて帆布などの厚手の布製品、皮製品、帽子、靴にも刺繍加工が可能になりました。さらに、尾崎紙器との共同開発により、紙箱に手刺繍の風合いを表現する刺繍化粧箱の開発を進めました。

新しい製品・サービス:日本初の刺繍化粧箱

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 刺繍速度 1倍→4倍

導入した新型刺繍機により、布製品以外の帆布、皮製品、帽子、靴などにも刺繍加工が可能となり、多様なオーダーに対応できるようになりました。刺繍速度が4倍に向上し、生産性も高まりました。

また、紙箱への刺繍により刺繍化粧箱の商品化も進みました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.1 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性刺繍の質が評判で各種オーダーが来ていたが機会損失があったと書かれ、強みを活かす市場動向への対応が読み取れる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け学校制服やワッペン、帽子などのニーズ増加と、主要取引先の存在が書かれ、ターゲットと需要の裏付けがある。
  • 4
    新しさ・高付加価値日本刺繍の手刺繍風合いを機械で表現し、帽子や皮、紙箱への刺繍は国内では珍しく、日本初の刺繍化粧箱を目指している。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標刺繍速度は4倍に向上と書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    20年前から変わらない工賃と老朽化した刺繍機の更新を背景に、既存の刺繍事業の延長で新型機を導入する経緯が書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    刺繍の質が評判で各種オーダーが来ていたが機会損失があったと書かれ、強みを活かす市場動向への対応が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    機械老朽化による機会損失という課題を認識し、新型機導入と刺繍領域拡大で解決する計画になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    刺繍速度は4倍に向上と書かれるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    代表者が5年前に家業を継ぎ、現在は3人体制で事業を運営していることが書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    学校制服やワッペン、帽子などのニーズ増加と、主要取引先の存在が書かれ、ターゲットと需要の裏付けがある。

  • 事業化までの道筋2

    刺繍化粧箱は共同開発先の不幸で開発が鈍化し、新商品を模索中とあり、中長期の遂行方法やスケジュールは薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    日本刺繍の手刺繍風合いを機械で表現し、帽子や皮、紙箱への刺繍は国内では珍しく、日本初の刺繍化粧箱を目指している。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    尾崎紙器など地元加賀市の事業者との共同開発や、多様な素材への加工拡大による地域連携が書かれている。

  • 費用対効果2

    生産性向上や刺繍速度向上は触れられているが、補助金額に対する付加価値額の増加は数字で示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    コンピューター制御で糸や針の強さを素材ごとに調整する新型機を導入し、紙箱や和紙への刺繍という新用途を開拓している。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    加賀市山中温泉の地元事業者と連携し、イベント出店や個人依頼にも対応する地域密着型の事業である。

今後の展望

刺繍化粧箱は取引先の事情により開発が一時停滞したため、新たな商品開発に取り組んでいます。和紙への刺繍も可能になったことから、御朱印を刺繍で加工して商品化できないか模索しています。

事業者の声

「刺繍」を身近にしてもらいたく、企業からだけでなく個人からの依頼にも対応しています。イベントなどにも刺繍機を持ち込んで出店していきます。

「刺繍は個性」この言葉をみなさんにお伝えしたく、刺繍で自由に刺繍を使って付加価値をつけてもらいたいです。今後は布製品だけでなく、多種多様な素材に刺繍を施して刺繍の可能性を広げていきたいです。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。