持続化補助金の採択後の手続き|実績報告・中古品の条件と入金までの流れ
この記事の要点
持続化補助金は採択後に見積書を出し、交付決定を受けてから発注します。採択された小規模事業者向けに、支払いのルール、中古品の条件、実績報告の期限と書類、確定から入金までの流れを第20回公募要領でまとめます。
この記事の目次
持続化補助金は、採択されただけでは発注できず、見積書を出して交付決定(事務局から「この内容で補助します」と正式に通知されること)を受けてから事業を始めます。
第20回の補助事業は2028年3月31日(金)までに支払いまで終え、終了から30日後か2028年4月10日(月)の早いほうまでに実績報告を出します。
中古品は単価50万円(税抜き)未満で、2者以上の中古品販売事業者の見積があるときだけ補助対象です。
持続化補助金に採択されたものの、次に何を出せばよいのか、いつ入金されるのかが見えずに手が止まっている小規模事業者の方に向けた記事です。採択から交付決定、支払いのルール、中古品の条件、実績報告の期限と書類、入金までの流れを、第20回の公募要領(第8版、2026年7月21日)と事務局の手引きをもとに順番にまとめます。
持続化補助金の採択後は何をする?入金までの7つの手順
持続化補助金の採択後は、見積書の提出、交付決定、事業の実施と支払い、実績報告、補助金額の確定、精算払請求、入金の順に進みます。補助金は後払いなので、経費はいったん全額を自社で支払います。
採択後の手続きを、誰が何をするかの順に並べた表です。
| 順番 | 手続き | やる人 | 目安・期限(第20回) |
|---|---|---|---|
| 1 | 見積書等(相見積を含む)の提出 | 補助事業者 | 採択発表後すぐ。期限は2028年2月29日(火) |
| 2 | 交付決定通知書の受領 | 事務局 | 採択発表から概ね1〜2か月 |
| 3 | 発注・納品・支払い | 補助事業者 | 交付決定日から2028年3月31日(金)まで |
| 4 | 実績報告書(様式第8)の提出 | 補助事業者 | 終了から30日後か2028年4月10日(月)の早いほう |
| 5 | 補助金額の確定通知 | 事務局 | 実績報告の確認後 |
| 6 | 精算払請求書(様式第9)の提出 | 補助事業者 | 確定通知の受領後 |
| 7 | 補助金の入金と、1年後の事業効果報告 | 事務局/補助事業者 | 報告は終了から1年後の状況を提出 |
第20回の採択発表は2027年3月頃の予定です。日付は第20回の数字で、締切、実施期間、補助上限、補助率は公募回ごとに変わるため、最新の公募要領で確認が必要です。数字の根拠は公募要領の台帳にまとめています。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版 p.4『事業概要』
採択から交付決定までに出すのは見積書です
採択後は、申請時に計上したすべての経費について見積書を出し、事務局の確認を経て交付決定を受けます。採択通知書だけでは発注も契約もできません。
交付決定までの期間は、見積書を速やかに出した場合でも採択発表から概ね1〜2か月かかる場合がある、と公募要領に書かれています。第20回は見積書等の提出期限が2028年2月29日(火)で、期限までに出さないと採択取消しになります。
見積書で止まりやすい点
- 発注総額が1件50万円(税込)を超える経費は、2者以上から見積を取り、安いほうを選びます。
- 見積の中身が「一式」「諸経費」のような書き方だと認められません。第19回受付締切分の補助事業の手引き(第3版)では、「等」「他」も不明確な記載の例に挙がっています。
- 申請書に対象外経費が入っていたら、事務局の指示どおりに外して出し直します。対応が遅れると、採択されても交付決定できないことがあります。
交付決定の前に発注した経費は対象外です。例外は展示会等への出展の申込みだけで、この場合も請求書の発行日が交付決定日以後である必要があります。くわしくは交付決定前の発注がNGな理由で扱っています。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版 p.25『10.補助事業者の義務(採択後に遵守すべき事項)』
補助事業期間中の支払いは銀行振込が原則です
補助対象になるのは、交付決定日以降に発生し、補助事業期間中に支払いが終わり、証拠書類で金額を確かめられる経費だけです。支払い方法は銀行振込が原則です。
支払い方法ごとの扱いを並べた表です。
| 支払い方法 | 扱い | 気をつける点 |
|---|---|---|
| 銀行振込 | 原則の方法 | 振込手数料は対象外 |
| 現金 | 1取引10万円(税抜き)超は対象外 | 旅費や代金引換限定のサービスなどは例外 |
| 会社名義のクレジットカード | 対象になりうる | 口座からの引き落としが期間内に終わっていること |
| 代表者・従業員の個人カード | 立替払いとして扱う | 帳簿等で確認できないと対象外 |
