マシニングセンターで内製化し、超短納期の部品加工を自社で担う
株式会社日本超特急部品
京都府の金属部品の機械加工業(従業員8名)国が公開している採択事例です
この事例のポイント
- 協力会社の受注状況に納期が左右され、短納期という強みを生かせず受注を断ることが多かった。
- 創業当初から相談してきた商工会と経営拡大計画をつくり、融資と補助金につなげた。
- 汎用性が高く内製化率を上げやすい立型マシニングセンターを選んで導入した。
- 図面を誰でも扱える指示書に変える仕組みで、未経験者でも働ける現場にした。
事業の経緯
現代表は地域の中堅金属部品メーカーで約20年、組立や営業を担当し、短納期の需要が高まっていることを肌で感じていた。2017年に個人で創業し、工場を持たずに加工を協力会社に任せる形で始めたところ、ホームページを通じて全国から引き合いが来るようになった。
しかし納期が協力会社の状況に左右され、2018年に中古設備で始めた内製化にもすぐ限界が来た。創業当初から相談してきた地元の商工会と経営拡大計画をつくり、2019年に法人化して自社工場を取得し、ものづくり補助金で立型マシニングセンターを導入した。その後は誰でも扱える指示書の仕組みをつくり、未経験者が活躍できる現場を整えている。
事業の内容
- 課題:協力会社頼みの納期創業時は工場を持たず加工を協力会社に任せていたため、納期が協力会社の状況に左右され、短納期という事業の考え方に支障が出ていた。協力会社の受注状況によって注文を断ることも多く、事業が頭打ちになっていた。
- 課題:中古設備の限界2018年に他社の工場を間借りし、中古のマシニングセンターで一部を内製化したが、精度や剛性の面で応えられない案件が増え、すぐに限界を感じた。高精度で短納期に応えられる内製化が急務だった。
- 取り組み:経営拡大計画づくり創業当初から相談してきた地元の商工会の支援員と、経営拡大計画をつくった。計画は金融機関にも伝わりやすく、数千万円規模の融資を受けて自社工場を取得した。計画の設備投資の部分をもとに、ものづくり補助金を申請した。支援員は申請書の文面や数値の示し方を助言し、現場にも足を運んで設備投資の妥当性を確かめた。
- 取り組み:立型マシニングセンターの導入内製化率を上げ、精度とスピードを高めて超短納期の体制を強めるため、汎用性が高く内製化率を上げやすい立型マシニングセンターを補助金で導入した。
- 取り組み:指示書の仕組みと働き方取引先の複雑な図面を、誰でも扱える指示書に変えるCAD/CAMの仕組みを自社でつくり、熟練者でなくても加工できるようにした。入社のハードルを下げて未経験の女性を多く採用し、年間130日の休日と定時退社の制度も取り入れた。ショート動画のマニュアルづくりや加工データの作成など、テレワークでできる仕事も広げた。
補助金を使った経費
記事の内容から、ものづくり補助金の経費区分にあてはめた区分です。
| 機械装置・システム構築費 | 立型マシニングセンター |
|---|
事業の効果
- 立型マシニングセンターの導入で、加工の精度とスピードが大きく上がった。
- 現場の担当者が迷わず作業でき、機械の稼働率が上がった。
- 未経験の女性を多く採用し、今では貴重な戦力になっている。
- コロナ禍や米中の貿易摩擦で業績が落ち込んだが、ここ3年は持ち直してきている。
事業者の声
創業当初から当社の事業を知っていただき、設備のことに限らず、何でも相談できる信頼感がある。
「創業したばかりの当社が、金属の機械加工に精通した作業者を集めるのは至難の業」という前提から、初心者でも作業しやすい仕組みを考えた。そして入社のハードルを下げた結果、多くの未経験の女性を採用した。今では貴重な戦力として活躍していただいている。
コロナ禍を機に製造業におけるテレワークや職場環境の改善について熟考した。
将来的には台湾での現地生産を含む海外展開も視野に入れており、具体的な検討を進めている。
京都府の金属部品の機械加工業(従業員8名)
出典
- 中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事(当社が書き直し・要約。事業者の声は記事中の発言の引用です)
- 経費区分は、ものづくり補助金の公募要領の区分に当社があてはめたものです
- 採択率:中小企業庁「採択結果」(23次)
相談先と計画づくり
| 商工会 | 京丹後市商工会 |
|---|
外注に頼る体制から内製化へ移るための経営拡大計画をつくり、工場の取得と設備投資の段取りを整理した。金融機関にも伝わるよう、申請書の文面や数値の示し方を磨き、設備投資の妥当性を現場で確かめた。
今後の展望
機械の稼働率の向上と人の配置の見直しが当面の課題で、当たり前のことをきちんと行う仕組みづくりに取り組む。加工の精度や外観などの品質を高め、職場環境の改善や新しい機械の導入も検討する。特定の分野に頼らない受注体制をつくり、台湾での現地生産を含む海外展開も検討している。
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