店先に修理工房をつくり、修理の技術を見せて地域に選ばれる店になる
有限会社村田金物店
山口県の金物店・ホームセンター(従業員5名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 得意の修理を軒下の小さなテーブルでしており、技術が客に伝わっていなかった。
- 主力の燃料販売は住宅の電化や人口減少で先細りが見込まれていた。
- 商工会の指導員が設備投資の効果と会社全体の収益の動きを分析し、計画を一緒に仕上げた。
- 計画づくりを通じて、在庫や資金繰り、会社の数字に気を配るようになった。
事業の経緯
約70年前から地域で金物店を営み、2000年には地元のショッピングセンター内に店舗を出した。2001年に先代の父が法人化し、2018年からはドイツの林業機械メーカーの製品を扱って修理まで引き受けるようになった。2021年12月に現代表が3代目として代表取締役に就いた。
修理の技術には自信があったが、軒下の小さなテーブルでの作業では客に伝わらず、主力の燃料販売も先細りが見込まれていた。工房の設置に補助金を使えないかと地元の商工会に相談し、経営指導員と計画をつくって持続化補助金に採択された。2024年1月に工房が完成し、修理の依頼が増えている。
事業の内容
- 課題:見えない修理の技術修理などのアフターサービスは得意分野だったが、店の軒下の小さなテーブルで作業をしても客の目に留まりにくく、技術が十分に伝わっていなかった。修理工房を設けたい構想はあったが、資金をどう工面するか決められずにいた。
- 課題:主力の燃料販売の先細り安定した収入源だったLPガスや灯油の販売は、住宅の電化、人口減少、空き家の増加で、将来の需要が減ると見込まれていた。会社全体の収益力をどう保つかが課題だった。
- 取り組み:林業機械の取り扱いと修理2018年からドイツの林業機械メーカーの製品を扱い始め、消耗品の交換から修理まで一貫して引き受けている。技術者は最上位を含むメーカーの認定を受けており、県内で認定を受けているのはこの店だけである。
- 取り組み:商工会と計画づくり工房の設置に補助金を使えるのではと自分で調べたが確信が持てず、以前から相談していた地元の商工会に相談した。経営指導員は構想を丁寧に聞き取り、設備投資の効果と会社全体の収益の動きを分析して、工房がアフターサービスの強化と収益の向上につながることを示した。構想を崩さないよう配慮しながらアイデアを一つずつ具体化し、何度も話し合って事業計画を仕上げた。
- 取り組み:メンテナンス工房の設置修理の作業を客に見せてアフターサービスを目に見える形にし、集客と修理の依頼を増やすため、店の軒下に木材を使ったウッドデッキ付きの約2坪の工房を新設した。ドアや窓から作業の様子が見えるようにし、中には修理に使う工具を配置した。2024年1月に完成した。
補助金を使った経費
記事の内容から、小規模事業者持続化補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| 委託・外注費 | メンテナンス工房 |
|---|
事業の効果
- 林業機械メーカーの製品の修理件数が、工房の設置前より2〜3割増えた。
- 工房を見学し、チェーンソーの使い方を教わってから買う客が出てきた。
- 他の店で買った草刈機などの修理依頼も来るほど、修理の技術が地域に知られるようになった。
- 幅広い年代の男性客が工房の周りに集まり、北九州市や広島県から毎週のように来る客も現れた。
- 在庫を適正に管理しないと資金が滞ることを意識するようになり、資金繰りや会社全体の数字に目を配るようになった。
事業者の声
幼い頃から手先が器用で、修理などの細かい作業は得意でした。
岡田経営指導員が設置後の予測分析にまで目配りをしてくれたことで、課題解決の見通しを明確化することができ、感謝の念に堪えない。
補助金申請の際に事業計画を作成したことで経営者としての意識が大きく変化した。
持続化補助金申請時に下関市商工会に相談したことが、岡田経営指導員に相談しながら事業を進めていくきっかけとなり、常に問題意識を持つようになった。
地域に林業者等の顧客向けホームセンターがあることで、これらの事業者が機械の故障等を心配することなく、安心して本業に専念できる環境を提供したい。このような活動を通じて地域産業に貢献し続けたい。
山口県の金物店・ホームセンター(従業員5名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、小規模事業者持続化補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(第19回)
販路開拓の手段
- メンテナンス工房:ドアや窓から修理の様子を見せ、技術を知ってもらう。
- 修理の一貫対応:消耗品の交換から修理まで引き受け、他店で買った機械の修理にも応じる。
- 使い方の指導:工房でチェーンソーの使い方を教え、購入につなげる。
相談先と計画づくり
| 商工会 | 下関市商工会 |
|---|
工房の設置がアフターサービスの強化と収益の向上につながるかを、設備投資の効果と会社全体の収益の動きから分析した。構想を崩さずにアイデアを一つずつ具体化し、設置後の見通しまで含めた計画にまとめた。
今後の展望
地域の林業者などが機械の故障を心配せず本業に集中できる環境を提供し、地域の産業に貢献し続けたいと考えている。元日を除いて年中無休、朝7時30分からの営業を続ける。増えた修理の依頼にどう応えるかが当面の課題。
この事例の取り組み
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