| 小切手・手形・相殺 | 対象外 | 売掛金と買掛金の相殺も不可 |
| ポイント・クーポン・商品券 | 対象外 | カード会社から付与されたポイントでの支払いも含む |
分割払いやリボ払いは、最後の引き落としが補助事業期間内に済んでいないと対象外になります。2028年3月31日(金)に納品と支払いを済ませても、カードの引き落としが4月なら対象外になる、という順番の問題です。
経費は補助事業用に区分して経理し、見積書、発注書、納品書、請求書、振込の控えを1件ずつそろえておきます。課税事業者は、消費税を除いた金額で補助対象経費を計算します。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版 p.22『7.(6)経費の支払方法について』
中古品は単価50万円未満と2者見積が条件です
中古品は、購入単価が50万円(税抜き)未満で、2者以上の中古品販売事業者から同等品の見積を取ったときだけ、機械装置等費として補助対象になります。
中古品の条件をまとめると次のとおりです。
- 購入単価が50万円(税抜き)未満であること。50万円以上の中古品を分けて買い、1回あたりを50万円未満にした場合は、その中古品全体が対象外です。
- 見積は金額に関係なく2者以上から取ります。新品は発注総額が1件50万円(税込)を超えるときに2者見積が求められますが、中古品は数万円でも2者です。
- 見積先は中古品販売事業者に限ります。個人からの購入と、インターネットオークションを含むオークションでの購入は対象外です。
- 見積が取れない理由書を出して1者から買う方法(随意契約)は、中古品では認められません。
- 修理費用は対象外です。買った中古品が故障して計画の取組に使えなかった場合も対象外になります。
複数の見積書は、交付決定前の見積書提出のときと、実績報告書の提出のときの2回添付します。例えば中古の業務用冷凍庫を1台30万円(税抜き)で買う場合でも、中古厨房機器の販売店2社から同じクラスの見積を取り、両方を保管しておく流れです。
中古か新品かにかかわらず、パソコン、タブレット、事務用プリンター、自動車など汎用性が高い物は対象外です。対象になる経費の全体は持続化補助金の補助対象経費一覧で確認できます。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版 p.13『7.(3)①機械装置等費』
実績報告はいつまでに、何を出す?
実績報告書(様式第8)は、補助事業が終わった日から30日を経過した日と、回ごとの提出期限の早いほうまでに、電子申請システムで提出します。ここでいう「終わった日」は、経費の支払いまで済んだ日です。
第20回の公募要領に載っている、受付締切回ごとの実施期間と報告期限の表です。
| 受付締切回 | 補助事業実施期間 | 実績報告書の提出期限 |
|---|---|---|
| 第17回 | 交付決定日から2026年7月31日(金)まで | 2026年8月10日(月) |
| 第18回 | 交付決定日から2027年2月26日(金)まで | 2027年3月10日(水) |
| 第19回 | 交付決定日から2027年6月30日(水)まで | 2027年7月10日(土) |
| 第20回 | 交付決定日から2028年3月31日(金)まで | 2028年4月10日(月) |
例えば第20回で2027年10月15日にすべての支払いが終わったら、提出期限は30日を経過した日(11月中旬)になり、2028年4月10日(月)ではありません。期限までに提出が確認できないと、交付決定が取り消されます。
実績報告で求められる書類
第19回受付締切分の補助事業の手引き(第3版)では、経費の流れを見積、発注・契約、納品・検収、請求、支払、成果物の順に追える書類を求めています。
- 見積書(日付、発行者、品名、数量、金額が分かるもの)と相見積
- 発注書や契約書(日付が交付決定日以降のもの)
- 納品書や完了報告書
- 請求書と、振込の控えなど支払いを確かめる書類
- 成果物の写真、チラシの配布先リストなど、取組を実施した証拠
機械装置等は納品前と納品後の写真、送り状の写真を撮り、本体と付属品に「第20回持続化」の表示をシールやマジックで付けます。賃金引上げ特例を使った場合は、実施期限日を終点とした12か月分の賃金台帳も出します。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版 p.25『9.補助事業実施期間等』
確定検査から入金までの流れ
実績報告を出すと、事務局が書類を確かめて補助金額を確定し、確定通知書が届いたら精算払請求書を出して入金を待ちます。入金までの日数の目安は、公募要領にも事務局サイトにも書かれていません。
流れを順に書くと次のとおりです。
- 事務局が実績報告書と証拠書類を確認する(確定検査)。不備や不足があれば修正や追加書類を求められる。
- 確認が終わると、補助金の額を記した確定通知書が届く。
- 精算払請求書(交付規程・様式第9)に入力し、振込先口座が分かる資料を添付して出す。
