最新式焼成窯の導入による自社ブランド瓦の生産性向上と省エネ効果の実現

株式会社タムテック

成果燃焼時間は約30%の短縮となる。

この事例のポイント

  • 焼成窯の操作には熟練の技術が必要で、色ムラを完全になくすことが難しいため、色合わせを完成後に行っていました。
  • コンクリートに釉薬をかけて焼成する工程に、空気比を検知してガスの流量を自動で調整する「空気比制御機能」を搭載した最新式焼成窯を導入しました。
  • 燃焼時間は約30%の短縮となる。新焼成窯の導入により色ムラがなくなり、完成後の選別や色合わせが不要になりました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社タムテック
所在地高知県 須崎市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野製造環境,機械制御,材料製造プロセス
従業員数22人
資本金3,300万円
設立1958年

事業の背景

当社は1952年にスレート瓦の製造業者として創業し、1985年に伊奈製陶株式会社(現株式会社LIXIL)と共同で独自のコンクリート焼成技術を開発し特許を取得しました。自社ブランドの「GCMセラミック瓦」は高知県内に広く普及しています。

近年、地震や台風で古い民家の瓦が落下する映像が流れ、「瓦は危険で重い。地震に弱い」と誤解する一般消費者が多くなっています。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度焼成窯の操作には熟練の技術が必要で、色ムラを完全になくすことが難しいため、色合わせを完成後に行っていました。
  • コスト・採算既存の焼成窯は昇温時間や保温時間を短縮できず、コスト削減も厳しい状況でした。
  • 生産能力品質の安定した製品を効率良く製造するため、焼成工程の見直しが必要でした。

やったこと

コンクリートに釉薬をかけて焼成する工程に、空気比を検知してガスの流量を自動で調整する「空気比制御機能」を搭載した最新式焼成窯を導入しました。設定された条件で炉内の温度を均一に保つことができ、時間・温度管理の設定ができていれば、操作手順を習得した社員でも対応できるようになりました。

断熱性能も向上し、昇温時間も短縮されました。

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

事業の効果

  • 燃焼時間は約30%の短縮となる。
  • 燃費効率、燃焼時間短縮等を考慮すると、以前の焼成窯に比べ約50%の省エネ効果が期待される。
  • 二酸化炭素排出量を約20%削減可能である。

新焼成窯の導入により色ムラがなくなり、完成後の選別や色合わせが不要になりました。焼成時間が短くなったことで生産効率が上がり、コストダウンと従業員の労働時間縮減につながりました。

熟練者でなくても操作できるようになり、高品質な製品を求めやすい価格で提供できる体制が整いました。燃焼時間の短縮と断熱性の向上により省エネと二酸化炭素排出量の削減も期待されます。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性特許技術で強度を高めた自社ブランド瓦を製造から施工まで一貫して行う強みを、顧客対応や耐久性の訴求に活かしている。
  • 4
    課題の認識と解決色ムラの完成後選別や熟練者依存という課題を認識し、窯導入で選別不要化と生産効率向上を図る実効性ある計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け地震や台風に強い耐久性を持つ製品として、誤解を解く施工の訴求や顧客評価を根拠に、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標省エネ効果や生産効率向上は述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    1985年からのGCM瓦の製造・販売と、過去の焼成窯の課題を踏まえ、焼成窯導入を品質安定化と生産性向上の取組として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    特許技術で強度を高めた自社ブランド瓦を製造から施工まで一貫して行う強みを、顧客対応や耐久性の訴求に活かしている。

  • 課題の認識と解決4

    色ムラの完成後選別や熟練者依存という課題を認識し、窯導入で選別不要化と生産効率向上を図る実効性ある計画になっている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    省エネ効果や生産効率向上は述べられているが、付加価値額や賃上げの具体的な目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    創業以来の製造ノウハウと、窯メーカー閉業後も長期メンテナンスが可能な体制を整えた点から、遂行体制は確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地震や台風に強い耐久性を持つ製品として、誤解を解く施工の訴求や顧客評価を根拠に、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    県外市場への展開や葺き替え普及を今後の活動として示し、焼成窯導入後の販売方針を示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    コンクリート瓦を焼成して強度を高める特許技術で、常識を覆す製品として県内に普及したと、差別化された高付加価値製品である。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    地場産業として県内に普及し、葺き替え普及で住宅の安全性向上や県外展開を目指すとしており、地域への効果が示されている。

  • 費用対効果4

    二酸化炭素排出量を約20%削減、燃焼時間約30%短縮、省エネ効果約50%と具体的な数字が示され費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    空気比制御機能による自動化は技術革新だが、地域やサプライチェーン全体への波及は記述が薄い。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    高知県の気候・風土に適した瓦として地域特性を活かし、地場産業賞受賞や県内普及で地域の製造業を支えている。

今後の展望

ガイドライン工法での葺き替えを呼びかけ、一般消費者の誤解を解いて安全性を訴えていきます。価格が下がることで葺き替えの決断がしやすくなることが期待されるため、全社一丸となって葺き替えの普及に努め、県外市場への展開も検討していきます。

事業者の声

色ムラは無くなったが、顧客によってはあえて色の変化を求められることもある。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。