精密リターンパイプ製造における生産性向上及び現場の安全性の確立

静岡県の製造業の会社が、ものづくり補助金でCNC自動旋盤と遠心バレル研磨機を導入し、工程を自働化して省人化を実現した採択事例です。

有限会社椿精工

成果1,000本あたりの製造時間 17時間→13時間

この事例のポイント

  • 切断機でリターンパイプを1つずつ加工しており、内外にバリが発生していました。
  • CNC自動旋盤と遠心バレル研磨機を導入し、作業工程の自働化を目指しました。
  • 1,000本あたりの製造時間 17時間→13時間。CNC自動旋盤と遠心バレル研磨機の導入により、材料の投入後の切断及び外側の面取り加工が自働化され、生産性が向上しました。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社椿精工
所在地静岡県 沼津市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,製造環境
資本金500万円
設立1988年

事業の背景

同社は精密ねじのリターンパイプとパイプ押さえを専門に製造しており、主力製品はリターンパイプです。同社は1点からの発注に対応し、高い要求精度に応えることを強みとしています。

近年は半導体製造装置に不可欠な直動関連機械部品が不足しており、同社にはリターンパイプの量産化の要請がありました。当時の月間製造能力は約5万本でしたが、要請された数量は10万本でした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力切断機でリターンパイプを1つずつ加工しており、内外にバリが発生していました。
  • 品質・精度面取り加工には面取り、洗浄、乾燥の工程が必要で、内側と外側のバリ取りを同時に行えませんでした。
  • 生産能力後工程の研磨もショットブラストで1つずつ処理しており、今後の増産に対応することが難しい状況でした。
  • 生産能力月間製造能力は約5万本でしたが、顧客からの要請数量は10万本であり、既存の設備や人員の投入では解決が困難でした。

やったこと

CNC自動旋盤と遠心バレル研磨機を導入し、作業工程の自働化を目指しました。導入初期には、職人の技術や感覚を数値化してプログラムに反映させることが困難でしたが、試作を繰り返すことで精密な加工を再現できるようになりました。

CNC自動旋盤の導入により、材料の投入後に切断及び外側の面取り加工を自働化しました。遠心バレル研磨機では一度に大量の製品を研磨できるようにしました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 1,000本あたりの製造時間 17時間→13時間

CNC自動旋盤と遠心バレル研磨機の導入により、材料の投入後の切断及び外側の面取り加工が自働化され、生産性が向上しました。リターンパイプ1,000本あたりの製造時間は約17時間から約13時間に短縮されました。

自働化により操作方法を把握すれば誰でも均一に製造できるようになり、夜間の加工も可能になったことで、全体の生産量も大幅に増加しました。これにより省人化が実現し、増産体制が整って顧客からの要望に応えられるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.0 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性1点からの発注対応や高精度加工という強みを活かし、月産5万本を10万本に増やす要請に応えるため、自動化設備で対応している。
  • 4
    課題の認識と解決既存設備や人員では解決困難な課題を特定し、1,000本あたりの製造時間を約17時間から約13時間に短縮する効果を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標製造時間を約17時間から約13時間に短縮し、省人化と夜間加工による生産量増加も示されており、目標達成の見込みが読み取れる。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業を進める体制職人の技術を試作の繰り返しで数値化したことは触れているが、実施体制や人材の確保について具体的な記述は少ない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のリターンパイプ製造を量産化する取組で、主力製品の増産要請に応える内容であり、事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    1点からの発注対応や高精度加工という強みを活かし、月産5万本を10万本に増やす要請に応えるため、自動化設備で対応している。

  • 課題の認識と解決4

    既存設備や人員では解決困難な課題を特定し、1,000本あたりの製造時間を約17時間から約13時間に短縮する効果を示している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    製造時間を約17時間から約13時間に短縮し、省人化と夜間加工による生産量増加も示されており、目標達成の見込みが読み取れる。

  • 事業を進める体制2

    職人の技術を試作の繰り返しで数値化したことは触れているが、実施体制や人材の確保について具体的な記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    半導体製造装置向けの直動関連部品の需要増に対応し、1点からの発注や高精度加工という選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入初期の課題を試作の繰り返しで解決した経緯が書かれ、工程の自働化と夜間加工という遂行方法が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性2.0
  • 新しさ・高付加価値2

    精密ねじ部品の分野での高精度加工を強みとするが、高付加価値化や高価格化を図る記述は弱く、新規性は薄い。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    半導体製造装置に不可欠な直動関連部品の供給不足に対応し、新たな雇用や需要の確保につながる取組である。

  • 費用対効果2

    製造時間の短縮と生産量の増加は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献3

    CNC自動旋盤と遠心バレル研磨機の導入で工程を自働化し、生産管理のシステム化を進めており、他工程への波及も語られている。

政策面判断できません
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及ー

    公開情報では判断できません。

事業者の声

設備の導入により作業工程がシステム化され、生産管理が容易になった。他の工程にも波及させていきたい。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。