- 事務局から補助金が振り込まれる。
振込先は交付決定を受けた事業者本人の名義の口座に限られます。商工会議所地区の事務局サイトでは、金融機関名、金融機関コード、支店名、支店コード、預金種別、口座番号、口座名義(カタカナと正式名称)の8項目が確認できる資料として、通帳の表紙と1・2ページ目の見開きなどを挙げています。
補助事業が終わる前に補助金を受け取る概算払いは、持続化補助金では認められていません。補助金が届くまでの期間は自己資金か借入れでまかなう計画にしておきます。制度ごとの入金時期と資金繰りの考え方は補助金はいつ入金される?で扱っています。
確定額が交付決定額より少なくなることもあります。実績報告の時点で要件を満たしていないと判断された経費は減額され、交付決定を取り消す場合もあります。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版 p.26『10.補助事業者の義務(採択後に遵守すべき事項)』
よくある差し戻しと対策
手引きと公募要領に挙がっている差し戻しや対象外の例は、日付の順番、支払い方法、書類の書き方に関するものです。事業を始める前に、発注から支払いまでの書類の形を決めておくと防ぎやすくなります。
手引きと公募要領に挙がっている例と、その対策を並べた表です。
| 差し戻し・対象外になる例 | 対策 |
|---|---|
| 発注日や契約日が交付決定日より前 | 交付決定通知書の日付を確かめてから発注書を出す |
| カードの引き落としが実施期限より後 | 最後の支払いは期限の1か月以上前に済ませる |
| 領収書の宛名が補助事業者名と違う、但し書きが「お品代」 | 宛名は交付決定を受けた名義に統一し、品名を具体的に書いてもらう |
| 見積書が「一式」「諸経費」 | 品名、数量、単価が分かる内訳を出してもらう |
| 買った物を計画の取組に使った記録がない | 使用状況の写真や配布先リストを期間中に残す |
| 計画にない経費を事後に追加した | 変更は事前に承認を受けてから実施する |
計画を変えたいときは事前承認
交付決定後に経費の配分や内容を変える場合、事業を中止・廃止する場合は、事前に事務局の承認を受けます。計画に書いていない新しい費目の追加は原則認められず、業務効率化(生産性向上)の取組の経費は変更手続きで後から加えることができません。
第19回受付締切分の手引き(第3版)では、流用元か流用先の経費の額が20%を超えて動く場合に変更承認申請が必要とされています。異常気象による激甚災害、火事、地震など自社の責任によらない事由で期限に間に合わない場合は事故報告書(様式第6)を出し、延長は原則最大1か月です。
GビズIDの登録情報が古いまま採択された場合、情報を最新にしないと補助金の額の確定を受けられません。住所や代表者が変わったら、GビズIDの登録情報を先に更新しておきます。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版 p.20『7.(4)補助対象外となる経費』
この補助金のポイント
採択後の手続きが滞りなく進むのは、申請の段階で見積の根拠と支払いの段取りまで決めてある事業者です。申請時の経費の組み方が、そのまま交付決定と実績報告の書類につながります。
向いている会社
実施期限までに発注、納品、支払い、成果の記録を終えられる段取りがあり、補助金が入るまでの立替え資金を用意できる小規模事業者に向いています。補助金は後払いで、経費の全額を一度自社で払うためです。
採択されるために効く点
公募要領の計画審査には「積算の透明・適切性」があり、事業費の計上が正確で明確か、真に必要な金額かが見られます。申請前に見積を取り、品名と数量まで分かる形で経費を組んでおくと、審査でも採択後の見積書提出でも同じ数字を使えます。
計画審査では、補助事業で取得した資産を終了後も使い続けて事業に役立てることが明確かも見られます。中古品を入れる場合は、何年使う想定か、どの売上につながるかを計画に書いておくと説明がつながります。
よくある失敗
- 採択通知を受け取った時点で発注してしまう
- 中古品を1者見積やネットオークションで買う
- カードの引き落としが期限後になる
- 終了から30日の期限を見落とし、回ごとの最終期限まで余裕があると思い込む
入金で終わりではありません。補助事業の終了から1年後の状況を「事業効果および賃金引上げ等状況報告書」(様式第14)で報告し、これを出していないと次の持続化補助金に申請できません。単価50万円(税抜き)以上の機械装置等は処分制限財産となり、処分には事前承認が要ります。関係書類は事業終了の年度の終了後5年間保存します。
採択後に減額や返還になるケースは採択後に減額・返還になるケースでまとめています。
出典:小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版 p.34『12.採択審査』
よくある質問
中古品の購入も補助対象になる?
