不動産業が業務システム・ITに使える補助金は?採択された使い方と事例

この記事の要点

不動産業が業務システム・ITに使える補助金は、ものづくり・新事業進出補助金です。採択事例3件(前身の旧制度を含む)をもとに、使い方と対象条件、補助上限を整理しました。件数が少ないため近い業種の事例も案内します。

この記事の目次
  1. 業務システムが3件すべて
  2. AIで作業時間を減らす
  3. 対象は資本金と人数で決まる
  4. 補助上限は従業員数で変わる
  5. 採択率は公募回で変わる
  6. 間違えやすい点
  7. 専門家から見たポイント
  8. よくある質問
結論

不動産業が業務システム・ITに使える補助金は、ものづくり・新事業進出補助金です。採択事例では不動産業の事例は3件あり、2026年10月時点で3件とも前身のものづくり補助金(平成26・28・29年度)を含むこの制度の事例で、すべて業務システム・ITを含みます。

件数は少ないため、御社が対象になるかは、後の節の条件と台帳の数字で確かめる必要があります。

不動産業で顧客対応や管理の仕組みをシステム化したいが、同じ業種で採択された例が見つからない。業務システム・ITの使い道と実例を知りたい方に向けた記事です。

ものづくり・新事業進出補助金は、新しい設備やシステムの導入、新しい事業への進出などを補助する国の制度です。公募要領の内容は公募要領の台帳で確かめられます。

業務システムが3件すべて

不動産業の採択事例3件は、すべて業務システム・ITを含んでいます。件数が少ないため、この記事だけで使い道の傾向を言い切ることはできません。

やりたいこと 件数 割合
業務システム・IT 3件 100%
新事業・研究開発 3件 100%
設備導入 2件 67%
AI導入・活用 1件 33%

割合は不動産業の採択事例3件(前身のものづくり補助金を含む)に対するもので、1件が複数の使い道に当てはまるため合計は100%を超えます。業務システム・ITの採択事例は、業務システム・ITの採択事例で不動産業以外の例と合わせて確かめられます。

1無人の割引システム

無人のコインランドリーにQRコード読取機を付け、LINEで割引を可能に

株式会社協同住宅

成果LINEやコインパーキングのカード形式・コイン形式の割引システムのいずれにも対応でき、都市型コインランドリーの利便性向上が見込まれました。

設備導入熱処理・乾燥・炉業務システム・IT在庫・受発注・物流新事業・研究開発

2店舗後継者マッチング

AIで作業時間を減らす

AIを使って支援計画を作る計画では、作成時間が8時間から1時間になった成果が示されています。この事例は、前身のものづくり補助金(平成29年度)の採択事例です。生成AIを使う計画は生成AIに使える補助金は?開発は新事業進出・ものづくり補助金が中心で取り上げています。

対象は資本金と人数で決まる

ものづくり・新事業進出補助金は、本社と補助事業を行う場所が日本国内にあり、資本金か常勤従業員数が基準以下の中小企業者などが対象です。御社が当てはまるかは、次の表で確かめます。

確かめること 公募要領の決まり
本社と事業を行う場所 日本国内に本社及び補助事業実施場所を有する(1)中小企業者~(6)対象リース会社(小規模企業者、特定事業者の一部、特定非営利活動法人、農事組合法人を含む)
中小企業者の基準 資本金又は常勤従業員数が基準以下:製造業・建設業・運輸業 3億円/300人、卸売業 1億円/100人、サービス業 5,000万円/100人、小売業 5,000万円/50人 等
小規模企業・小規模事業者の基準 小規模企業者・小規模事業者:常勤従業員数 製造業その他20人以下、商業・サービス業5人以下(宿泊業・娯楽業は20人以下)

出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.17『1-4-1. 補助対象者』台帳で見る

基準の細かな区分は、公募要領の台帳で一覧にしています。システム構築費を中心にした不動産業の計画が対象になるかは、会社のURLを入れるだけでAIが確かめます。

AIで対象か確認する

補助上限は従業員数で変わる

革新的枠とは、公募要領で「革新的新製品・サービス枠」と呼ばれる申請枠です。革新的枠の補助上限は、従業員数によって次のように分かれます。賃上げ特例を使うと、上限が上がります。

従業員数 補助上限 賃上げ特例適用時
1〜5人 750万円 850万円
6〜20人 1,000万円 1,250万円
21〜50人 1,500万円 2,500万円
51人以上 2,500万円 3,500万円

出典:新事業進出・ものづくり補助金 第1回 公募要領 p.6『1-2-1. 革新的新製品・サービス枠』台帳で見る

革新的枠の補助率は、次の2つです。

  • 中小企業者 1/2(地域別最低賃金引上げ特例適用時 2/3)
  • 小規模企業・小規模事業者、再生事業者 2/3

新事業進出枠は、従業員数1〜20人の補助上限が2,500万円(賃上げ特例適用時 3,000万円)です。申請の締切は2026年10月30日(金)18:00(この回は締切済み)です。枠ごとの条件はものづくり・新事業進出補助金の公募要領の台帳で確かめられます。

