事業継続力強化計画で補助金の加点を取る方法|認定まで45日と締切の逆算
この記事の要点
事業継続力強化計画の認定は持続化、新事業進出・ものづくり、省力化、事業承継・M&Aの4補助金で加点になります。補助金を検討中の社長向けに、認定までの45日、締切からの逆算、加点が外れる例をまとめます。
事業継続力強化計画(連携計画を含む)の認定は、持続化補助金、新事業進出・ものづくり補助金、省力化投資補助金(一般型)、事業承継・M&A補助金の4つで加点の対象です。
認定の審査は標準処理期間45日で、どの補助金も締切(または申請時)までに認定済みであることが条件です。申請中のままでは加点されません。
新しく取るなら、締切まで45日以上ある補助金が対象です。たとえば持続化補助金(締切:2026年12月15日(火)17:00)なら、締切の45日以上前に電子申請を終えるのが目安です。
補助金の申請を考えていて、「事業継続力強化計画を取ると加点になる」と聞いた社長に向けた記事です。どの補助金で加点になるか、認定までの日数、締切から逆算した申請日、加点が外れるケースを、公募要領と中小企業庁の資料で確かめた範囲でまとめます。
事業継続力強化計画の加点が使える補助金
確認日の時点で公表されている公募要領では、持続化、新事業進出・ものづくり、省力化(一般型)、事業承継・M&Aの4つの補助金が加点の対象です。
事業継続力強化計画とは、中小企業が作った防災・減災の事前対策の計画を、経済産業大臣が認定する制度です。自然災害などが起きたときの初動対応や、人員・設備・資金・情報の守り方を書きます。複数の会社で一緒に作る「連携事業継続力強化計画」も、4つの補助金すべてで加点の対象に含まれています。
補助金ごとの条件と期限、申請時に出すものを並べた表です。
| 補助金(公募回) | 条件の要点 | 期限 | 出すもの |
|---|---|---|---|
| 持続化補助金(通常枠 第20回・創業型 第4回) | 認定を受け、実施期間が終わっていない | 申請受付締切日までに認定。申請中・締切後の認定は対象外 | 様式2で加点を選び、受付番号(10桁)と実施期間を入力 |
| 新事業進出・ものづくり補助金(第1回) | 有効な認定を取得している | 申請締切日の時点で有効な認定 | 申請画面で選択(追加の提出書類の指定なし) |
| 省力化投資補助金 一般型(第8回) | 有効な期間の認定を取得している | 申請時に有効な期間の認定 | 受付番号(0から始まる半角10桁)と実施期間を入力。紙申請で認定なら「紙申請」と入力 |
| 事業承継・M&A補助金(16次) | 事業承継促進枠、専門家活用枠、PMI推進枠が対象 | 公募申請時点で認定済み・有効な期間内 | 認定書と申請書類 |
| 成長加速化補助金(3次) | 加点ではなく、審査の「波及効果」の例として挙がっている | 申請時に認定済み | 事業計画の中で取組として書く |
| デジタル化・AI導入補助金(2026) | 加点項目に入っていない | なし | なし |
出典:小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回 公募要領 第8版 p.39『Ⅲ.加点審査』台帳で見る
加点の一覧は各補助金の早見表(持続化補助金の加点早見表、新事業進出・ものづくり補助金の加点早見表、省力化投資補助金の加点早見表、事業承継・M&A補助金の加点早見表、成長加速化補助金の審査で評価される取組)にまとめています。対象の補助金や期限の書き方は公募回ごとに変わるため、最新の公募要領で確認が必要です。
中小企業庁の「制度の概要」も、加点を受けられる補助金として同じ4つ(持続化は一般型・創業型)を挙げています。4つの公募要領には、この加点の点数は書かれていません。新事業進出・ものづくり補助金の公募要領は「一定程度の加点」という表現です。ほかの加点との組み合わせは補助金の加点一覧で整理しています。
認定の手順と日数
認定は「事業継続力強化計画電子申請システム」から申請し、審査の標準処理期間は45日です。GビズIDが無い会社は、その取得にも最低2週間程度かかります。
中小企業庁の資料で確かめた手順を、順番に並べます。
- GビズIDを用意する。電子申請システムへのログインには、GビズIDのプライムかメンバーのアカウントが必要です。取得には「最低でも2週間程度」かかると案内されています。取り方はGビズIDの取得方法にまとめています。
- 策定の手引きを見ながら計画を書く。単独型の手引きでは、計画の目的、災害などのリスク確認と影響の想定、発災時の初動対応、ヒト・モノ・カネ・情報への対策、平時の推進体制と訓練・見直しの5つの手順で作ります。
- 計画書の項目を埋める。記載項目は、事業継続力強化の目標、対応手順と対策、設備の種類、協力する者、実効性を確保する取組、実施期間、必要な資金の額と調達方法、関係法令の遵守などです。実施期間の上限は3年です。
- 電子申請システム(https://www.keizokuryoku.go.jp/)から申請する。単独型は画面に直接入力し、連携型は電子申請用の様式を添付します。紙の申請は「原則電子申請のみ」とされています。
- 審査を待つ。標準処理期間は45日です。Q&A集では、申請書に不備があると経済産業局からの照会で時間がかかる場合があるとして、余裕を持った申請を求めています。
- 認定通知書を受け取る。電子申請で認定された場合、認定通知書はシステムから出力できます。認定を受けた事業者の名前などは、中小企業庁のホームページで公表されます。
認定の申請に期限はなく、いつでも出せます。連携型は2者以上の中小企業者が参加している必要があり、代表者は中小企業者か中小企業組合です。連携者に大企業が入る場合は、その企業の同意書が必要です。
出典:中小企業庁「事業継続力強化計画 制度の概要」(令和8年7月17日版) p.2『申請方法』
今から取って間に合う?