条件を満たせば補助対象になります。購入単価が50万円(税抜き)未満で、2者以上の中古品販売事業者から同等品の見積を取ることが条件です。個人からの購入やオークションでの購入、修理費用は対象外です。
実績報告はいつまでに、何を出す?
補助事業が終わった日から30日を経過した日と、回ごとの提出期限の早いほうまでに出します。第20回の最終期限は2028年4月10日(月)です。実績報告書(様式第8)に、見積書、発注書、納品書、請求書、支払いの証拠、成果物の写真などを添えて電子申請システムで提出します。
採択されたらすぐに発注していい?
発注できるのは交付決定日からです。採択通知書の段階では見積書を出すだけで、発注、契約、支払いはできません。交付決定前の発注は、展示会等の出展申込みを除いて補助対象外です。
現金やクレジットカードで払ってもいい?
銀行振込が原則で、1取引10万円(税抜き)を超える現金払いは対象外です。クレジットカードは事業者名義で、引き落としが補助事業期間内に終わっていれば対象になりえます。代表者の個人カードは立替払いとして扱われ、帳簿等で確認できないと対象外です。
補助金はいつ入金される?
実績報告の後、確定通知書を受け取って精算払請求書を出してから振り込まれます。入金までの日数の目安は公式資料に示されていません。事業が終わる前に受け取る概算払いもないため、入金までの資金を見込んでおきます。
補助事業の期間は延ばせる?
自社や取引先の都合では延ばせません。第19回受付締切分の手引き(第3版)では、火事や地震など自社の責任によらない事由のときに事故報告書を出し、延長は原則最大1か月とされています。申請時に分かっていた事情による遅れも延長の対象外です。
補助金に税金はかかる?
かかります。補助金は額の確定を受けた事業年度の収益として計上し、法人税・所得税の対象です。固定資産を取得した場合は圧縮記帳を使える場合があり、補助金採択後の圧縮記帳で扱っています。
ほかの質問はよくある質問(小規模事業者持続化補助金)にまとめています。
まとめ
採択後の手続きは、交付決定日、支払い完了日、実績報告の期限という3つの日付の順番を守れるかで結果が変わります。採択されたら、交付決定日と実施期限をカレンダーに入れ、中古品を含む経費の見積を2者以上からそろえるところから始めます。使えるか・採択されるか、採択後の進め方に不安がある場合は、専門家がお答えします。
参考資料
- 小規模事業者持続化補助金事務局(商工会地区)<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版(2026年7月21日)
- 小規模事業者持続化補助金事務局(商工会議所地区)<一般型 通常枠>第20回 公募要領 第8版(2026年7月21日)
- 小規模事業者持続化補助金事務局(商工会議所地区)補助事業の手引き 第19回受付締切分 第3版(2026年7月29日)
- 小規模事業者持続化補助金事務局(商工会議所地区)実績報告
- 小規模事業者持続化補助金事務局(商工会議所地区)精算払い請求
- 小規模事業者持続化補助金事務局(商工会地区)
確認日:2026年10月13日
中小企業診断士 神谷 恒一が内容を確認しました(2026年10月13日)。
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