アパレルCAD/CAMとデザインシステム導入による内製加工の一貫生産体制の構築

和歌山県の従業員6人の製造業が、ものづくり補助金でCAD/CAMとデザインシステムを導入し、内製の一貫生産体制を築いた採択事例です。

成果自動裁断機の導入により、これまでの作業時間が半分以下になった。

この事例のポイント

  • 多品種・小ロットの受注が増えており、手作業の裁断では時間がかかり、受注できる量に限りがあった。
  • 裁断データをもとに積層した生地をコンピューターで効率的に裁断するCAMシステムと、顧客から送られたパターンデータを活用して裁断データを作成・修正するデザインシステムを導入しました。
  • 自動裁断機の導入により、これまでの作業時間が半分以下になった。裁断作業の高さの上り下りがなくなり、体への負担やケガのリスクが大幅に軽減されました。

事業者のプロフィール

所在地和歌山県 橋本市
業種繊維工業
技術分野デザイン,製造環境,立体造形,機械制御,材料製造プロセス
従業員数6人
設立1979年

事業の背景

上垣内縫製は橋本市高野口町で半世紀近く縫製業を営む事業者で、従業員は6名である。主力はレディースファッションのアパレル製品で、裁断・縫製に特化した生産体制をとっている。

地場のパイル織物産地に近く、ベテラン職人による一点仕上げで品質が評価されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種・小ロットの受注が増えており、手作業の裁断では時間がかかり、受注できる量に限りがあった。
  • 人手・技能大きな作業台への上り下りや繰り返しの手裁断で体への負担が大きかった。
  • 品質・精度手裁断の精度が縫製作業に影響していた。
  • 生産能力急ぎの受注が重なると希望の納期に間に合わず、納期の交渉が増えていた。

やったこと

裁断データをもとに積層した生地をコンピューターで効率的に裁断するCAMシステムと、顧客から送られたパターンデータを活用して裁断データを作成・修正するデザインシステムを導入しました。導入したのは島精機製作所のCAD/CAMシステムです。

裁断は設定を決めてボタンを押すだけで行えるようになりました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 自動裁断機の導入により、これまでの作業時間が半分以下になった。

裁断作業の高さの上り下りがなくなり、体への負担やケガのリスクが大幅に軽減されました。受注から納品までのリードタイムが大幅に短縮され、多品種・小ロットへの対応も可能になりました。

裁断精度の向上により縫製もしやすくなり、より高品質な製品を安定して仕上げられるようになりました。取引先の信頼も高まり、受注量と売上の増加が見込まれています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.5 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及高野口町の有毛布地産地という地域特性を活かし、地場生地メーカーと連携して地域の活性化に貢献すると明記されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性高野口の有毛布地産地の立地と、ベテラン職人による一点仕上げ・MADE IN JAPANの品質を強みとし、導入後も地場生地メーカーと連携して差別化する方向が書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決手裁断で作業時間が半分以下になり、受注できず断る・納期交渉が増えていた課題を、リードタイム大幅短縮で解決する計画・結果が示されている。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    半世紀近く続く縫製業で、裁断・縫製に特化した生産体制を築いてきた経緯があり、今回のCAD/CAM導入も内製一貫体制の延長として位置付けられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高野口の有毛布地産地の立地と、ベテラン職人による一点仕上げ・MADE IN JAPANの品質を強みとし、導入後も地場生地メーカーと連携して差別化する方向が書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    手裁断で作業時間が半分以下になり、受注できず断る・納期交渉が増えていた課題を、リードタイム大幅短縮で解決する計画・結果が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間半減や受注量増加への期待が示されているが、具体的な売上や付加価値の目標数値は記載がなく、達成見込みは文章からは限定的。

  • 事業を進める体制3

    従業員6名の少数精鋭体制と、取引先・地元織物企業の後押しを受けながら補助金申請と導入を完遂した経緯が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    レディース製品中心で多様なデザインと小ロット・多品種に対応し、顧客からの取引先信頼度向上や選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    今後の市場状況に応じた迅速生産や、エコファーの縫製技術を地場連携で展開する中長期の方向性が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    毛が編み込まれた有毛布地を用いたエコファーの縫製など、他にマネのできない自社の強みとして高付加価値の分野を狙う点が書かれている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    地域の生地メーカーと連携し唯一無二の地場産品を送り出して地域活性化に貢献すると述べられ、地域波及効果が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    CAD/CAMとデザインシステムを導入し、顧客のパターンデータを活用して裁断データを作成する生産方式を構築しており、デジタル活用による生産効率化が見られる。

政策面5.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及5

    高野口町の有毛布地産地という地域特性を活かし、地場生地メーカーと連携して地域の活性化に貢献すると明記されている。

今後の展望

市場の販売状況に応じて迅速な生産と商品の提供ができ、国内生産の強みになると考えています。複雑なパターンや異なる素材を組み合わせた商品など、大量生産ではできない細やかな対応も可能になります。

高野口の生地メーカーと連携し、地場産品を送り出して地域の活性化にも貢献します。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。