認定までの標準処理期間は45日なので、締切の45日以上前に申請すれば、標準どおりなら締切までに認定が届きます。締切まで45日を切っている補助金には、これから取る認定は間に合いません。
公表済みの締切と、新しく認定を取る場合の申請の目安を並べた表です。45日は暦日で単純に数えた目安で、審査が延びることもあります。
| 補助金(公募回) | 締切 | 新しく取る場合の目安 |
|---|---|---|
| 省力化投資補助金 一般型(第8回) | 2026年10月16日(金)17:00 | 締切の45日以上前に電子申請していれば、標準処理期間で間に合う。締切まで45日を切っていれば、認定済みの会社だけ使える |
| 新事業進出・ものづくり補助金(第1回) | 2026年10月30日(金)18:00 | 締切の45日以上前に電子申請していれば、標準処理期間で間に合う |
| 事業承継・M&A補助金(16次) | 2026年11月6日(金)17:00 | 締切の45日以上前に電子申請していれば、標準処理期間で間に合う |
| 成長加速化補助金(3次) | 2026年11月12日(木)15:00 | 締切の45日以上前に電子申請していれば、標準処理期間で間に合う(加点ではなく審査の評価例) |
| 持続化補助金(通常枠 第20回・創業型 第4回) | 2026年12月15日(火)17:00 | 締切の45日以上前に電子申請していれば、標準処理期間で間に合う。様式4の受付締切にも注意 |
| デジタル化・AI導入補助金(2026) | 2026年10月30日(金)17:00 | 加点項目に入っていない |
出典:小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回 公募要領 第8版 p.3『事業概要(公募期間)』台帳で見る
持続化補助金で使うなら、GビズIDがある会社は締切の45日以上前に認定を申請し、GビズIDが無い会社はさらに2週間ほど早くIDを申し込むのが目安です。持続化補助金は商工会・商工会議所が発行する事業支援計画書(様式4)も必要で、申請の締切より早く受付が締め切られます(事業支援計画書(様式4)発行の受付締切:2026年12月4日(金))。様式4の相談と認定の申請は、並行して進めます。
締切まで45日を切っている補助金は、次の公募回で使うことになります。次の回で使いたい会社は、締切が出てから動くと45日の審査に間に合わないおそれがあるため、締切の公表を待たずに認定を取っておく方が安全です。実施期間は上限3年の範囲で計画に書くので、次の公募回の締切まで残るように設定します。
加点が外れる場合
加点が外れるのは主に、締切時点で認定されていないとき、実施期間が終わっているとき、加点の選び方のルールに反したときです。
持続化補助金の公募要領は、締切日より後に認定を受けた事業者、認定申請中の事業者、実施期間が終わっている事業者を、はっきり対象外としています。ほかの補助金も「申請締切日の時点で有効」「申請時に有効な期間」と書いているため、同じ考え方で準備します。
持続化補助金では、加点は【重点政策加点】と【政策加点】から1つずつ、合計2つまでです。事業継続力強化計画の加点は【政策加点】に入っていて、同じ【政策加点】の賃金引上げ加点などと一緒に選ぶと、加点審査の対象外になります。
入力の誤りでも加点は受けられません。持続化補助金と省力化投資補助金は、受付番号を「0から始まる半角数字10桁」と指定しています。ほかの番号と取り違えないよう、公募要領に載っている中小企業庁の「受付番号」の確認方法で番号を確かめます。事業承継・M&A補助金は、認定書だけでなく申請書類も出す必要があります。
採択後の減点を心配する声もあります。公募要領が「未達の報告から18か月間の大幅減点」の対象としているのは、賃上げに関する加点です。事業継続力強化計画の加点は、採択後に数値の達成を求められる種類の加点ではありません。賃上げの加点については賃上げ加点の記事で取り上げています。
認定後に計画を変えるときの手続きも決まっています。設備を追加する場合は変更申請が必要で、実施期間が終わったあとは変更申請ができず、新しく申請し直します。2回目以降の申請には、前回の認定の実施状況報告書が必要です。
出典:小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回 公募要領 第8版 p.33『Ⅲ.加点審査』台帳で見る
専門家から見たポイント
事業継続力強化計画の加点は、採択後の約束が要らない代わりに、締切の約1か月半前には動き出す必要がある加点です。
向いている会社
持続化補助金に申請する予定で、締切まで45日以上あり、【政策加点】でほかに選ぶものが無い会社です。賃金引上げ加点は、1人あたり給与支給総額を一定以上増やす約束が必要で、満たせないと交付決定後でも補助金が出ません。その約束が重い会社にとって、事業継続力強化計画の加点は選びやすい【政策加点】です。
