150万本の木から選べる!!山でのオーダーメイド木材加工サービス!

奈良県の農業・林業の会社が、ものづくり補助金で移動式製材機を導入し、山で木材を加工して製品を消費者へ届けた事例です。

この事例のポイント

  • 原木市場で競り売りされた原木は、製材業者や加工業者を複数経由して製品になるため、最終商品の価格が高額になっている。
  • 移動式製材機と周辺機器を導入し、自社管理山林の立木からニーズに合う木を選定して、市場基準とは異なる自由なオーダーメイドサイズで採材しました。
  • 原木搬出後すぐに製材する流れを県内で初めて実現し、流通経路を簡略化したことで木材のトレーサビリティを確保しました。

事業者のプロフィール

所在地奈良県 吉野郡下市町
業種林業
設立1967年

事業の背景

当社は吉野地域で約1,500haの山林を管理し、山林維持管理と搬出用作業道開設を事業の2本柱としています。2017〜2018年にFM認証とCoC認証を取得し、認証材の提供に取り組んできました。

原木市場への出荷が中心で、原木価格の低迷が続いていました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力原木市場で競り売りされた原木は、製材業者や加工業者を複数経由して製品になるため、最終商品の価格が高額になっている。
  • コスト・採算原木価格は建築資材や国産材の需要・価格が上がる中で下がっており、原木売却で収益が上がらなければ植林・造林もできない。
  • その他流通工程のトレーサビリティが確立しておらず、最終価格の根拠に疑問を覚える状況が続いている。
  • 人手・技能林業は後継者不足という問題を抱えており、山守の高齢化も進んで引退する者も後を絶たず、知識・技術をどう受け継ぐかが当面の課題である。

やったこと

移動式製材機と周辺機器を導入し、自社管理山林の立木からニーズに合う木を選定して、市場基準とは異なる自由なオーダーメイドサイズで採材しました。原木搬出後すぐに製材することを可能にしました。

製材後は乾燥工程が必要なため、納品まで1年程度かかります。2021年には黒滝村の道の駅内に木工製品のショップ「rin+」を開業し、自社山の木材を使った製品を提供しています。

新しい製品・サービス:自社管理山林の立木から選定したオーダーメイドサイズの木材加工サービス

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • 移動式製材機製材機の周辺機器設備の種類:木工機械

事業の効果

原木搬出後すぐに製材する流れを県内で初めて実現し、流通経路を簡略化したことで木材のトレーサビリティを確保しました。自分たちで伐った木を製品まで仕上げて消費者へ直接届ける生産プロセスを構築し、原木市場への出荷に比べて大きな付加価値を付与できる新たな販路開拓の手応えを得ました。

認証材にふさわしい製品を提供できるようになりました。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.4 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 5
    地域経済への波及奈良県吉野地域の約1,500haの山林と300年の歴史を活かし、地域の林業を支える6次産業化事業として地域成長に寄与する。
  • 4
    これまでの取組との一貫性300年の山林管理の歴史と、山林維持管理・作業道開設の2本柱を背景に、6次産業化を事業計画として位置付けている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性約1,500haの山林を自社管理し、自社の山から伐った原木を即製材する体制が、市場流通と比べた競争優位になっている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値向上は意図されているが、目標値や賃上げの数値目標が事例文中に示されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    300年の山林管理の歴史と、山林維持管理・作業道開設の2本柱を背景に、6次産業化を事業計画として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    約1,500haの山林を自社管理し、自社の山から伐った原木を即製材する体制が、市場流通と比べた競争優位になっている。

  • 課題の認識と解決4

    原木価格の低迷と流通の不透明さを課題に挙げ、原木搬出後即製材と直販で付加価値を上げる実効性ある計画になっている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値向上は意図されているが、目標値や賃上げの数値目標が事例文中に示されていない。

  • 事業を進める体制3

    FM・CoC認証の取得や、食品会社との連携、林業研修計画など、実施体制の材料が書かれている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客に届けるオーダーメイドサイズの木材加工と、認証材の提供という価値、販路の方向性が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    乾燥工程で納品まで約1年かかることなど課題を把握し、移動式製材機の導入と直販ショップ開業の段階が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    原木搬出後即製材は奈良県内発の取組とされ、市場基準と異なるオーダーメイドサイズ採材で高付加価値化を図っている。

公的補助の必要性3.5
  • 波及効果・雇用4

    山林管理の担い手不足や山守の高齢化、災害防止・環境保全への影響を挙げ、林業の維持という公的な意義がある。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献3

    移動式製材機の導入と即製材、流通の簡略化によるトレーサビリティ確保が、林業のサプライチェーンの改善につながる。

政策面3.5
  • 成長分野への進出2

    6次産業化による林業の流通構造の変化に触れているが、日本経済の構造転換への言及は弱い。

  • 地域経済への波及5

    奈良県吉野地域の約1,500haの山林と300年の歴史を活かし、地域の林業を支える6次産業化事業として地域成長に寄与する。

同じ設備を入れた採択事例

出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。