新システム・機材導入による品質・生産効率の向上

京都府の従業員1人の製造業が、ものづくり補助金で3D CADシステムとオーブンを導入し、装具の製作を効率化した採択事例です。

株式会社エピッド

成果石膏モデルによる採型・モデル製作・修正の合計時間 115分→22分

この事例のポイント

  • 製販一貫生産で各製造工程の生産効率を上げることが課題でした。
  • 3D CAD/CAMソフト「オーテンシェイプ」を導入し、3Dスキャナーで生成したモデルをパソコン上で修正できるようにしました。
  • 石膏モデルによる採型・モデル製作・修正の合計時間 115分→22分。CAD/CAMシステムの導入により、採型と石膏モデル製作の時間を大幅に短縮し、モデルの作成・修正を効率化できました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社エピッド
所在地京都府 京都市伏見区
業種その他の製造業
技術分野情報処理,製造環境,立体造形,測定計測
従業員数1人
資本金100万円
設立2018年

事業の背景

当社は現社長が2015年に創業し、完全オーダーメイドの医療用補装具・福祉用具の製造販売を行っています。装具はケガや病気の方、障害を持つ方が日常的に使う必需品で、体の一部ともいえるものです。

現在は多くの問い合わせを受けていますが、患者様の細かい要望に対応しながら生産効率を上げることが課題でした。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製販一貫生産で各製造工程の生産効率を上げることが課題でした。
  • 生産能力採型、石膏モデル製作、プラスチック成形がボトルネックになっていました。

やったこと

3D CAD/CAMソフト「オーテンシェイプ」を導入し、3Dスキャナーで生成したモデルをパソコン上で修正できるようにしました。これにより採型と石膏モデルの製作にかかっていた時間を大幅に短縮しました。

インフラレッドオーブンも導入し、従来の対流式オーブンに比べて材料を短時間で均一に軟化できるようにしました。大型の装具を製作できるようになり、従来のオーブンでは扱えなかったカーボン素材の成形にも取り組みました。

導入に際しては使用する材料ごとの軟化温度の確認を行いました。操作方法の習得や習熟度向上は、プロテオールジャパン社から研修や導入後のサポートを受けながら進めました。

新しい製品・サービス:カーボン素材を使用した軽量で強度が高く弾力性に優れた装具

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 石膏モデルによる採型・モデル製作・修正の合計時間 115分→22分
  • 修正時間 70分→15分
  • プラスチック軟化の合計時間 60分→12分

CAD/CAMシステムの導入により、採型と石膏モデル製作の時間を大幅に短縮し、モデルの作成・修正を効率化できました。インフラレッドオーブンの導入によりプラスチックの軟化時間が約5分の1になり、成形不良の部位がなくなり転写した柄もムラなく均質に転写できるようになりました。

大きいサイズの装具にも対応できるようになり、販路の拡大につながりました。患者様の身体に触れることなく短時間で測定できるようになったため、患者様の精神的・身体的負担が大幅に軽減されました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 514観点のうち12観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性採型から修正までの時間が約115分から22分に短縮、患者ニーズへの個別対応という強みを活かす点も具体的に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決製販分業による患者対応の弱点という課題を認識し、モデル作成時間を約5分の1に短縮するなど、効果の数値が示されている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け患者の細かいニーズに応える完全オーダーメイド、デザイン性へのこだわり、問い合わせの多さなど、選ばれる理由と顧客需要が整理されている。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業時からの完全オーダーメイド装具の強みを維持しつつ、CAD/CAM導入で生産効率を高めており、既存事業との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    採型から修正までの時間が約115分から22分に短縮、患者ニーズへの個別対応という強みを活かす点も具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    製販分業による患者対応の弱点という課題を認識し、モデル作成時間を約5分の1に短縮するなど、効果の数値が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    プラスチック軟化時間を60分から12分へ、モデル修正時間を大幅短縮と目標に対する成果が数字で示されているが、付加価値や賃上げの目標値は見当たらない。

  • 事業を進める体制3

    代表が義肢装具士、社員が義肢装具製作技能士の資格を持ち、プロテオールジャパンから研修・サポートを受けて導入を進めている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    患者の細かいニーズに応える完全オーダーメイド、デザイン性へのこだわり、問い合わせの多さなど、選ばれる理由と顧客需要が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    導入時にソフトの操作習熟をメーカー研修で進め、軟化温度の確認やカーボン素材への取り組みなど、導入の進め方が書かれている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    カーボン素材を使った軽量で強度が高い装具など、従来のオーブンでは扱えなかった成形を可能にし、高機能化を図っている。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用3

    装具は患者の日常生活に必要な必需品と位置付けられ、バリアフリー社屋の開設や地域での製作による利用者の利便性向上が読み取れる。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献4

    3Dスキャナー・CAD/CAMを用い、3Dデータを外部メーカーに送って製作を依頼できる仕組みを構築しており、業界のデジタル化に寄与し得る。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    京都府・大阪府を中心に地域の患者へ装具を提供し、高槻市に新社屋を開設するなど、地域に根ざした事業展開が書かれている。

今後の展望

今後はカーボン素材を使用した軽量で強度が高く弾力性に優れた製品を拡大していきます。また大阪府高槻市にバリアフリー設計の新社屋を開設し、患者様に来社していただいて相談しやすい環境を整える予定です。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。