務効率化のための設備、厨房機器、製造機械、POSレジ——。こうした設備投資も、補助金を活用すれば費用の1/2〜2/3を抑えられます。
「機械装置等費って補助金で使えるの?」と思っている方は多いですが、複数の補助金で対象経費として明確に認められています。この記事では、2026年に使える機械装置等費対応の補助金を5つ厳選して解説します。
目次
「機械装置等費」として補助されるものは何か?
補助金における「機械装置等費」には、主に以下のようなものが含まれます(補助金の種類によって範囲が異なります)。
– 厨房機器(オーブン・フライヤー・冷蔵設備など)
– 製造機械・加工機械
– 業務用POSレジ・セルフレジ
– 倉庫管理・労務管理などの業務効率化ソフトウェア
– 工具・器具・計測機器
– 店舗の販売・接客に使う専用機器
ただし以下は補助対象外になるケースがほとんどです。パソコン・タブレット・Wi-Fiルーターなどの汎用品、自動車・軽トラックなどの車両(一部例外あり)、通常の生産活動のための単なる設備更新、消耗品・文房具類などが該当します。あくまで「補助事業計画に基づく販路開拓・業務効率化のための設備」であることが前提です。
機械装置に使える補助金まとめ
今年、機械装置費に使える主な補助金は以下の通りです。それぞれ解説します。
- 小規模事業者持続化補助金
- ものづくり補助金
- 中小企業事業進出補助金
- デジタル化・AI導入補助金
- 地方自治体の補助金
① 小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、ものづくり補助金・新事業進出補助金・デジタル化・AI導入補助金と並び、通年で公募が行われている補助金です。年3〜4回の公募サイクルで実施されており、申請のチャンスが複数あります。
補助上限額は最大250万円(インボイス・賃上げ等の特例要件を満たした場合)、補助率は2/3〜最大3/4。小規模事業者にとって、自己負担を抑えて新しい挑戦ができる大きなチャンスです。令和8年度の予算規模は総額3,400億円にも上り、毎年約3万件以上の応募があります。
小規模事業者の販路開拓を支援する補助金で、広報費は主要な対象経費のひとつです。チラシ・カタログ・看板・新聞雑誌広告・デジタルサイネージ広告など、幅広い広告宣伝活動が対象になります。
詳しくはこちら:【2026年】小規模事業者持続化補助金の最新情報を解説!
計上できる対象経費
- 厨房機器・調理機器(新メニュー・新サービス展開に必要なもの)
- 業務効率化のためのPOSレジ・セルフレジ
- 倉庫管理・受発注・労務管理ソフトウェア
- 販路開拓に必要な専用機器・工具・器具
- 新商品開発・試作に必要な製造機器
注意点: パソコン・タブレット・Wi-Fiなど汎用品は対象外。単純な設備の取り換え・更新(販路開拓に繋がらないもの)も対象外です。単価50万円(税抜)以上は「処分制限財産」に該当し、補助事業終了後も一定期間の処分が制限されます。100万円(税込)超の場合は2者以上の相見積りが必要です。
小規模事業者持続化補助金の申請枠
「自社はどの枠が最適かわからない」という方は、無料で確認できるガイドブックもご用意しています。最も選択されるのは「通常枠」ですが、追加要件を満たせば「賃金引上げ枠」や「創業枠」などの特別枠にも申請できます。能登半島地震の被災事業者の方はより優遇して補助を受けられる「災害支援枠」に申請できます。
詳しくはこちら:持続化補助金の申請枠(通常枠・特別枠)を徹底比較
持続化補助金の補助対象経費
持続化補助金では、事業計画に必要な経費のみが補助対象となります。補助対象経費は以下の13区分に分かれており、いずれかに該当する必要があります。
機械装置等費(業務効率化設備・厨房機器・製造機械など)
→機械装置費が補助される補助金はこちら- 広報費(チラシ・パンフレット・広告運用・Web広告など)
→広報費が補助される補助金はこちら - 展示会等出展費(展示会出展料・ブース設営費など)
→展示会出展が補助される補助金はこちら - 旅費(販路開拓に必要な出張費など)
- 開発費(試作品開発・パッケージ試作など)
→開発費が補助される補助金はこちら - 資料購入費(専門書籍・市場調査資料など)
- 雑役務費(アルバイト・臨時スタッフ費用など)
→人件費が補助される補助金はこちら - 借料(機器レンタル・会場利用料など)
- 専門家謝金(専門家への相談費用など)
- 専門家旅費(専門家派遣に伴う交通費など)
- 設備処分費(設備更新に伴う既存設備の処分費)
- 委託費(HP・システム開発・調査委託など)
→ホームページが補助される補助金はこちら - 外注費(Web制作・動画制作・キッチンカーなど)
キッチンカーが補助される補助金はこちら
詳しくはこちら:【2026年最新】小規模事業者持続化補助金の補助対象経費を詳しく解説
② ものづくり補助金
ものづくり補助金は、小規模事業者持続化補助金・新事業進出補助金・デジタル化・AI導入補助金と並び、通年で公募が行われている補助金です。
