デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)製造業大阪府

熱と汚れの現場で、記録を紙からデジタルへ

理化工業株式会社

大阪府の金属部品の熱処理・塗装会社(従業員71名)国が公開している採択事例です

この事例のポイント

  • 熱や塗料で記録をとりにくい現場で、紙と転記に頼っていた。
  • 業務改善を助言していた外部のITアドバイザーが毎週来社し、選定から運用まで支えた。
  • 設備点検のチェックから使い始め、現場の負担をかけすぎないように導入した。
  • RPAと組み合わせ、集計を夜間に自動で行うようにした。

事業の経緯

50年以上前、地域の部品やネジのメーカーの加工の求めに応えて創業した。金属部品の熱処理に加え、500色以上から選べるネジ・ボルトの塗装や防錆、メッキなどの表面処理をまとめて引き受けている。海外の需要の高まりを受けてタイにも工場を設けた。

2000年頃から紙の資料のデータ化を進め、基幹システムも入れたが、20年近くたって保守できる担当者が減った。2018年頃から見直しを始め、2019年に新しいパッケージに入れ替えた。同時に現場の記録のデジタル化に取り組み、IT導入補助金で現場帳票システムを入れた。

事業の内容

  1. 課題:記録をとりにくい現場加工数量や作業時間、材質を調整した履歴は生産性の管理に欠かせないが、現場は熱がこもり、塗料で汚れる。手袋をした作業も多く、タブレットでの入力も手間がかかるため、紙に鉛筆で記録してあとでパソコンに打ち込んでいた。
  2. 課題:基幹システムの老朽化2000年頃からデータの保存を始め、基幹システムも入れていたが、20年近くたって保守できる担当者が減り、使い勝手も悪くなった。2018年頃から見直しを始め、2019年に新しいパッケージに入れ替えた。
  3. 取り組み:現場帳票システムIT導入補助金を使い、操作が簡単でRPAと連動できる現場帳票システムを入れた。現場の記録をその場でデジタルにして、生産性の管理や過去の履歴の検索をしやすくするためである。まずは作業前後の設備点検のチェックから使い始めた。
  4. 取り組み:RPAと外部アドバイザーRPAツールも同時に入れ、集計などを夜間に自動で処理するようにした。もともと業務改善やホームページについて助言していた外部のITアドバイザーが週1回来社し、導入やカスタマイズ、運用、新旧システムのデータ移行の自動化を担い、外部ベンダーとの窓口も務めた。

補助金を使った経費

記事の内容から、デジタル化・AI導入補助金の経費区分にあてはめた区分です。

ソフトウェア購入費現場帳票システム

事業の効果

  • 出力や転記にかかる時間と転記ミスが大きく減った。
  • デジタルになったデータを集計や分析に使いやすくなった。
  • RPAが夜間に作業するため、集計などの単純作業の人手を減らせた。
  • 熱処理の作業中にデータを入力でき、その場での分析や不良率の低減につなげられるようになった。

事業者の声

市場に出回る4台に1台くらいは、うちの熱加工した部品がどこかに使われているはずです。

デジタルデータにして生産性向上に活用していきたいのですが、現場は熱がこもったり、塗料で汚れたりと、決して記録をとるのにふさわしい環境ではないんです。紙に鉛筆で記録して、後でそれをパソコン入力するような形で保存していますが、現場の負担を増やさず記録していく方法を考えたいと思っていました。

入力作業のような人手はできるだけ減らしていき、人の力は、出てきたデータを分析し、判断して手を打つところに活用していきたいと考えています。

大阪府の金属部品の熱処理・塗装会社(従業員71名)
出典

相談先と計画づくり

民間の専門家

現場の負担を増やさずに記録をデジタルにすることを目標にし、操作の簡単さとRPAとの連動を選ぶ基準にした。まずは設備点検のチェックから使い始めるなど、無理のない導入の順番を決めた。

今後の展望

画像識別ツールの活用を検討し、塗装などでもデジタルで制御できる部分を広げる。若手でも高い基本品質を出せるようにし、熟練の職人には顧客とのきめ細かい調整や難しい仕事で力を発揮してもらう。経理のペーパーレス化も進める。

この事例の取り組み

製造業のほかの採択事例

製造業の事例をすべて見る

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)について

直近の26年4次の採択率は44.4%(応募1,836件・採択816件)。いま申請できる回は「デジタル化・AI導入補助金」として募集されています。いま申請できる回の締切・補助額・対象経費は、最新の公募の解説でまとめています。

最新の公募を見る