補助金の確定通知書とは?届く時期と金額の決まり方・届いた後の手続き
この記事の要点
補助金の確定通知書は、実績報告の審査が終わり、受け取れる額が決まったことを知らせる書面です。届くまでに時間が延びる場面、確定額が交付決定額より減る仕組み、届いた後に出す精算払請求と確定後も続く手続きを交付規程で整理しました。
この記事の目次
補助金の確定通知書とは、実績報告の審査が終わり、実際に受け取れる補助金の額が決まったことを知らせる書面です。届くのは実績報告を出して事務局の審査と、必要なら現地調査が終わった後で、何日で届くかを公表している制度はありません。
確定額は「認められた経費×補助率」と「交付決定額」の低いほうで、交付決定額より増えることはありません。届いたら精算払請求書を出して、初めて入金の手続きが始まります。
実績報告を出した後、確定通知書がいつ届くのか、書かれた金額がなぜ交付決定額と違うのか、届いたら何をすればよいのかを知りたい方に向けた記事です。
持続化補助金、省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、成長加速化補助金の交付規程と公募要領から、額の確定の手続きに絞って整理します。
確定通知書は受け取れる額が決まった知らせ
確定通知書は、事務局が実績報告書と証拠書類を確かめ、補助金の額を確定したときに送る通知です。持続化補助金の交付規程では、額の確定を「第19条(補助金の額の確定等):事務局は実績報告書を審査し、必要に応じて現地調査をして、交付決定の内容と条件に合っていれば交付額を確定して通知する。」と定めています1。
交付決定通知書とは、事業を始める前に「この経費の範囲で、この額まで補助する」と約束する書面です。確定通知書は、事業を終えた後に「実際に使った経費から、この額を払う」と決める書面で、2つは役割が違います。
| 書面 | 届く時期 | 決まること |
|---|---|---|
| 交付決定通知書 | 交付申請の審査の後、事業を始める前 | 補助の上限額と、対象になる経費の範囲 |
| 確定通知書 | 実績報告の審査(必要なら現地調査)の後 | 実際に支払われる補助金の額 |
採択から入金までの全体の流れと、入金までの資金の用意は補助金はいつ入金される?で取り上げています。
確定通知が届くまでの時間が延びる場面
確定通知が届くまでの日数は、どの制度の公募要領や交付規程にも書かれておらず、実績報告の中身と事務局とのやり取りの回数で変わります。延びやすいのは次の4つの場面です。
- 実績報告の不備:証拠書類の欠けや金額の食い違いがあると、直して出し直すまで審査が止まります。
- 現地調査:省力化投資補助金の交付規程は額の確定で「第19条(補助金の額の確定等):実績報告の審査と必要に応じた現地調査で額を確定し通知する。払い過ぎがあれば返還命令(命令日から20日以内、遅れると年10.95%の延滞金)。完了後5年間は確定後でも現地調査がある。」としており、設備や帳簿を現地で確かめる分だけ時間がかかります。
- GビズIDの情報が古い:持続化補助金の創業型は「GビズIDの登録情報が古い場合は更新してから申請する。更新せず採択されると最新化しなければ補助金の額の確定を受けられない」としています。
- 計画変更の手続き漏れ:承認を受けずに経費の中身を変えていると、その経費の扱いを確かめる問い合わせが入ります。
実績報告を出す前に、経費1件ごとに見積書・発注書・納品書・請求書・振込の控えがそろっているかを確かめておくことが、確定を早めるいちばんの近道です。持続化補助金の実績報告の書類は持続化補助金の採択後の手続きで取り上げています。
確定額が交付決定額より減る仕組み
確定額は、実績報告で認められた経費に補助率をかけた額と、交付決定額の低いほうで決まります。経費が予定より少なかったり、一部が認められなかったりすると、交付決定額より減ります。
| 制度 | 確定額の決まり方 |
|---|---|
| 持続化補助金(通常枠) | 様式第2(交付決定通知書):確定額は、実績報告の審査で認められた補助対象経費の3分の2(賃金引上げ特例の赤字事業者は4分の3)と交付決定額の低いほう。確定時に要件や上乗せの要件を満たさないと判断されると0円で確定する。 |
| デジタル化・AI導入補助金(通常枠) | 様式第1(交付決定通知書):補助金の確定額は、実際の支出額に補助率を掛けた額と、交付決定された補助金の額(変更されたときは変更後の額)のいずれか低い額になる。 |
| 成長加速化補助金 | 様式第2(交付決定通知書):補助金の額は、経費区分ごとの実支出額×補助率と、区分ごとの補助金額のいずれか低い額の合計で確定する |
出典:持続化補助金 通常枠 交付規程・2026年3月改定 p.14『様式第2 交付決定通知書』
持続化補助金では、賃金引上げ特例やインボイス特例の要件を満たさないと判断されると0円で確定する、と交付決定通知書の様式に書かれています。特例を使った会社は、上乗せ分だけでなく全体が対象外になる点に気をつけます。減額や返還になる場面は採択後に補助金が減額・返還になるケースでまとめています。
確定通知が届いたら出す精算払請求
確定通知が届いたら、精算払請求書を事務局に出します。請求書を出さない限り、確定した補助金は振り込まれません。
持続化補助金の精算払請求書(様式第9)には、「様式第9(精算払請求書):振込先の金融機関名・コード・支店名・支店コード・預金種別・口座番号・名義(カタカナ)の7項目が載った通帳ページのコピーを添付する。」とされています2。口座の名義が申請者と違う、カタカナの名義が読めないといった不備でも手続きが止まります。