採択率は公募回で変わる

旧ものづくり補助金の採択率は、最新回(23次)で35.1%です。回ごとの推移は、次のグラフのとおりです。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金の採択率(公募回ごと)

ものづくり・全23回の平均46.8%
主要7制度の平均47.9%

最新の23次は35.1%(全23回の平均は46.8%)

棒の下の数字は公募回・応募数・採択数です。横にスクロールすると過去の回が見られます。

公募回応募採択採択率
23次 2026/08/071,27544835.1%
22次 2026/04/301,55258237.5%
21次 2026/01/231,87263834.1%
20次 2025/10/272,45382533.6%
19次 2025/07/285,3361,69831.8%
18次 2024/06/255,7772,07035.8%
全23回の平均4,3472,03446.8%

出典:ものづくり補助金 事務局「採択結果」・中小企業庁「採択結果」(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、各回の公表資料)。採択率は採択数÷応募数で当社が計算しています。公募回の名前から各回の発表ページを開けます。

ほかの補助金の採択率と採択事例を見る

※ グラフと採択率は、今のものづくり・新事業進出補助金になる前の、旧ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)の採択結果です。今の制度の採択結果は、公表されたら差し替えます。

今の制度の公募要領は、公募要領の台帳で確かめられます。

間違えやすい点

借用・単価・建物費・支出先の4つは、確かめないまま進めると経費が対象外になることがあります。

  1. 借用は交付決定後の契約。借用(リース・レンタル)は交付決定後に契約したもので、補助事業実施期間中の経費のみ(期間超過分は按分)
  2. 単価の下限がある。補助対象となる機械装置等は単価10万円(税抜き)以上
  3. 建物は購入や賃貸が対象外。建物の単なる購入や賃貸は対象外。入札又は相見積もりが必要。不動産賃貸等への転用は不可
  4. 同じ支出先の経費。技術導入費、外注費、専門家経費の支出先に同一の事業者(みなし同一事業者を含む)を含めることはできない
  5. 事例は過去の公募回のもの。紹介した事例は前身のものづくり補助金の平成26年度・28年度・29年度の採択で、補助上限や経費は今の公募要領で確かめます。

不動産業の採択事例は、不動産業の採択事例のページで見られます。

専門家から見たポイント

不動産業の採択事例3件は、どれも業務システム・ITを含みます。使い道を選ぶときは、仕組みを作る計画と、人の作業を減らす計画に分けて考えると整理しやすいです。

参考までに、旧ものづくり補助金の最新回の公式データでは、応募1,275件に対して448件が採択されています。計画の見せ方で差がつくため、事例の成果の示し方を見ておく価値があります。

仕組みを作りたい会社

予約や割引、後継者マッチングのように、利用者と店舗をつなぐ仕組みを作りたい会社は、無人の割引システムやマッチングの例を先に読むと計画の筋道をつかみやすいです。

作業を減らしたい会社

支援計画の作成時間のように、成果を時間などの数字で示せる計画は、AIを使う例を参考にできます。

建物や設備も含めたい会社

建物や機械を含む計画は、経費の条件が細かくなります。小規模な取り組みの扱いは不動産業の持続化補助金|使える取り組みと対象外になる費用と見比べると違いが分かります。どの経費区分に入るかは、専門家に無料で相談して確かめられます。

よくある質問

不動産業でも申請できますか?

本社と補助事業を行う場所が日本国内にあり、資本金か常勤従業員数が基準以下の中小企業者なら対象になります。基準の数字は公募要領の台帳で確かめられます。

どの経費が補助の対象になりますか?

機械装置・システム構築費、運搬費、技術導入費、知的財産権等関連経費、外注費、専門家経費、クラウドサービス利用費、原材料費、広告宣伝・販売促進費などが対象です。経費ごとの上限は、公募要領の台帳で確かめられます。

システム構築費は必ず入れないといけませんか?

革新的枠は機械装置・システム構築費が必須。新事業進出枠・グローバル枠は機械装置・システム構築費又は建物費のいずれかが必須

紹介された事例は、今も同じように使えますか?

事例の使い道は今も参考になりますが、同じ金額や条件で使えるとは限りません。補助上限や対象経費は公募回で変わるため、今の決まりは公募要領の台帳で確かめます。

採択事例の一覧は不動産業の採択事例で見られます。

ほかの質問も見るものづくり・新事業進出補助金のよくある質問
出典

公募の受付状況

新事業進出・ものづくり補助金

公募回
第1回
締切
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公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)

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