13人がかりの袋詰め・真空パックを自動化し、生産性を30%高める

株式会社ヒロ・コーポレーション

成果包装部門の人員が13人から4人になり、処理能力が1時間600パックから1,200パックになった。

この事例のポイント

  • 独自の加工技術と特殊な冷凍技術で県産の鱧を商品化し、病院や介護施設向けの調理済み冷凍食品にも強みを持つ。
  • 包装工程は13名の手作業で1時間600パックが限界で、調理部門の1,000〜2,000パックの能力を生かせなかった。
  • 全自動深絞真空包装機、自動ラベル貼付機、金属探知機をベルトコンベアで連結し、充填から真空パック、ラベル貼り、計量・金属検査まで自動化した。
  • 空いた9人を下処理部門に回し、フレックスタイム制の採用と毎年約5%の賃上げ計画に取り組んでいる。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ヒロ・コーポレーション
所在地徳島県
業種県産の鱧などを使った冷凍食品の製造販売
従業員数42人
資本金300万円
相談先阿南商工会議所

事業の経緯

独自の加工技術と特殊な冷凍技術で徳島県産の鱧の加工商品を開発し、ブランド化してきた。県の「阿波の逸品」の認定・特選を受け、県産の農水産物を材料とする冷凍食品を製造販売している。鱧やタイを使った高付加価値の冷凍食品と、病院・介護施設向けの調理済み冷凍食品に強みを持つ。

包装工程は13名の手作業に頼り、調理部門の能力を生かせていなかった。地域の少子高齢化で増員が難しく、金融機関と地元の商工会議所からの情報提供をきっかけに、省力化投資補助金で包装ラインの自動化に取り組んだ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 手作業に頼る包装工程13名が手作業で袋詰め・真空パック・ラベル貼付・計量・金属検査をすべて行っていた。作業スピードに限界があり、品質は人によってばらつき、高齢化で作業の負荷も増していた。包装は1時間600パックが限界で、前工程の調理部門が持つ1時間1,000〜2,000パックの能力を生かせなかった。工程間の運搬もコンテナに入れて人が運ぶ方式で、処理スピードが落ちていた。
  • 増員では解決できない人材不足人材不足が深刻で、増員による解決ができなかった。地域の少子高齢化で若い働き手の確保が難しく、既存の従業員も高齢化が進んでいた。

やったこと

  1. 包装ラインの自動化調理済みの惣菜を自動で袋に充填し、真空パックまで一連で行うために全自動深絞真空包装機を導入した。パック済み惣菜の表裏のラベルを自動で貼るために自動ラベル貼付機を、計量と金属異物検査を自動化するために金属探知機を入れ、ベルトコンベアで連結した。取引のある金融機関と地元の商工会議所から補助金の情報提供を受けた。
  2. 労働環境の改善と賃上げ省力化設備の導入にフレックスタイム制の採用を併せ、労働環境を向上させて人員を確保した。生産性の向上により、事業計画に定めた毎年約5%の賃上げ計画の達成をめざしている。

事業の効果

  • 包装部門の人員が13人から4人になり、9人を減らせた。
  • 包装の処理能力が1時間600パックから1,200パックになった。
  • 空いた人員を下処理部門に充て、生産性が30%上がった。
  • 生産能力の向上で売上拡大につながった。
  • 人材不足という構造的な課題を解消し、従業員のキャリアアップとモチベーション向上にもつながった。
  • 徳島県産食材の利用拡大と地域経済への貢献、品質・安全性の向上によるブランド価値の強化が見込める。

審査の観点ごとの評価

中小企業省力化投資補助金の公募要領にある審査の観点10つで見ています

観点の平均2.8 / 5
直近の回(第6回)の採択率63.9%応募1,841件・採択1,176件

出典:公募要領 p.30(審査項目)

技術面45%
  • 省力化の効果3

    13人から4人、処理能力600から1,200パックと数字はあるが、省力化指数の値や算出根拠は書かれていない。

  • 投資の回収1

    投資額や投資回収期間に関する記載は見当たらず、公開されている事例からは読み取れません。

  • 付加価値の伸び2

    生産性30%向上とあるが、付加価値額の年平均成長率は示されておらず、算出根拠も記載がない。

  • 自社に合わせた設備3

    全自動深絞真空包装機、自動ラベル貼付機、金属探知機をベルトコンベアで連結した構成が示されている。

計画面70%
  • 体制と資金2

    金融機関と商工会議所から補助金情報の提供を受けたとあるが、財務状況や資金調達の見込みは書かれていない。

  • 優位性とスケジュール3

    充填から真空パック、ラベル貼り、計量・金属検査まで自動化する工程が順に示されているが、スケジュールは不明。

  • 賃上げの目標5

    事業計画に定めた毎年約5%の賃上げ計画を示し、生産性向上による達成をめざすと明記されている。

  • 会社全体への効果4

    空いた9人を下処理部門に回して生産性が30%上がり、人材確保や賃上げにつなげる取り組みが示されている。

政策面50%
  • 地域経済への波及3

    県産の鱧を使い、徳島県産食材の利用拡大と地域経済への貢献が見込めると書かれている。

  • イノベーション2

    全自動化の設備導入は示されるが、ロボットや先端的デジタル技術の活用や新ビジネスモデルは書かれていない。

補助金を使った経費

冊子の内容から、省力化投資補助金の経費区分にあてはめた区分です。

  • 機械装置・システム構築費全自動深絞真空包装機自動ラベル貼付機金属探知機

事業者の声

金融機関、阿南商工会議所からの情報提供がありました。

省力化設備導入にフレックスタイム制の採用を併せて、労働環境を向上させ、人員を確保しており、生産性の向上により、本補助事業に係る事業計画における毎年約5%の賃上げ計画の達成を目指しています。

徳島県の冷凍食品製造業(従業員42名)
出典

相談先と計画づくり

商工会議所阿南商工会議所

包装工程の自動化で9人を下処理部門に回し、生産性を30%高める計画にした。フレックスタイム制の採用と毎年約5%の賃上げ計画を事業計画に組み込んだ。

今後の展望

生産能力の向上で売上を拡大し、徳島県産食材の利用拡大と地域経済への貢献をめざす。労働環境の改善で人員を確保し、毎年約5%の賃上げ計画の達成に取り組む。

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