省力化投資補助金を次の公募回で使う予定の会社にも向いています。省力化投資補助金の公募要領は、申請システムで実施状況の振り返り報告をしたり、複数回の認定を受けたりすると加点が上乗せされると書いています。
製造業で、災害時に需要が出る製品を作っている会社もそうです。新事業進出・ものづくり補助金の公募要領は、計画に防災の取組だけでなく、自社で作る災害対応製品の供給体制づくりも入れられると書いています。
取るべきか迷う会社
締切まで45日を切っている補助金にだけ申請する会社は、今回の加点には間に合いません。次の公募回を見すえて取るかどうかで判断します。持続化補助金で賃金引上げ加点を選ぶと決めている会社は、【政策加点】の枠がすでに埋まるため、この加点は使えません。
認定には補助金の加点のほか、中小企業庁のページで税制措置や金融支援も挙がっています。防災・減災の設備を買う予定がある会社は、税制(特別償却16%)の対象になるかも合わせて確かめます。税制の対象は、認定を受けられる事業者の全部ではありません。
よくある失敗
- 認定の申請を補助金の締切の直前に出し、締切日に「申請中」のままになる。
- 以前に取った認定の実施期間(上限3年)が切れているのに気づかず、加点を選ぶ。
- 受付番号ではない番号を入れる、または実施期間の入力を忘れる。
- 持続化補助金で【政策加点】を2つ選び、加点審査そのものから外れる。
経営革新計画や経営力向上計画の加点と比べたい場合は、経営革新計画・経営力向上計画の加点も参考になります。持続化補助金のほかの加点は持続化補助金の加点要件で取り上げています。防災設備そのものに使える支援を探している東京都の会社は、東京都のBCP実践促進助成金も候補です。
出典:中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募) p.32『5-2.加点』台帳で見る
よくある質問
認定の申請中でも加点になる?
なりません。持続化補助金の公募要領は、認定申請中の事業者と締切日より後に認定を受けた事業者を対象外としています。ほかの補助金も、締切日や申請時の時点で有効な認定を求めています。
申請してから認定まで何日かかる?
中小企業庁が示す標準処理期間は45日です。申請書に不備があると、経済産業局からの照会で長くかかる場合があります。GビズIDが無い場合は、その取得に最低でも2週間程度かかります。
前に取った認定はそのまま使える?
実施期間の中であれば使えます。実施期間の上限は3年で、終わった認定は加点の対象になりません。続けたい場合は新しく申請し、2回目以降は前回の実施状況報告書を添えます。
連携事業継続力強化計画でも加点になる?
なります。持続化、新事業進出・ものづくり、省力化(一般型)、事業承継・M&Aの4つの公募要領は、いずれも連携型の認定を対象に含めています。連携型は2者以上の中小企業者が参加する計画です。
個人事業主でも認定を取れる?
取れます。中小企業庁の「制度の概要」は、認定を受けられる者に個人事業主を含めています。業種ごとに資本金や従業員数の基準があるため、手引きで確かめます。
ほかの質問はよくある質問にまとめています。
まとめ
事業継続力強化計画の加点は、4つの補助金で使え、どれも締切や申請時の時点で認定済みであることが条件です。審査に45日かかるため、これから取って間に合うのは締切まで45日以上ある補助金で、それより締切が近い補助金は次の公募回に向けた準備になります。御社が締切に間に合うか、どの加点を選ぶべきかは、専門家に無料で相談できます。
参考資料
- 中小企業庁 事業継続力強化計画
- 中小企業庁 事業継続力強化計画 制度の概要(令和8年7月17日版)
- 中小企業庁 事業継続力強化計画 策定の手引き(単独型、令和8年7月17日版)
- 中小企業庁 事業継続力強化計画 Q&A集
- 小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回 公募要領 第8版(商工会議所地区)
- 小規模事業者持続化補助金〈創業型〉第4回 公募要領 第8版
- 中小機構 新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領
- 中小機構 中小企業省力化投資補助事業(一般型)公募要領(第8回公募)
- 事業承継・M&A補助金 16次 専門家活用枠 公募要領(Ver.1.0、2026年9月)
- 中小機構 中小企業成長加速化補助金(3次公募)公募要領 Ver1.4
確認日:2026年10月14日
専門家が内容を確認しました(2026年10月14日)。
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