運送業が事業承継・M&Aに使える補助金は?採択された使い方と事例

この記事の要点

運送業の採択事例3件のうち、事業承継・M&A補助金に採択された例は2件でした。使い道は倉庫や洗車機の導入などの設備が中心です。対象の確かめ方や補助上限も取り上げています。採択事例をもとに、使い方と注意点を整理しました。

この記事の目次
  1. 3件中2件が事業承継・M&A補助金
  2. 事業承継では倉庫と洗車機の設備を入れた例
  3. その他の補助金では林業の新事業に使われた
  4. 対象は中小企業者等の基準で確かめる
  5. 補助上限は賃上げ要件で上がる
  6. 間違えやすい点
  7. 採択率は公募回で変わる
  8. 専門家から見たポイント
  9. よくある質問
結論

運送業が事業承継・M&Aに使える補助金は、事業承継・M&A補助金です。採択事例では運送業の事例は3件あり、2026年10月時点で67%にあたる2件がこの補助金に採択されていました。

事例が10件に届かないため、設備の使い道を中心に、近い業種や制度のページも案内します。対象になるかは、中小企業者等の基準と補助上限の決まりで確かめます。

運送業で事業を引き継ぐとき、倉庫や洗車機といった設備の費用まで補助金で賄えるのか、迷う場面があります。採択された運送業の使い道を知りたい方に向けた記事です。

事業承継・M&A補助金は、事業を引き継ぐ際の設備や専門家への費用を補助する国の制度です。制度の決まりは、公募要領の台帳と公式の公募要領で確かめられます。

3件中2件が事業承継・M&A補助金

採択事例では運送業の事例は3件で、2026年10月時点の数です。補助金ごとの内訳は次のとおりです。

補助金 件数 割合
事業承継・M&A補助金 2件 67%
その他の補助金 1件 33%

割合は運送業の採択事例3件に対するものです。地域は埼玉県・長崎県・鳥取県で1件ずつでした。

事例が10件に届かないため、他の例は次のページで確かめられます。

事業承継では倉庫と洗車機の設備を入れた例

事業承継・M&A補助金の2件は、経営を立て直す例と、会社を株式で引き継ぐ例です。どちらも設備を入れて、事業の立て直しや作業の負担軽減につなげていました。

1木造の定温倉庫

その他の補助金では林業の新事業に使われた

その他の補助金の1件は、運送の強みを林業に生かし、林地残材をチップ商品にした例です。運送業が自社の強みを新しい事業に広げる使い方として見られます。

1林地残材のチップ商品

対象は中小企業者等の基準で確かめる

中小企業者等とは、公募要領が資本金か従業員数などの基準で定める、補助金の対象になる事業者のことです。御社が当てはまるかは、次の5点で確かめます。

確かめること 公募要領の決まり
中小企業者等の基準 製造業その他:資本金3億円以下又は従業員300人以下/卸売業:1億円以下又は100人以下/小売業:5千万円以下又は50人以下/サービス業:5千万円以下又は100人以下
小規模事業者等の基準 製造業その他:従業員20人以下/商業・サービス業:5人以下/サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下
対象外になる所得の基準 直近過去3年分の課税所得の年平均額が15億円を超える中小企業者等は対象外
対象外になる法人の形 社会福祉法人、医療法人、一般社団・財団法人、公益社団・財団法人、学校法人、農事組合法人、組合、法人格のない任意団体は対象外
グループ会社の扱い 親会社が議決権50%超を有する子会社は同一法人とみなし、いずれか1社の申請しか認められない

資本金と従業員数のどちらで見るかは、業種と会社の情報で決まります。御社が中小企業者等に当たるかは、AIで対象か確認できます。

AIで対象か確認する

補助上限は賃上げ要件で上がる

補助上限は800万円(賃上げ要件を満たした場合1,000万円)です。補助率と補助下限は次のとおりです。枠ごとの条件は事業承継・M&A補助金の公募要領の台帳にまとめています。

  • 補助率:小規模事業者等は2/3以内、それ以外は1/2以内。800万円超~1,000万円部分は1/2以内
  • 補助下限:100万円(補助対象経費×補助率が100万円を下回る申請は受け付けない)

