建設業の原価・工事管理ソフトに使える補助金|数・価格帯と選び方
この記事の要点
建設業の原価管理・工事管理ソフトは、デジタル化・AI導入補助金に登録されたソフトなら補助の対象になります。ITツール検索の登録データをもとに、登録の数・価格帯・選ぶ基準と、自己負担の目安を整理しました。
この記事の目次
建設業の原価管理・工事管理ソフトは、デジタル化・AI導入補助金に登録されたソフトを選べば補助の対象になります。ただし、契約や購入は交付決定の後です。
デジタル化・AI導入補助金に登録された建設業向けのソフトは、2026年10月時点で103シリーズ(登録番号435件)あり、真ん中の価格は50万円です。
工事ごとの実行予算と実績が合わず原価管理ソフトを入れたいが、補助金で買えるソフトがどれか分からない。登録の数と選び方を知りたい方に向けた記事です。
デジタル化・AI導入補助金は、業務で使うITツールの導入費用の一部を補助する国の制度です。制度の詳しい内容は公募要領の台帳で確かめられます。
登録は103シリーズ
デジタル化・AI導入補助金に登録された建設業向けの原価管理・工事管理ソフトは、2026年10月時点で103シリーズあり、扱うIT導入支援事業者は129社です。
シリーズは、同じ製品のプラン違い・人数違いを1つにまとめた数です。登録番号は435件あります。数の出典は、デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール検索(中小企業基盤整備機構・公式)です。
業種の内訳は、建設業向けが99%(102シリーズ)、全業種向けが1%(1シリーズ)です。割合は103シリーズに対するもので、ほとんどが建設業に特化したソフトです。
登録ソフトは登録ソフトを探すページで確かめられます。
真ん中の価格は50万円
登録ソフトの価格は、一番安いものが3万円、一番高いものが500万円です。下から4分の1が25万円、真ん中が50万円、上から4分の1が120万円でした。
| 価格帯 | シリーズ数 | 割合 |
|---|---|---|
| 10万円未満 | 4 | 4% |
| 10万〜50万円 | 45 | 44% |
| 50万〜150万円 | 32 | 31% |
| 150万円以上 | 22 | 21% |
最も多いのは10万〜50万円の帯で、44%にあたる45シリーズです。真ん中の価格が50万円なので、登録ソフトの半分は50万円以上です。価格ごとの機能は、登録ソフトの一覧で見比べられます。
クラウド型が70%
登録ソフトのうちクラウド型は70%で、インボイス対応は54%です。AI機能を持つソフトは18%、生成AIを持つソフトは8%にとどまります。
| 機能 | 割合 |
|---|---|
| クラウド型 | 70% |
| インボイス対応 | 54% |
| AI機能 | 18% |
| 生成AI | 8% |
AIを使いたい場合は、建設業向けの業種固有プロセスの一覧で、機能を1つずつ確かめてください。
選ぶ基準は4つ
選ぶときは、次の4つを順に確かめます。
- 申し込むプランの登録番号。登録番号は435件あり、同じシリーズでもプランごとに分かれます。対象になるのは登録番号ごとなので、プランの番号を先に確かめます。
- クラウド型か、自社の環境で使えるか。登録ソフトの70%はクラウド型です。現場から入力するなら、通信できる環境かを先に確かめます。
- インボイス対応か。対応しているソフトは54%で、半数弱は対応していません。請求書の発行や受け取りも同じソフトで扱う場合は、対応の有無を見ます。
- 予算と補助額の幅。10万〜50万円の帯が45シリーズで最も多く、真ん中の価格は50万円です。通常枠の補助額は、5万円から150万円未満(1プロセス以上)と決まっているため、予算と合わせて候補を絞ります。
登録ソフトを扱う事業者の探し方は、IT導入支援事業者の探し方で取り上げています。
登録されたソフトだけが対象
補助の対象になるのは、IT導入支援事業者が登録したソフトだけです。登録されていないソフトは、業務に合っていても対象になりません。経費の区分や対象外の決まりは、公募要領の台帳にまとめています。
実行予算と実績を合わせる原価管理ソフトを入れたい御社が、補助の対象になるかをAIで3分ほどで確かめられます。
自己負担は25万円が目安
通常枠の補助率は1/2以内です。真ん中の価格である50万円のソフトを導入する場合の目安は、次のとおりです。
- ソフトの価格:50万円(真ん中の価格)
- 補助額:最大25万円(50万円×1/2)
- 自己負担:25万円が目安
実際の補助額は、経費の内容と交付決定で決まります。この計算は目安です。申請から交付決定までの順番は、デジタル化・AI導入補助金の申請手順で確かめられます。
採択率は公募回で変わる
デジタル化補助金の採択率は、最新回(26年4次)で44.4%です。公募回ごとの推移は、次のグラフのとおりで、回によって水準が変わります。
デジタル化・AI補助金の採択データ
デジタル化・AI導入補助金(通常枠。2025年まではIT導入補助金 通常枠)の26年4次の採択率は44.4%でした。採択事例では製造業が22%と最も多く、経費はソフトウェア購入費が81%の事例で使われています。
採択率の推移
採択の多い業種
よく使われた経費
採択事例 37件採択事例を見る ›
出典(1件)
※ 採択率は、公式が公表した採択データによる公募回ごとの数字です。公募回の日程と枠の違いは、公募要領の台帳で確かめられます。
専門家から見たポイント