デジタル化・AI導入補助金では、額の確定のときに請求の意思を示さないことが、交付決定の取消しの理由として交付規程に挙げられています。確定通知の連絡が届いたら、申請マイページなど指定された方法ですぐに手続きします。圧縮記帳など受け取った後の会計処理は補助金の圧縮記帳とはで取り上げています。
額の確定の後も続く3つの手続き
額が確定して入金されても、消費税の返還、税金の計上、事業の報告と財産の管理の3つの手続きが続きます。
- 消費税の返還:「第21条(消費税等仕入控除税額の確定に伴う補助金の返還):事業完了後の消費税申告で仕入控除税額が確定したら、報告書(様式第10)ですぐに報告し、その全部または一部の返還を命じられる。」。補助対象経費に消費税を含めて申請した課税事業者が当たります。
- 税金の計上:持続化補助金の公募要領は「補助金は額の確定を受けた事業年度の収益として計上し、法人税・所得税の課税対象」と書いています。確定通知の日付が決算をまたぐかどうかで、計上する年度が変わります。
- 報告と財産の管理:事業効果の報告が続き、補助金で買った高額の設備は、決められた期間は事務局の承認なしに売ったり捨てたりできません。
省力化投資補助金の交付規程は、完了後5年間は額の確定後でも現地調査があるとしています。成長加速化補助金の交付規程も、証拠書類を報告の年度の終了後5年間保存するよう求めています3。報告や返還の決まりは成長加速化補助金の採択後の流れでも確かめられます。
専門家から見た額の確定のポイント
確定額が交付決定額どおりになるかは、経費の数と種類でほぼ決まり、証拠をそろえる件数が多い計画ほど減額の芽が増えます。採択事例でも、持続化補助金では広報費59.3%、ウェブサイト関連費32.7%、委託・外注費12.9%と、複数の経費を組み合わせる計画が一般的です。
新事業進出・ものづくり補助金の採択事例97件では、建物費を使った事例が12.4%あります。建物や大きな設備は現地での確認が入るため、図面と完成写真、検収の記録まで残すことが確定を早めます。
確定額が減りやすい会社
チラシ、看板、サイト、機械と、小口の経費を多く計上した会社です。1件ずつは小さくても、振込の控えや成果物の写真が1枚欠けるだけでその経費が外れます。発注のたびに書類を1つのフォルダにまとめると、確定での減額を防げます。
交付決定額どおりに確定しやすい会社
経費が1〜2件にまとまり、見積どおりの金額で発注・支払いを済ませた会社です。交付決定の後に仕様や金額を変えていなければ、確定の審査で問われる点が少なくなります。
制度ごとの採択事例の経費は採択事例のデータで確かめられます。
間違えやすい点
確定通知で間違えやすいのは、確定額の増え方、精算払請求の時期、税金の計上の年度の3つです。
経費が予定より多くかかっても、確定額が交付決定額を上回ることはありません。増えた分は御社の負担になります。
確定通知が届いただけでは入金されません。精算払請求書を出すまで振込の手続きは始まらないので、通知を受けたらすぐに請求します。
補助金を収益に計上する年度は、制度の決まりと会計処理によって変わります。入金の日だけで判断せず、確定通知の日付を税理士に伝えて確かめます。
確定と入金の後の会計処理は補助金の圧縮記帳とはでも取り上げています。
よくある質問
確定通知書は郵送で届きますか?
制度によって違います。デジタル化・AI導入補助金や省力化投資補助金は、申請システムや電子メールで通知することが交付規程に書かれています。持続化補助金も電子申請をした場合は電子での手続きになります。
確定額に納得できない場合はどうすればよいですか?
まず事務局に、どの経費が認められなかったかを確かめます。証拠書類の不足が理由なら、追加の書類で認められることがあります。
確定通知が来る前に精算払請求書を出せますか?
出せません。精算払請求は、額の確定の後に行う手続きです。
確定した後に返還を求められることはありますか?
ほかの質問も見る補助金のよくある質問出典(3件)
- 持続化補助金 通常枠 交付規程・2026年3月改定 p.5『第19条 補助金の額の確定等』(公募要領の台帳)
- 持続化補助金 通常枠 交付規程・2026年3月改定 p.28『様式第9 補助金精算払請求書』(公募要領の台帳)
- 成長加速化補助金 3次 交付規程 p.6『第17条 実績報告』(公募要領の台帳)
参考資料
- 全国商工会議所「持続化補助金 通常枠 交付規程(2026年3月6日改定)」
- 全国商工会議所「持続化補助金 通常枠 第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区)」
- 全国商工会議所「持続化補助金 創業型 第4回 公募要領 第8版」
- 中小企業基盤整備機構「省力化投資補助金 交付規程(一般型・カタログ注文型共通)」
- 中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 交付規程(第7回からの改訂版)」
- 中小企業基盤整備機構「成長加速化補助金 3次 交付規程」
- 公募要領の台帳(持続化補助金)
- 公募要領の台帳(省力化投資補助金)
- 公募要領の台帳(デジタル化・AI導入補助金)
- 公募要領の台帳(成長加速化補助金)
確認日:2026年10月17日
専門家が内容を確認しました(2026年10月17日)
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