『天下一富士山真菰』(まこも乳酸菌パウダー)製造工程の内製化

山梨県の従業員2人の製造業者が、ものづくり補助金で機械装置を導入し、真菰粉末の製造を内製化した採択事例です。

株式会社乳酸菌培養サービス

成果全工程の所要日数 30日→8日

この事例のポイント

  • 真菰粉末の製造には特殊な乾燥機や製粉機が必要で、製造工程は外注加工に大きく依存していました。
  • 令和3年に本社工場を新設し、ものづくり補助事業で機械装置を導入して、原料生産から販売までの全工程を内製化しました。
  • 全工程の所要日数 30日→8日。機械装置の導入により、真菰粉末の製造を外注から内製化し、製造にかかる日数を大幅に短縮できました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社乳酸菌培養サービス
所在地山梨県 南都留郡西桂町
業種食料品製造業
技術分野機械制御,材料製造プロセス
従業員数2人
資本金100万円
設立2018年

事業の背景

株式会社乳酸菌培養サービスは、富士山の伏流水と無農薬の乳酸菌農法で自社栽培した真菰を原料に、植物性乳酸菌製品を開発、製造、販売しています。近年は健康意識の高まりから乳酸菌・ビフィズス菌含有食品の市場が成長を続けており、新型コロナウイルス感染症の流行で免疫力向上へのニーズもさらに高まっています。

主力の「天下一富士山真菰」は人気商品に成長しましたが、マコモダケ100kgからパウダーは約10kgしか生成できず、価格も高めになっていました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力真菰粉末の製造には特殊な乾燥機や製粉機が必要で、製造工程は外注加工に大きく依存していました。
  • 納期・工程外注先へ送って加工し返送してもらうと全工程で30日もの日数を要しており、リピートの多い顧客への供給に課題がありました。

やったこと

令和3年に本社工場を新設し、ものづくり補助事業で機械装置を導入して、原料生産から販売までの全工程を内製化しました。導入した「セラミカ熟成乾燥機」は、庫内の素焼き部分の湿度調整作用で温度や湿度の変化を抑え、低温でも乾燥時間を短縮して中心部に水分を残さずムラなく乾燥させます。

「臼水冷式製粉機」は、カッター部に冷水を循環させて摩擦熱を放熱し、酸化を防ぎながら製粉します。さらに「セラミカ濾過活水装置」「バブリング洗浄装置」「次亜塩素酸生成装置」で真菰葉の洗浄と消毒を行う体制を整えました。

試作の結果、全工程の所要日数は30日間から8日間に改善され、効率は3.75倍になりました。試作品は外注製品と比べて官能検査と販売品質検査を行い、従来の製品と品質に相違がないことを確認しました。

作業の要点をまとめたマニュアルも作成し、従業員を2人雇用して量産に取り組んでいます。

新しい製品・サービス:「天下一富士山真菰」(まこも乳酸菌パウダー)

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • セラミカ熟成乾燥機臼水冷式製粉機設備の種類:食品加工・包装
  • セラミカ濾過活水装置バブリング洗浄装置次亜塩素酸生成装置設備の種類:その他の設備

事業の効果

  • 全工程の所要日数 30日→8日

機械装置の導入により、真菰粉末の製造を外注から内製化し、製造にかかる日数を大幅に短縮できました。試作品は従来の製品と品質に相違がないことを確認しています。

今後の生産量増強の見通しも得られ、量産体制を整えました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決製造工程の外注で所要30日を要した課題を認識し、機械導入で8日に短縮、効率3.75倍、同量材料での生産量10倍と効果が明確。
  • 4
    これまでの取組との一貫性過去に液肥開発や乳酸菌健康食品の販売で成長し2018年に法人化、真菰の葉活用を模索してきた経緯があり、内製化は一貫した流れとして読める。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けお客さんから便通改善などの声が寄せられ、リピートも多いことから、顧客ニーズと製品の価値が裏付けられている。

もう一歩だった観点

  • 2
    費用対効果投資額や付加価値増加の数値がなく、生産効率の向上は示されるが費用対効果を判断する材料は薄い。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    過去に液肥開発や乳酸菌健康食品の販売で成長し2018年に法人化、真菰の葉活用を模索してきた経緯があり、内製化は一貫した流れとして読める。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    真菰の耐熱菌という特異な微生物を原料とし、天下一富士山真菰が人気商品に成長した点から、自社資源を活かした優位性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決5

    製造工程の外注で所要30日を要した課題を認識し、機械導入で8日に短縮、効率3.75倍、同量材料での生産量10倍と効果が明確。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    所要日数30日から8日、効率3.75倍と目標に相当する数値が示されているが、付加価値額や賃上げの目標は明示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員を2人雇用して量産に励んでいる点や、作業マニュアルを作成した点から、補助事業を遂行する体制が一定程度確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    お客さんから便通改善などの声が寄せられ、リピートも多いことから、顧客ニーズと製品の価値が裏付けられている。

  • 事業化までの道筋3

    試作品の官能検査と販売品質検査で従来品と相違ないことを確認し、今後は地域農業者と生産拡大を図る方針が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    真菰を原料とした乳酸菌商品は全国でも取扱いが珍しいとされ、植物性乳酸菌の希少性と高付加価値が読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用3

    新型コロナ流行による免疫力向上へのニーズ拡大や地域特産品としての生産拡大により、地域経済への貢献が示されている。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値増加の数値がなく、生産効率の向上は示されるが費用対効果を判断する材料は薄い。

  • イノベーションへの貢献2

    セラミカ乾燥機など装置の活用はあるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの波及についての記述は弱い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    富士山の伏流水を用いた地域資源の真菰を活かし、地域の農業事業者と特産品の生産拡大を図る計画であり、地域経済の牽引が読み取れる。

今後の展望

今後は自社栽培にこだわらず、周辺の農業事業者とともに地域特産品として真菰の生産と商品製造を拡大したいと考えています。セラミカ熟成乾燥機を活用して県産の果実や野菜をドライにした商品も幅広く展開し、地域経済の発展に貢献していきます。

事業者の声

乳酸菌というと、乳製品に含まれているイメージが強いですが、発酵食品や自然環境の中に数多く生息し、大きく、動物由来のものと植物由来のものに分けることができます

真菰粉末の製造には、特殊な乾燥機や製粉機の使用が必須となるため、製造工程は外注加工に大きく依存していました。当社で一加工したものを外注先に宅配便で送り、加工後に返送してもらうと全工程で30日もの日数を要していました。商品の利用顧客はリピートも多いため、生産体制の改善、強化は喫緊の課題でした

一般的な乾燥機では、茶葉が黒っぽく変色しがちですが、この乾燥機は葉の色や風味、栄養分などを損なわないのが魅力です

お客さんから『便通が良くなった』『体の調子がいい』との声をいただくと私もうれしく、やりがいを感じています。今後は自社栽培にこだわらず、周辺の農業事業者とともに地域特産品として真菰の生産、商品製造を拡大したいです。またセラミカ熟成乾燥機を活用して、県産の果実や野菜をドライにした商品も幅広く展開し、地域経済の発展に貢献したいですね

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。