コンクリート補修の技術を同業者に教える訓練施設をつくる

株式会社 栄組✓ 経産省などの認定・選定

成果同業者から求められていた社員研修を受け入れ、参加者から好評を得ている。

事業承継・M&Aに使える公募中の補助金 49件を見る

この事例のポイント

  • 祖父が創業し、母、叔父と社長をつないできた会社を、2020年に現代表が継いだ。
  • 現代表は大学の助手の経験と人脈を生かし、コンクリート補修技術の普及に約15年取り組んできた。
  • インフラの長寿命化に欠かせない技術者の実地教育を行う場がなかった。
  • 研修棟が2024年1月に完成し、座学と実地研修を組み合わせられるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社 栄組
所在地岩手県
業種コンクリート工事を中心とする建設業
従業員数38人

事業の経緯

岩手県の建設会社で、1955年に現代表の祖父が創業し、従業員は38名いる。祖父、母、叔父と社長を引き継いできた。

現代表は2003年に家業に入り、市場の縮小や労働生産性の低さといった建設業の課題を目の当たりにして、なんとか改善したいと考えてきた。

大学の助手を務めた経験と人脈を生かし、コンクリート補修技術に活路を求めて約15年普及に取り組んだ。国内の基盤が固まり、海外への販路開拓を決めて2020年に承継した。

補助事業では、補修技術を同業者に教える研修棟を整え、研修の受け入れを広げた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 建設業の縮小と生産性1955年に祖父が創業した会社で、祖父、母、叔父と社長を引き継いできた。現代表は2003年に家業に入り、市場の急な縮小や労働生産性の低さといった建設業の課題を目の当たりにした。大学の助手という前職の経験と人脈を生かし、コンクリート補修技術に活路を求めて約15年普及に取り組んだ。国内の基盤が固まり、海外への販路開拓も決意して2020年に承継した。
  • 技術を学ぶ場がないインフラを長持ちさせるには高度な知識と技術を持つ技術者の教育が必要だが、実地で教える機関がなかった。これまでは補修技術を紹介して原料の販売や代理店契約をしてきたが、幅広い施工技術や独自の工程は数時間では身につかず、社員研修の受け入れを強く求められていた。

やったこと

  1. 研修棟の整備座学研修と、現場に出る前の実地研修を行う研修棟を整え、2024年1月に完成させた。座学と実地を組み合わせた独自のカリキュラムで、高度な建設技術を教える施設にした。
  2. 研修の受け入れ同業の建設会社から依頼を受け、35社300人の研修を受け入れてコンクリート補修技術を教えた。施設の完成前は現場実習が中心だった。海外の商談会では、日本の建設技術を学びたい大学生からの申し出もあった。

補助金を使った経費

事業の効果

  • 同業の建設会社35社300人の研修を受け入れた。
  • 座学と実地研修によって、参加者が身につけられる技術の幅が広がり、好評を得ている。
  • 代表になったことで、海外の商談相手にすぐ決められる相手だと認められ、商談が早く進むようになった。

審査の観点ごとの評価[1]

事業承継・M&A補助金

観点の平均3.3 / 5
15次の採択率[2]61.3%応募551件・採択338件

この事例が強かった観点

  • 4
    承継を機にした取組の目的市場縮小や低い労働生産性という課題を直視し、約15年の普及活動を経て承継後に海外販路を開く目的が明確に述べられている。
取組の目的・必要性4.0
  • 承継を機にした取組の目的4

    市場縮小や低い労働生産性という課題を直視し、約15年の普及活動を経て承継後に海外販路を開く目的が明確に述べられている。

実現可能性3.0
  • 計画の具体性と体制3

    2024年1月に研修棟が完成し、35社300人の研修受け入れという実績があり、取組内容と体制は具体的で実現性が示されている。

収益性3.0
  • 売上・利益の見込み3

    研修受け入れで35社300人を受け入れ好評を得ており、海外販路開拓も視野にあるが、売上や利益の増加額は示されていない。

継続性3.0
  • 事業の継続3

    祖父から母、叔父を経て現代表へ承継された経営の流れと、国内基盤を固めた上で海外展開を進める計画が示され、継続と成長の見通しがある。

受けた国の認定・補助金

補助金・助成金

  • 農業支援サービス事業インキュベーション緊急対策/スマート農業機械等導入支援農林水産省・136万円・2023年6月
  • 事業再構築補助金(第9回)中小企業庁・4,000万円

事業者の声

当社は、海外でコンクリート補修技術のコンサルティング業務を進めております。コロナ禍が終息した2023年から本格的に商談活動を再開しました。事業承継をして代表取締役になったことで、意思決定を即決できる相手であることを相手方に認知されるスピードが高まり、商談スピードも早まったように感じています。

岩手県のコンクリート工事を中心とする建設業(従業員38名)
出典・注記
  1. [1]審査の観点の点数は、事業承継・M&A補助金の公募要領にある観点で当社が付けたもので、実際の審査の点数ではありません。
  2. [2]この事例の回が分からないため、採択率は直近の回(15次)の数字です。

今後の展望

2023年9月に県の経営革新計画の承認を得て、先端技術を使ったコンクリート補修技術の開発と国内外の販路開拓に取り組んでいる。国や自治体、高速道路や鉄道の事業者に新しいひび割れ補修技術やコケを使った緑化技術を提案し、インドネシア・ブラジル・メキシコにも販路を広げる。

鉄道軌道の補修技術や補修用のドローンの開発、VRを使った教育の仕組みも進め、整えた施設を生かして事業を伸ばしていく。

事業承継・M&A補助金とは

直近の15次の採択率は61.3%(応募551件・採択338件)。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。

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