最新ショットブラスト機を導入し、災害時の急激な受注増加に対応できる生産体制を構築する

高知県の従業員32人の製造業者が、ものづくり補助金で大型ショットブラストマシンを導入し、表面処理を自動化した採択事例です。

株式会社飯田鉄工

成果仕上げ工程の担当人数 2名→1名

この事例のポイント

  • 製造工程の一つであるグラインダー仕上げを手作業で行っており、時間がかかる上に作業員の労力が大きい。
  • 最新の大型ハンガータイプのショットブラストマシン(HDF-20N、株式会社ニッチュー製)を導入しました。
  • 仕上げ工程の担当人数 2名→1名。切断機および掴み機の製造において、年間1,666時間程度の労働時間を削減できるようになりました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社飯田鉄工
所在地高知県 高知市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数32人
資本金2,900万円
設立1967年

事業の背景

当社は掴み機や切断機等の開発・製造を手がけ、製品は120種類以上に及ぶ。平成16年に開発したアタッチメント式切断機「エコカッター」は長年改良を重ねており、ユーザーから高い評価を得ている。

製品は従来産業廃棄物処理に使われてきたが、近年は県内外で災害復旧用としての活用が広がっている。気象変動により台風や豪雨の災害が増え、顧客からは生産能力の向上と短納期対応が求められている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能製造工程の一つであるグラインダー仕上げを手作業で行っており、時間がかかる上に作業員の労力が大きい。
  • 生産能力生産能力と納期の問題から受注を抑えることもあり、取引先からの短納期要求に応えきれていない。
  • 品質・精度沿岸部のユーザーから塗装が剥がれにくい製品が求められているが、塩害への耐性が課題となっている。
  • 新製品・新技術品質の安定性、安全性の向上、長寿命化といった要望に応えるため、より高品質な新製品の開発が求められている。

やったこと

最新の大型ハンガータイプのショットブラストマシン(HDF-20N、株式会社ニッチュー製)を導入しました。ハンガーに加工物を吊るしてマシンに収納し機械を作動させると、自動でショットブラスト加工が行われます。

ショットブラストは2mm程度の研磨を行い、表面に凹凸を作ることで塗装の持ちを良くし、耐腐食性を向上させます。中程度の大きさの製品であれば5製品程度を同時に加工できます。

また、グラインダー作業を完全に自動化し、溶接・組立前の表面掃除も機械化したことで作業を簡素化しました。

新しい製品・サービス:新型エコカッターを開発しました。先端破砕力、中央切断力、1時間処理量のいずれも従来のエコカッターを上回り、2024年から発売します。新商品の発売に合わせた増産も見込んでいます。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • ショットブラストマシン大型ハンガータイプ、HDF-20N、株式会社ニッチュー製設備の種類:めっき・表面処理

事業の効果

  • 仕上げ工程の担当人数 2名→1名

切断機および掴み機の製造において、年間1,666時間程度の労働時間を削減できるようになりました。グラインダー作業の機械化により生産性が上がり、熟練工が溶接・組立作業に集中できるようになりました。

グラインダーの刃物代も節約できています。生産能力が増強されたことで、これまで受注を抑えていた案件の機会損失を防ぐことが可能になりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.2 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性過去のエコカッター開発・改良の経緯を踏まえ、新型エコカッター開発と増産を事業計画に位置づけており、一貫性が明確である。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性ニッチトップのオリジナル製品で他社が真似できないと明記し、災害廃棄物需要の高まりという外部環境と強みを結びつけている。
  • 4
    課題の認識と解決グラインダー仕上げの手作業負担と短納期要求を課題と捉え、機械化で生産能力と納期の問題を解消する計画になっている。

もう一歩だった観点

  • 2
    事業化までの道筋2024年発売やの増産計画は触れられているが、導入スケジュールや工程ごとの実施方法は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    過去のエコカッター開発・改良の経緯を踏まえ、新型エコカッター開発と増産を事業計画に位置づけており、一貫性が明確である。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ニッチトップのオリジナル製品で他社が真似できないと明記し、災害廃棄物需要の高まりという外部環境と強みを結びつけている。

  • 課題の認識と解決4

    グラインダー仕上げの手作業負担と短納期要求を課題と捉え、機械化で生産能力と納期の問題を解消する計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標3

    年間約1,666時間の労働時間削減と熟練工から若手への工程移管が示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練工と若手が仕上げ工程を担当してきた体制や、既存の生産体制を踏まえた導入であり、遂行体制の記載がある。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客からの生産能力向上・短納期の要望、塩害耐性や長寿命化などのニーズを整理し、製品の選ばれる理由も示している。

  • 事業化までの道筋2

    2024年発売やの増産計画は触れられているが、導入スケジュールや工程ごとの実施方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    塩害に強く塗装が剥がれにくい高品質な新製品を開発し、同分野で高付加価値化を図る内容になっている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用4

    災害時の産業廃棄物処理を迅速化し、被害想定地域の自治体へ普及させることで地域防災に貢献すると述べている。

  • 費用対効果2

    削減時間や熟練工の負担軽減には触れるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    ショットブラストによる自動表面処理を導入し、サプライチェーン上の生産能力向上と災害対応に貢献する点が示される。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    環境装置市場の拡大に触れているが、日本経済の構造転換への寄与までは書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    高知県の南海トラフ津波想定地域で防災に取り組む地域特性を活かし、地域貢献を掲げている。

今後の展望

環境装置全体の市場は拡大傾向にあり、ターゲット市場の伸びが期待できます。異常気象により水害廃棄物が増えており、アタッチメント式切断機の需要が高まっています。

当社の製品は他社が真似できないニッチトップ製品であり、強みを生かして顧客ニーズに応えていきます。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。