出典:事業承継・M&A補助金 16次 事業承継促進枠 公募要領 p.19『10. 補助上限額、補助率等』台帳で見る

間違えやすい点

間違えやすいのは、車両の購入と、承継先への支払いの扱いです。

  1. 中古品や車両は対象外。中古品購入費、不動産の購入費、道路運送車両法の自動車の購入費(リース・レンタルは対象)
  2. 被承継者への支払いは原則対象外。被承継者に支払う譲受費用(土地、資産購入費用等)など被承継者に支払う費用は原則対象外
  3. Webサイトや広告は委託費の対象外。Webサイトの新規制作・更新、ソフトウェア・システム開発、広告に係る費用は委託費の対象外

経費ごとの細かな条件は公募要領の台帳で確かめられます。こうした経費の分け方が御社の計画に当てはまるかは、専門家に無料で相談して確かめられます。

採択率は公募回で変わる

事業承継補助金の採択率は、最新回(15次)で61.3%です。回ごとの推移は、次のグラフのとおりです。

事業承継・M&A補助金の採択データ

事業承継・M&A補助金(10次までは事業承継・引継ぎ補助金)の15次の採択率は61.3%でした。採択事例では製造業が45%と最も多く、経費は設備費が93%の事例で使われています。

採択率の推移

15次61.3%
直近5回の平均61.0%

採択事例 141件採択事例を見る ›

出典(1件)
  1. 事業承継・M&A補助金 事務局「採択結果」・中小企業庁「採択結果」(11次〜15次)
採択率は採択数÷応募数で計算しています。業種・経費は、国・省庁などが公開している採択事例141件を数えた割合です(1つの事例で複数使うため、合計は100%を超えることがあります)。

採択されなかったときに理由を聞けるかは、補助金の不採択の理由は教えてもらえる?で取り上げています。業種別の採択率は公表されていないため、運送業だけの採択率は示していません。

専門家から見たポイント

運送業の採択事例は3件と少ないため、業種だけで採択されやすさは測れません。応募は551件、採択は338件でした。

採択された計画の傾向は事業承継・M&Aの採択事例で確かめられます。

設備で事業を立て直したい会社

経営を立て直す段階で、倉庫など設備に投資する例があります。設備の経費を先に整理すると、計画の筋道をつかみやすくなります。

会社の引き継ぎと設備を合わせたい会社

株式で会社を引き継いでから、洗車機の更新など作業の負担を減らす設備を入れた例があります。引き継ぎの費用と設備の費用を分けて考えると、対象かどうかを確かめやすくなります。

運送の強みを新事業に広げたい会社

林業の残材を使う新事業のように、運送の強みを別の分野に生かす例もあります。事業の広げ方を先に決めると、補助金の使い道が絞れます。

よくある質問

運送業でも事業承継・M&A補助金の対象になりますか?

中小企業者等の基準を満たす運送業の会社は対象になり得ます。基準の数字は、対象条件の節の表で確かめられます。

廃業費を一緒に使う場合、補助上限はどうなりますか?

廃業費を併用する場合は、補助上限に次の額が加わります。+300万円(廃業費の補助率は事業費の補助率に従う)

採択された会社の事例は、どこで見られますか?

運送業の例と事業承継の例は、次のページで見られます。

採択後は何をすればよいですか?

ほかの質問も見る事業承継・M&A補助金のよくある質問
出典

いま申請できる回

事業承継・M&A補助金

公募回
16次
締切
2026年11月6日(金)17:00

公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)

この補助金の採択事例

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運輸業、郵便業で、実際に採択された会社です。

VOICE

この補助金を使った人の声

  • 車が空いているときに、採算が悪くても運搬の仕事を受注し、採算の悪い仕事の中で利益がでないのでさらに仕事を取りにいかなければならない、売上は上がるが利益が出ないという負のスパイラルに陥っていました。

    埼玉県の総合物流会社従業員155名
出典:国・省庁などの公開情報をもとに当社が加工

中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言を引用しています。

まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。

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