数値仮組立検査システムの導入による省力化及び生産性の向上

高知県の製造業の会社が、ものづくり補助金で橋梁の仮組立検査をパソコン上で行えるようにし、人件費の削減を目指した採択事例です。

株式会社鉄建ブリッジ

成果組立時の実測騒音 95db→0db

この事例のポイント

  • 工場の約4割の従業員が仮組立に従事しており、生産効率を下げていました。
  • 橋梁は部材ごとに製作し、工場内で仮組立を行って出荷前に設計通りかを確認しています。
  • 組立時の実測騒音 95db→0db。打撃音の発生がなくなり、組立時の騒音と周辺の推定騒音がいずれも0dbになりました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社鉄建ブリッジ
所在地高知県 高知市
業種金属製品製造業
従業員数46人
資本金1億円
設立1961年

事業の背景

当社は1961年に設立された鋼橋梁・水門の設計・製作・施工会社です。国、高知県、市町村が発注する鋼構造物工事のうち、橋梁工事の約70%、水門工事の約40%を当社が占めており、施工実績は県内全域にわたります。

近年は橋梁の規模が大きくなり、構造も複雑化しています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力工場の約4割の従業員が仮組立に従事しており、生産効率を下げていました。
  • その他仮組立は2m以上、40cm幅の橋上での高所作業のため、従業員の安全確保が最優先事項でした。
  • その他仮組立は夏季に行われることが多く、熱中症対策など従業員の体調管理も必須でした。
  • その他現場施工時の状況を再現するため接合部にドリフトピンを打撃して挿入しており、打撃音による騒音対策が必須でした。
  • 納期・工程発注者や県外の橋梁メーカーの検査員の立ち会いのもとで仮組立と検測を行うため、検査に時間がかかっていました。

やったこと

橋梁は部材ごとに製作し、工場内で仮組立を行って出荷前に設計通りかを確認しています。本事業では、数値仮組立検査システム(株式会社横河技術情報製)を導入しました。

一眼レフデジタルカメラで部材を撮影してデータをパソコンに取り込み、画像ファイルを自動解析して三次元値を算出します。これにより、パソコン上で実仮組立と同等の検査を行えるようになりました。

PC内では無重力状態での仮組立ができ、キャンバー、現場接手部のボルト孔間距離、主桁間隔を調整して理想的な仮組立形状を得られます。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 組立時の実測騒音 95db→0db
  • 周辺での推定騒音 64db→0db

打撃音の発生がなくなり、組立時の騒音と周辺の推定騒音がいずれも0dbになりました。高所作業や高温環境下での屋外作業がなくなり、従業員の作業負担を大幅に削減できて安心・安全に働ける環境が整いました。

パソコン上で検査できるようになったため立ち会いがなくなり対面時間が大幅に削減され、仮組立作業の人件費を1橋あたり1,960千円削減できる見込みです。製作部門の従業員が生産活動に従事できるようになり、ボルト孔の位置を正確に確認して発注者が求める品質以上の高精度な製品を提供できるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.5 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性県内施工実績や橋梁工事約70%の占有率を活かし、県外メーカー検査立会い不要で同業他社との差別化を図ると書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決仮組立に約4割の従業員が従事していた課題に対し、1橋あたり人件費1,960千円・生産低下額4,355千円の削減を示している。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標騒音を95dbから周辺64dbへ、橋梁1橋あたり人件費や生産低下額を数値で示し、目標の根拠が具体的である。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    仮組立の省力化と生産効率向上を図る事業で、橋梁の設計・製作・施工一貫の既存事業に沿った取組である。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    県内施工実績や橋梁工事約70%の占有率を活かし、県外メーカー検査立会い不要で同業他社との差別化を図ると書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    仮組立に約4割の従業員が従事していた課題に対し、1橋あたり人件費1,960千円・生産低下額4,355千円の削減を示している。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    騒音を95dbから周辺64dbへ、橋梁1橋あたり人件費や生産低下額を数値で示し、目標の根拠が具体的である。

  • 事業を進める体制3

    導入後は生産管理部門の1人が専任で従事する体制を示しており、既存の設計・製作・施工の組織で遂行できる見込みがある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    発注者が求める品質以上の高精度製品を提供でき、工事成績の加点で有利な価格での落札を目指すと顧客評価の理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入効果の検証と今後の耐震補強・修繕工事への注力方針が示されているが、スケジュールの記述は限定的である。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    県内で当社が初めて導入した数値仮組立検査システムで、同業他社との差別化を図れると書かれている。

公的補助の必要性3.7
  • 波及効果・雇用3

    橋梁整備や長寿命化の予算が増加傾向にある中、公共工事の品質向上と社会インフラの維持に寄与する。

  • 費用対効果4

    1橋あたり人件費削減1,960千円と生産低下額4,355千円の改善を示し、費用対効果の根拠が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献4

    一眼レフ撮影と画像解析による三次元測定を用い、仮組立を電子化して検査立会いを不要にする新しい業務方式である。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    高知県内の橋梁・水門工事を主力とし、県内施工実績の全域化と地域の公共事業の受注拡大につながる取組である。

今後の展望

今後は本システムを活用して製品品質をさらに向上させ、発注者から一段上の評価を得て工事成績の加点を得ることで、他者との差を付けて有利な価格での落札につなげたいと考えています。橋梁整備等の道路予算は増額傾向にあり、耐震補強や修繕工事にも力を入れていきます。

また過去に参加していた西日本高速道路株式会社の入札にも参加し、受注機会の増加と業績向上を図ります。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。