正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」。製造業だけでなく、飲食業・小売業・サービス業など全業種の中小企業が対象です。「広告宣伝・販売促進費」が対象経費のひとつとして明記されており、新製品・新サービス開発に伴う販売促進費を計上できます。
計上できる主な対象経費
・生産性向上のための製造機械・加工機械
・新製品・新サービス開発に必要なシステム・設備
・省力化・自動化のためのロボット・機械設備
・業務改善に直結するソフトウェア・システム構築
注意点: 単価50万円(税抜)以上の設備投資が必須要件。設備投資なしの申請は認められません。
ものづくり補助金の申請枠
ものづくり補助金第24次には、革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化を目指す「製品・サービス高付加価値化枠」と、海外事業の実施による国内の生産性向上を目指す「グローバル枠」の2つあります。それぞれの対象や補助率・補助上限、対象経費は以下の通りです。
ものづくり補助金は2026年度の公募をもって終了します。現在は後継制度として「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」がスタートしています。
③中小企業新事業進出補助金
新市場・新事業への進出費用として広告宣伝費を大規模に活用
新市場への参入や高付加価値事業への進出に取り組む中小企業を支援する補助金です。「広告宣伝・販売促進費」が対象経費として明記されており、新事業立ち上げに伴う大規模な広告投資を補助対象にできます。

機械装置等費として計上できる主な経費
- 新事業立ち上げに必要な製造機械・専用機器
- 新市場参入のための設備・システム
- 新サービス提供に必要な業務機器一式
注意点: 「新事業への進出」という事業目的との整合性が審査されます。既存事業の単純な広告費計上では採択されにくいため、新市場・新事業への進出計画の一環として位置づけることが重要です。
ものづくり補助金は2026年度の公募をもって終了します。現在は後継制度として「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」がスタートしています。
④ デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)とは、中小企業・小規模事業者のDXや業務効率化を支援するために実施されている国の補助金制度です。正式名称は「サービス等生産性向上IT導入支援事業」で、中小企業庁が推進しています。

この補助金では、会計ソフトや受発注システム、顧客管理(CRM)、在庫管理、ECサイト、セキュリティ対策ツールなど、さまざまなITツール導入費用の一部が補助対象となります。近年では、生成AIやAIチャットボット、RPAなどを活用した業務自動化・省力化の取り組みにも注目が集まっています。
機械装置等費として計上できる主な経費
- インボイス対応のレジ・タブレット端末(ソフトウェアと併用する場合)
- AI機能搭載の業務管理システムと連携するハードウェア
注意点: ハードウェア単体での申請は不可。必ず対象ソフトウェアとセットでの申請が必要です。
⑤ 地方自治体の広告・販促支援助成
国の補助金に加え、都道府県・市区町村レベルでも機械装置費を支援する助成制度が存在します。国の補助金と併用できるケースもあり、地域事業者にとって見逃せない制度です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 制度により異なる |
| 対象 | 東京都内に拠点のある中小企業 |
| 申請窓口 | 東京都中小企業振興公社 |
大阪府の例:大阪府利益率向上・賃上げ支援補助金
府内中小企業の販路開拓・広告宣伝を支援する制度。機械装置日費が対象になる場合があります。
活用のポイント: 地方自治体の助成制度は国の補助金と重複申請できるものも多く、「国の補助金×自治体の助成金」の組み合わせで自己負担をさらに下げることが可能です。お住まいの都道府県・市区町村の公式サイトで最新情報を確認してください。
機械装置の対象経費例
- 業務効率化のための機械・設備(自治体により異なる)
- 製造・加工機器の導入費用
5つの補助金 比較まとめ
| 補助金名 | 補助上限 | 補助率 | 機械装置等費の扱い | 対象規模 |
|---|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 最大250万円 | 2/3〜3/4 | 主要対象経費 | 小規模事業者・個人 |
| ものづくり補助金 | 最大4,000万円 | 1/2〜2/3 | 必須対象経費 | 中小企業全般 |
| 中小企業新事業進出補助金 | 最大9,000万円 | 1/2〜2/3 | 事業設備として計上可 | 中小企業全般 |
| デジタル化・AI導入補助金 | 最大450万円 | 1/2〜4/5 | ソフトとハードウェアのみ | 中小企業・個人 |
| 自治体助成(東京都等) | 制度による | 制度による | 機械・設備費として計上可 | 地域内事業者 |
どの補助金を選ぶべきか?