登録ソフトの99%は建設業向けなので、業種で絞るだけでは候補が減りません。公式の採択データでは、最新回は応募1,836件に対して816件が採択されています。登録番号・価格・機能を先に固めておくと、申請の準備を進めやすくなります。
機能を先に決める会社
原価と工事の管理を同じソフトで見たい会社は、価格より先に、自社の工事の流れに当てはまる機能を一覧で確かめます。AI機能を持つソフトは18%と少ないため、AIが必須なら候補は早めに絞れます。
予算から決める会社
真ん中の価格が50万円なので、予算を決めると候補が絞れます。自己負担の目安を先に計算しておくと、導入の判断がしやすくなります。
登録番号の確かめ方は、IT導入支援事業者の探し方でも取り上げています。登録番号と補助の対象になるかは、専門家に無料で相談して確かめられます。
間違えやすい点
- 登録されていないソフトは対象外。IT導入支援事業者が登録したソフトだけが対象です。
- プランごとに対象が決まる。登録番号(プラン)ごとに対象が分かれるため、シリーズ名だけでは判断しません。
- 契約や支払いは交付決定の後。公募要領の対象外経費に「交付決定前に購入したITツール」があります。交付決定の前に契約・購入すると対象外になるため、発注は交付決定の後にします。
- リースと中古は対象外。「リース・レンタル契約のITツール(お助け隊サービスを除く)、中古品」は補助の対象になりません。
通常枠の受付は2026年3月30日(月)に始まっています。締切日は公募要領に記載がなく、受付スケジュールは事務局のホームページで順次公表されます。申請の流れは申請手順で取り上げています。
出典:デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠 公募要領(第7回からの改訂版) p.15『2-2(4) 補助対象外となる経費』台帳で見る
よくある質問
登録されているかは、どこで確かめられますか?
登録ソフトの一覧で、ソフトの名前と登録番号を確かめられます。一覧は登録ソフトを探すページで見られます。
中小企業でなくても申請できますか?
申請できるのは中小企業等で、公募要領で業種ごとに資本金か従業員数の基準が決まっています。基準の中身は公募要領の台帳で確かめられます。
プロセス数で補助の上限は変わりますか?
変わります。4プロセス以上の補助額は、150万円から450万円以下です。
建設業のほかの業務システムの例も知りたい場合は?
建設業のほかの業務システムの使い道は、建設業が業務システム・ITに使える補助金は?採択された使い方と事例で取り上げています。
出典
公募の受付状況
デジタル化・AI導入補助金
- 公募回
- 6次締切分
- 締切
- この回の受付は終了しました
公募要領の台帳より(2026年10月30日確認)
この補助金の採択事例
一覧へ建設業で、実際に採択された会社です。
申請枠:通常枠
点群処理の外注をやめ、測量の時間を半日〜1日に縮める
株式会社橋本店
成果年間で数千万円かかっていた外注費を減らし、2〜3日かかっていた測量が半日〜1日に縮まりました。
積算に1週間かかっていた見積を、材料の自動抽出で1日へ短縮の見込み
株式会社 運乗建築
成果すべての機能を使いこなせば、見積に要する時間を1週間から1日に短縮できる見込みである。
サポート切れの古い顧客管理をクラウドに替え、管理時間を5分の1に
有限会社 河内建設
成果顧客管理に要する時間が従来比5分の1になり、大事な情報の社内共有で事業承継への不安がなくなった。
VOICE
この補助金を使った人の声
京都府の電気工事会社従業員8名この業界は非常に閉じた世界ですから、経営者同士の横の繋がりも非常に重要です。社会的に人手不足と言われていますが、この業界も本当に人手不足。案件によっては人手が足りないこともありますから。
秋田県の住宅の設計・リフォーム会社従業員5名創業時には商工会で創業支援を受けながら、事業計画を練りました。今では懐かしいですが、創業当初は私一人でしたので、2帖ほどの自宅の書斎から事業を始めました。
出典:国・省庁などの公開情報をもとに当社が加工
中小機構「補助金活用ナビ」の事例記事にある事業者の発言を引用しています。
まだ相談は早いと感じる方は、まず資料で全体をつかんでください。
デジタル化・AI導入補助金の関連記事
一覧へデジタル化・AI導入補助金は、IT導入支援事業者と組んで登録ITツールの導入費の一部を補助する制度です。5つの枠の違い、申請できる会社の線引き、ChatGPTなど生成AIの扱い、申請から入金までの流れを公募要領と採択事例で整理しました。
更新 2026/10/27
デジタル化・AI導入補助金は、登録されたIT導入支援事業者と組んで申請します。補助金を使う会社向けに支援事業者の役割・探し方・選び方を、ITベンダー向けに支援事業者とITツールの登録の流れ・時期・審査の注意点をまとめます。
更新 2026/10/18
デジタル化・AI導入補助金の申請手順を、交付申請の必要書類、ITツール代金の支払い方法、実績報告、効果報告、返還になるケースの順に整理。ITツールの導入を考える中小企業と個人事業主向けに、通常枠の公募要領と事務局の案内をもとにまとめました。
更新 2026/10/18
IT導入補助金は2026年度からデジタル化・AI導入補助金に名前が変わり、制度は続いています。2025年度との比較表で、変わった賃上げ要件・AIの扱いと、変わらない補助額・補助率を示し、前に採択された会社の注意点もまとめます。
更新 2026/10/18