高精度両頭研磨機とライン化バレルによる独自の複合工程構築

静岡県の製造業が、ものづくり補助金で研磨の工程を自社内で一貫化し、納期短縮につなげた採択事例です。

株式会社第一技研

成果バレル研磨の作業人員 5人→2人

この事例のポイント

  • 両頭研磨の工程は専門加工業者に外注しており、内製化できていませんでした。
  • 両頭研磨加工の内製化を実現するため、高精度両頭研磨機を導入しました。
  • バレル研磨の作業人員 5人→2人。加工寸法の急な変更にも即時に対応でき、数量管理や工程間の調整を円滑に行えるようになったため、納期が大幅に短縮されました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社第一技研
所在地静岡県 袋井市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工
資本金500万円
設立1984年

事業の背景

株式会社第一技研は昭和59年にゴルフクラブのアイアンヘッドメーカーとして創業しました。平成18年頃から機械部品の研磨加工に取り組み、現在では研磨加工が主力事業となっています。

近年は研磨加工の価格競争が海外を含めて激しくなり、同業他社との差別化が課題となっています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 納期・工程両頭研磨の工程は専門加工業者に外注しており、内製化できていませんでした。
  • 生産能力従来のバレル研磨機は一度に多くのワークを投入するとワーク同士が張り付き、研磨されないNG品が出るため、加工数量に限度がありました。
  • 人手・技能バレル研磨ではオペレーターの常時監視が必要でした。
  • 品質・精度ワーク同士が張り付くことで加工不良が発生しており、高品質で生産効率の高い受注体制を構築する必要がありました。
  • コスト・採算研磨加工は海外を含む同業他社との価格競争が激しく、高品質化と短納期化が求められていました。

やったこと

両頭研磨加工の内製化を実現するため、高精度両頭研磨機を導入しました。両頭研磨機は2つの砥石を向かい合わせに配置して両面を同時に研磨する設備です。

また、ウレタン素材のタンクの内部が螺旋構造になっている連続投入型バレル研磨機を導入しました。この設備により、未研磨によるNG品の発生を防げるようになりました。

両頭研磨機と連続投入型バレル研磨機を連動させ、両頭研磨、バレル研磨、洗浄、防錆を自社内で一貫して行うラインを構築しました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • バレル研磨の作業人員 5人→2人

加工寸法の急な変更にも即時に対応でき、数量管理や工程間の調整を円滑に行えるようになったため、納期が大幅に短縮されました。バレル研磨に係る作業人員を削減し、外注費と物流費がそれぞれ3割減りました。

NG品が減ったことでロス率も低下しました。最新型の設備の導入により、平面度そり量や表面粗さといった品質評価の値も格段に上がり、高精度と高品質を推進できるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性外注していた両頭研磨を技術研鑽と類似設備の実績を経て内製化しており、研磨事業の拡大という過去の取組との一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性同業者間で特殊ノウハウが必要とされる両頭研磨を内製化し、独自の部品供給機や治具開発の強みを活かす記述があり競争優位性が読める。
  • 4
    新しさ・高付加価値両頭研磨は専門加工業者に限られ特殊ノウハウが必要とされる分野で、同業他社との差別化と高精度・高品質化を実現している。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋導入と内製化の経緯は書かれているが、中長期の課題検証や今後のスケジュール・課題解決方法の具体的記述は乏しい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    外注していた両頭研磨を技術研鑽と類似設備の実績を経て内製化しており、研磨事業の拡大という過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    同業者間で特殊ノウハウが必要とされる両頭研磨を内製化し、独自の部品供給機や治具開発の強みを活かす記述があり競争優位性が読める。

  • 課題の認識と解決3

    NG品発生や加工数量の限界といった課題を認識し、連続投入型バレル研磨機の導入で解決を図っている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    バレル研磨の作業人員を5人から2人に削減し、外注費・物流費が各3割減とする具体的な改善数字が示されている。

  • 事業を進める体制3

    工場長や代表取締役が体制に関与し、研磨技術の蓄積と新技術研究の連携体制があることは読み取れるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客の高品質化・短納期化の要請に応える一貫ラインを構築し、様々な研磨加工で顧客ニーズに対応すると記されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入と内製化の経緯は書かれているが、中長期の課題検証や今後のスケジュール・課題解決方法の具体的記述は乏しい。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    両頭研磨は専門加工業者に限られ特殊ノウハウが必要とされる分野で、同業他社との差別化と高精度・高品質化を実現している。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    自動車部品や産業機械の新素材開発への言及はあるが、経済波及効果や雇用創出など国が補助する積極的理由の記述は弱い。

  • 費用対効果4

    作業人員5人から2人、外注費・物流費各3割減、NG品減少など投資に対する効果が具体的数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    メーカーや大学の研究機関と連携した新技術研究への言及はあるが、デジタル技術や地域・サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    袋井市で創業した地元企業である点は触れられているが、地域特性を活かした雇用創出や地域経済成長への言及は薄い。

今後の展望

今後も失敗を恐れず新規事業に積極果敢に取り組み、前進を続けます。自動車部品に加えて産業機械の精密部品など新たな素材開発にも対応するため、メーカーや大学の研究機関と連携して新技術を研究しています。

事業者の声

自動車部品のみならず、産業機械の精密部品など新たな素材開発が急激に進んでおり、当社としてもメーカーや大学の研究機関と連携して新技術を研究中である。独自の部品供給機や治具開発ができる強みを活かし、技術営業を積極的に行い、『Trial & Error』、失敗を恐れず新規事業に果敢に取り組んでいきたい

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。