年間広告費が数百万円規模で、新事業・新サービスを展開する中小企業なら「中小企業新事業進出補助金」か「ものづくり補助金」を軸に、機械装置等費を計上するのが効果的です。補助上限が大きい分、設備投資の自己負担を大幅に圧縮できます。
個人事業主・小規模事業者で厨房機器やPOSレジ、業務効率化設備から始めたいなら「小規模事業者持続化補助金」がもっとも入口として使いやすい制度です。申請のハードルが比較的低く、商工会・商工会議所のサポートも受けられます。
ITツールやAI搭載ハードウェアの導入費用を抑えたいなら「デジタル化・AI導入補助金」を検討してください。ハードウェア単体での申請は対象外ですが、対象ソフトウェアとセットであれば機器の導入コストを補助できます。
いずれの補助金も、採択されてから発注・支払いが原則です。「先に機械を購入してから補助金申請」では対象外になりますので、注意が必要です。
採択率を上げる5つのポイント
① 書類不備・添付漏れをなくす
事業計画の内容だけでなく、提出書類の正確性も重要です。どれだけ良い計画でも、添付漏れや記載ミスがあると評価が下がる可能性があります。決算書・見積書・GビズID・賃上げ関連資料など、不備が起きやすい書類は提出前に複数回確認してください。申請件数が増加している今、基本的なミスをなくすだけでも差がつきやすくなっています。
② 「なぜ広報費が必要か」を事業計画とつなげる
「広告を出したいから」という理由だけでは採択されにくいのが現実です。新商品・新サービスの認知拡大が必要な理由、ターゲット顧客に届ける手段としてなぜこの広告手法なのか、広告によってどう販路が広がるのかを具体的に説明することが重要です。審査員が「この事業者にこの広報費が必要な理由」を納得できるかどうかが採否を左右します。
③ 現状課題から補助事業までをストーリーでつなぐ
採択されやすい事業計画は、「現状の課題 → 補助事業の内容 → 解決策 → 売上・顧客拡大」という流れが自然につながっています。たとえば、認知度が低い・新市場に参入したい・既存顧客への再訴求が必要といった課題に対して、今回の広報施策がどう作用するのかを論理的に説明できると、計画全体の説得力が増します。
④ 数値目標は具体的に示す
「売上アップを目指す」だけでは評価が上がりません。広報活動によってリーチ数がどう変わるか、新規問い合わせ・来店数の増加見込み、売上や顧客数の具体的な目標値まで記載することが重要です。さらに「なぜその数字が実現できるのか」の根拠を添えられると、計画の信頼性がより高まります。
⑤ 加点要素を事前に整理する
賃上げ・DX推進・創業間もないなど、各補助金には加点要素が設定されています。採択率が厳しくなっている今は、「減点を避けること」に加えて「どれだけ加点を積み上げられるか」が重要です。自社が使える加点項目を事前に整理し、申請前に商工会・商工会議所や認定支援機関に確認しておくことをお勧めします。
補助金申請の前に、まずはご相談ください
広報費・広告宣伝費への補助金活用は、事業計画の書き方と経費の計上方法次第で採択率が大きく変わります。「どの補助金が自社に合うかわからない」「事業計画書を一緒に作りたい」という方は、お気軽にご相談ください。
申請検討中・希望の方
補助金申請は膨大な時間と労力をかけても、採択されなければ一円も入ってきません。だからこそ、採択の可能性を最大限に高めるためには、“経験ある専門家の力を借りる”ことが最も合理的な選択肢です。
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よくある質問(FAQ)
Q1. パソコンやタブレットは機械装置等費として補助されますか?
原則として対象外です。パソコン・タブレット・スマートフォン・Wi-Fiルーターなどは「汎用品」として扱われ、補助事業以外でも使用できるものは機械装置等費の対象になりません。ただし、デジタル化・AI導入補助金では、対象ソフトウェアとセットであればPC・タブレット等のハードウェアも対象になるケースがあります。
Q2. 厨房機器は補助金で購入できますか?
小規模事業者持続化補助金・ものづくり補助金・中小企業新事業進出補助金で対象になるケースがあります。ただし「新メニューの開発・新サービスの提供に必要な設備」という位置づけが必要で、既存メニューのための単純な設備更新・老朽化による取り換えは補助対象外になりやすいです。「なぜこの機器が販路開拓・新事業に必要か」を事業計画で明示することが重要です。
Q3. 中古の機械を補助金で購入することはできますか?
補助金によっては中古機械も対象になります。ただしものづくり補助金の場合、中古品購入には「3社以上の中古品流通事業者から型式・年式が記載された相見積りを取得する」などの条件が課されます。購入前に必ず公募要領を確認し、条件を満たせるか確認してください。
Q4. 補助金で購入した機械は、補助事業が終わったら自由に処分できますか?
単価50万円(税抜)以上の機械装置等は「処分制限財産」に該当し、補助金の支払いを受けた後も一定期間(概ね法定耐用年数の期間)は補助事業目的外での使用・譲渡・担保提供・廃棄等が制限されます。補助事業終了後すぐに売却や廃棄を検討している場合は注意が必要です。
Q5. POSレジやセルフレジは機械装置等費として申請できますか?
業務用POSレジ・セルフレジは、販路開拓・業務効率化に直結するものとして機械装置等費で申請できるケースがあります。ただし、汎用のタブレットにアプリを入れただけのレジは「汎用品」として対象外になる場合があります。専用機器として導入するものかどうかが判断のポイントです。
Q6. 機械を購入する前に補助金の申請をしなければいけませんか?
はい。補助金は原則として「交付決定後」に発注・契約・支払いを行った経費のみが対象です。採択通知を受けた後でも、交付決定通知書が届く前に発注・購入した機械は補助対象外になります。「採択=購入してよい」ではなく、「交付決定=購入してよい」が正しいタイミングです。
参考・引用資料
本記事は以下の公式資料をもとに作成しています。
- 小規模事業者持続化補助金(全国商工会連合会)
- 小規模事業者持続化補助金(日本商工会議所)
- ものづくり補助金 総合サイト(ものづくり補助金事務局)
- 中小企業新事業進出補助金(中小企業基盤整備機構)
- デジタル化・AI導入補助金2026(中小企業庁)
- 補助金公募情報一覧(中小企業庁)
免責事項・ご注意
本記事について 本記事は、中小企業庁および各補助金事務局が公表している公式資料をもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の補助金申請の採択を保証・推奨するものではありません。
制度変更について 本記事で紹介している補助金は、公募回ごとに補助率・補助上限額・対象要件・スケジュール等が変更される場合があります。特にものづくり補助金と中小企業新事業進出補助金については、2026年度以降に制度再編が行われる可能性があります。制度内容は予告なく変更される場合があるため、申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
申請の際は必ずご確認ください
- 各補助金の公式サイトに掲載されている最新公募要領
- GビズIDプライムアカウントの取得状況(電子申請が必要な補助金)
- 商工会・商工会議所または認定支援機関・中小企業診断士等の専門家への相談
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PROFILE

- 中小企業診断士 / 資金調達・補助金コンサルタント / 外資系戦略コンサルティングファーム出身。独立後、事業再構築補助金・ものづくり補助金を中心に200社超の資金調達を支援し、採択率80%以上を継続して維持しています。補助金申請において最も難しいのは「書類を書くこと」ではなく、「Googleや審査員に刺さる事業計画を設計すること」です。戦略コンサルとしての経験を活かし、単なる申請代行ではなく、事業計画の立案から採択後の実行フェーズまでを一気通貫でサポートすることを強みとしています。これまでの支援先は製造業・小売業・サービス業など幅広く、初めての補助金申請から複数回採択の実績づくりまで対応しています。また、補助金メディアの執筆者として1,000本超の記事を執筆。最新の制度情報・審査傾向を常にアップデートしながら、読者と支援先の双方に正確な情報を届けることを使命としています。





